データサイエンティストの「分断」問題を解決しませんか?
【更新情報2024年5月26日】
「その決定に根拠はありますか?」
確率思考でビジネスの成果を確実化するエビデンス・ベースド・マーケティング
戦略を導く為の「エビデンスの作り方」をテーマに、これまで体系化してきたノウハウを紹介したマーケティング・インテリジェンスの書籍を出版致しました。5問の調査でTVCM(施策)→コンビニで商品を見た(要因)→売上がいくら増えたか?→年間16.67億円(効果)の様に経路ごとに構造的に効果を把握する国際特許(PCT)を出願した分析法など、確率モデルや因果推論をプロジェクトで実際に活用している方法を特典の動画講義も活用して実装レベルの知識まで提供しています。
データサイエンティストの「分断」問題を解決しませんか?
このnoteは主に、マーケティング業界に対して課題を投げかけ、解決策の糸口となる学びの導線を案内するものです。
昨今、同業界ではDMPやBIやMAツール、はたまたAIなどテクノロジーの活用が注目され、そうしたニュースやトピックが溢れています。今の業界の現状について、(データ分析を多少なり実践している)マーケターとしての立場から、課題を感じます。不用意に着手され成功しない、またはやたらと検討されているが着手に至らない非生産的なデータ分析または活用に関するプロジェクトや懸案も多いことについてです。
その原因の多くはマーケターのうち一部のデータサイエンティストと大多数の非データサイエンティストの分断によるものです。マーケターは文系が多く、統計やプログラミングが苦手な方が多いです。意思決定力を持つ経営者やミドル層に分析知識のある方も少ないです。
このnoteのオチでは、非データサイエンティストマーケターが最低限必要なリテラシーを得るためのオススメ書籍を(拙書も含め)いくつか紹介します。
分断について偉大なデータサイエンティストの方の記事を参照させて頂き補足します。
「AIはエクセルのような仕事の必須ツールになる」データサイエンティストの提言
河本薫 滋賀大学データサイエンス学部教授に聞く
上記記事で河本薫氏( 滋賀大学データサイエンス学部教授)は以下の様に言及されています。
「・・・・・マーケティングの世界で起きている事象です。ここでは文系の方も多いので、データ分析で数学や統計学、プログラミングなどの話が出てくると「勘弁してくれ」と拒絶反応を起こすといった事例が見受けられます。 その根底にあるのは、企業の経営層やミドル層と社内のデータサイエンティストたちとの分断です。」
氏はこう続けています。
「企業の経営層やミドル層は社内で権限を持っていてビジネス感覚が鋭い人が集まっていますが、彼らにAIやデータ分析に対するリテラシーが足りず、「AIで何かをやれ」というスタンスでいる。一方、企業内データサイエンティストは自社のビジネスに対する理解や経験が足りない場合が多く、高度な分析をやってみたものの、企業の意思決定者にとっては役に立たない。こうした分断がよくある一例です。」
同記事内で氏は、2つの解決策を挙げています。一つ目は企業内データサイエンティストが経営者やミドル層に説明スキルを向上させること。二つ目は、経営層やミドル層がAIやデータ分析に関する最低限のリテラシーを身につけることです。
かくいう私も、最近は時系列データ解析によるマーケティング予算投資の最適化などを学べる「Excelでできるデータドリブン・マーケティング」という書籍を出しましたが、元々は数学や統計学、プログラミングなどの話は「勘弁してくれ」と拒絶反応を起こす側の人間でした。
ただ、企業を支援する立場でいかにして世の中を動かす商品やサービス、コミュニケーションを考えマスもデジタルも駆使して実行するか?実践で鍛え、そうしたビジネス推進力について自信はありました。ですが、今思えば、当時はデータ分析や因果推論などを知らず「意思決定を行う為の間違えた分析報告などを提供していた」ことも多かったです。ただ、因果推論など浸透していないので、未だに多くのマーケターが、昔の私と同じ過ちを犯しているのですが・・(その内容を知りたい方は後述する「その3」拙書紹介をご覧ください)
データサイエンティストと非データサイエンティストの双方のキモチが分かる私が思うには優先課題は、経営層やミドル層、または非データサイエンティストであるマーケターがAIやデータ分析に関する最低限のリテラシーを身につけることだと思います。
最低限のリテラシーとして、「何を知っておくべきか?」とそれに対応する文献を紹介します。
(その1) 「AIにできること、できないことなど、大枠をつかむ」
(その2 論文)「相関」と「因果」は別ものであり、AIには後者の把握は難しいことを知る」
マーケターには全くと言ってよいほど、因果推論に伴う知識が知られていません。上記を読んでも、難しいと思われた方は、拙書の案内noteをご覧ください。(書籍第1章まで全文公開しています。そこでは他にもマーケターにおススメしたい書籍を参照紹介しています。)
(その3 拙書)「演習によってデータから事象を予測・説明・分類する感覚を身に着け、マーケティングに必要な因果推論の分析デザインを知る」
最後に私のこれまでの経験について話しますが、データサイエンティスト側の立場で、マーケティング予算投資最適化の分析の説明など、企業の方が大人数来て頂く半勉強会的な場で商談機会を頂くことも多かったのですが、(相手の分析リテラシーを探索しながら)一番理解度またはリテラシーが低い方に合わせ、たとえ話を工夫しながら基礎知識から説明する生産性の低さにヘキヘキとしてきました。こうした場面についてデータサイエンティストの皆さんも、同じ様な経験があるのではないかと思います。反面、マーケティングの企画立案などの実行業務に携わったことのないデータサイエンティストの方がマーケターの感覚を養うことも簡単ではありません。むしろ、そちらのほうが年月がかかるのではないかと感じています。ビジネスを推進してきた意思決定者やマーケターの皆さんは長年かけて蓄積した筋力または胆力みたいなものがある方が多いです。マーケティング知識経験をもたないデータサイエンティストがマーケターを目指すよりも大多数のマーケターが少し勉強してデータサイエンティスト寄りに変わっていくほうが圧倒的に生産性が高いはずです。「勘弁してくれ」ではなく、分析を実際に行い、因果推論についても学んで頂ければ、日本のマーケティングの本質的なデータドリブンが推進されるのではないか?そう思います。
【更新情報2024年5月26日】
「その決定に根拠はありますか?」
確率思考でビジネスの成果を確実化するエビデンス・ベースド・マーケティング
戦略を導く為の「エビデンスの作り方」をテーマに、これまで体系化してきたノウハウを紹介したマーケティング・インテリジェンスの書籍を出版致しました。5問の調査でTVCM(施策)→コンビニで商品を見た(要因)→売上がいくら増えたか?→年間16.67億円(効果)の様に経路ごとに構造的に効果を把握する国際特許(PCT)を出願した分析法など、確率モデルや因果推論をプロジェクトで実際に活用している方法を特典の動画講義も活用して実装レベルの知識まで提供しています。