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【目印を見つけるノート】116. インカローズが特別な理由

熊本も秋田もたいへんです。
今日も雨が暴れませんように。

・・・
鎌倉に行きたいです。
金沢文庫に行きたいです。
いつになったら行けるのかな。

いちばん行きたいのは、鎌倉中央図書館です。あとは、鎌倉時代に絡む場所全般。京急とか横須賀線ですぐ行けるのに、とっても遠いなあ。

鎌倉時代のことを書こうと思った話は前に書きましたが、やっぱり現地を歩いて体感したいのです。

愚痴をつらつらと言ってしまいそうなので、今日は一年前に行ったときのことを書きましょう。

石を売っているお店も出てくるおはなしです。
ちょっと不思議なような、実はそうでもないおはなしです。


⚫六代御前まえ

その日はいくつかのポイントで写真を撮ってから鎌倉に向かうことにしていました。

でも私は他のことで気分がとてもブルーで、ひどく傷ついていて、憤慨していました。ネガティブなものの集合体のようでしたね。
それをはね飛ばそうとあがくように、夢中でスマホで原稿を打っていました。
その地(逗子)でよく知られている名前かと思いますが、六代御前という人のお話を打っていたのです。

バス停がありますので。

取材をしながら歴史小説を書くという、荒唐無稽なことをしていたのです。しかもアップはその日の夕方、ライブライティング? あの日は結構歩き回り、外で内で、そこらかしこで原稿を打っていました。

どうしてそんなことをしていたのでしょうね(苦笑)。

六代御前の話を書きながら、
六代御前の墓所にたどり着きました。
うっそうと生い茂った木々の葉が、不思議なぐらい生き生きとした緑色でした。別の世界に来たよう。

すっと心が静まるのを感じました。

そこでボロボロと、さらさらとネガティブな集合体が剥がれていきました。お墓に手を合わせて、由緒が書かれた看板をたどるように読んで、私はお辞儀をしてその場を去りました。

「ああ、書いていてもいいんだ」と思いました。

そこから歩いて逗子駅に戻って鎌倉駅に出ました。鶴岡八幡宮に行くのです。
鎌倉時代を書いているときは、お参りするのがごあいさつのように考えているのです。

源頼朝や実朝がどのように生きたのか、ここが彼らにとってどれほど大事だったのか、そして悲劇の場だったのか、史実として知っているからです。


⚫天然石のお店で

鶴岡八幡宮に行くとき、余裕があれば小町通りを行きますし、急いでいれば若宮大路をまっしぐらに進みます。小町通りは観光のかたがとても多いですね。
賑やかな通りには、天然石を売っているお店が結構あります。前からそうだったかな?と思いつつ、目的地に向かってまっしぐらというのがパターンです。

駅を出ると、雨がぽつぽつと降りだしました。
「ああ、雨が来ちゃったなあ。強くなるかしら」と思いました。
雨は本降りになってきましたが、私はお社をお参りして、帰り道を急ぎました。

すると、いつもは気にしないのですが、1軒の小さな天然石屋さんが目に留まって、思いきって入ってみました。

お店のかたがブレスレットを作っていました。
「見るだけでもいいですか?」
とてもキレイでしたが相応にいいお値段です。やっぱり無理かなあ。するとお店のかたが、
「どれかお気になるのがありましたら」
と一言。
「ピンクトルマリンとかきれいですよね。でも今日は手持ちがなくて」と私は言いました。
「インカローズはいかがですか」
「ああ、きれいですね。でもとてもとても」と私は苦笑します。

「インカローズは本当に強いですよ。ただ、これをつけるときは、はっきり決めておいたほうがいいです」

それをお店のかたは繰り返していました。
でも、それ以上は勧められませんでした。
結局小さな小物入れひとつしか買えませんでしたが、「雨なのに帰りが大変でしょう。お気をつけて」と見送ってくれました。

ただ、「はっきり決めておいたほうがいい」というのはなぜか心に残りました。

これからは何を優先するか、何を選ぶかはっきりしておいたほうがいいのだと、私はぼんやり思いました。

それから鎌倉~大船に出て、大船駅のコンコースで粘って原稿を打って更新しました。

この更新回はすべて神奈川県産ですw

【鎌倉もののふがたり】参考までに:
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793313132/407276011/episode/2000335

そのあとインカローズを丸玉で3つ買ってルビーと合わせてゴムブレスを作りました。

インカローズは一般的に恋愛運に効くパワーストーンだと言われています。でもそういうことではない。

あの日1日のことを思い出して、のちのち「強い」という意味が理解できるようになりました。

強いのは、あの日通りすぎた場所のすべてでした。

石はインカローズでもガーネットでも何でもよかったのかもしれません。もしかしたら、傷だらけで鎌倉時代のことを書き続けているので、「大丈夫かな」と見守ってくれたのかもしれません。

確かに、あれが決めるターニングポイントでした。
あの日のできごとのように「大丈夫かな」と実際に言葉や行動で表してくださるかたもいてくださって、本当に大泣きするほどうれしかったです。

ありがとうございます。

今はそのことを忘れないために、ゴムブレスをしています。

天然石はパワーストーンと呼ばれて、金運や恋愛運や心身の調整に役立つと言われています。そのような効果もあるのかもしれませんね。
ただ、「持つ人に合うものがやって来るし、何十年もかけて大切にしたほうがいいのではないだろうか」というのが、今私の思うことです。

出会う人やものやできごとや場所、運命とか縁という言葉で人が思い浮かべるものと同じです。

そのようなことがあったから、インカローズが特別なのです。

そのギフトに見合うお話を書くようにしたいです。

たいせつなものは何ですか。
何をたいせつにしたいですか。

⚫ばらを見ていると

今日もバラが元気なので、ほっとしています。見守っている気になっていますが、見守ってくれているのかもしれません。

それではまた、ごひいきに。

おがたさわ
(尾方佐羽)

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