コンパクト・ディスク(魚に似ていると思う)で交響曲1~15番を
正岡豊 歌集『白い箱』(現代短歌社、2023)の魚。数字はページ
「その音がもうすでに春なのだから食卓にこざかなはいらない」11
プランクトンが、発光するフクロウとバクテリアになって、クロレラと金魚を言う
「月光に触れることなく生きるのも愉悦というかシロシタガレイ」37
(城の下である、と調べられた)ラジオが、始祖鳥とシャーロック・ホームズを、エビであると言える。棚・トカゲとかげ
「わすれてはいないけれどもいつまでも金魚が食べずに残してる餌」61
土を、ピアノと、サカサナマズが記憶する記憶する鱈。ふじつぼ
「飼っている魚に餌やるようなものかそうではないのだと思いたい」100
ウニ、いそぎんちゃくテレビテレビテレビ(いつでも金属と体操)箱、エイ(さめ)
「緑夜縁日わたしがチョウチンアンコウに生まれなかったことの幸い」139
ミツクリザメに似ているだろうゴムの怪獣は、アメーバになりたいとドーナツに言っている。そのドーナツお菓子
「来世はナポレオン・フィッシュがいいと願ったのかね水槽の魚」141
眼鏡を――持っている――ハトも、それから、かわうそやムササビ。机テーブル机テーブル机
「いつまでも変わらないこころはないの、ないのよ、かみなりうおの雌雄よ」157
オオカミウオ!
「ばかね子供が金魚すくいが下手なのは当たり前でしょ ショスタコビッチ」192
私は顔がショスタコーヴィチに似ていると言われたことがあるのかもしれません
「ゆであげただけのかぼちゃに降る塩が春のさよりの色をしていた」212
コンパクト・ディスクで交響曲15曲を、回転する銀色の明るい虹だと思って、まるい音楽は魚(、CD)