(おそろしい)
東京創元社(「東京」の字が、小さく書かれている)の『全詩集大成 現代日本詩人全集』は、1990年代、私が通った高校の図書室に(全巻が?)あったと思うのだが、どうだったのだろう。しっかり、本の題名をノートなどに記録していれば(もし書いていても、ノートが、どこかに行ってしまっていたかもしれないが)、そこに確実に、あったと言えるのだが。しかし、(高校の図書室では、紙の箱が、なかったと思うのだが、)この全集の1冊が、今、ここにあって(古本だった)、(箱から出した本の)青い表紙(装幀は恩地孝四郎)や、1950年代の活字の印刷や、中の詩が3段組である(たくさん読める。うれしい)ことで、高校のときに、このような本が図書室にあったと、今、思い出すことが、できていると思う。そうなのだ、たぶん、この全集が、高校の図書室の本棚に、並んでいた。そのようであったと思う。第6巻「大手拓次 佐藤惣之助 百田宗治 平戸廉吉」(1955)の、百田宗治「自伝的なもの」(228ページ)に、この人が発刊していた詩の雑誌「椎の木」について「『椎の木』を始めたのは大正15年の終りで、伊藤整、丸山薫、三好達治、北川冬彦、春山行夫、後に西脇順三郎の諸君らとの往来がはじまり、文学的にいろいろの影響をうけた。」かっこいい詩(すべての詩が、でもないが)を書く人たち、なのだと思う。百田宗治は、この第6巻の227~362ページ。短い詩「人形」(350ページ)を最初から最後まで引用「 玩具屋の店さきで子供は当惑してしまふ。それから泣き顔をして怪物のやうな壊れた大きいセルロイドの人形をかかへて出て来る。」ほしい人形だったのだろうか、ほしくなくても、その人形を持って帰らなければならない(おそろしい)事情が、あったのか(一部分、もとの本の漢字とは違う漢字を書いている)