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ぼぎわんが来るー

最近、澤村伊智さんの小説にハマっております。今回は第22回日本ホラー小説大賞を受賞した「ぼぎわんが、来る」を読んだ感想を書いていきます。
〜あらすじ〜
幸せな新婚生活を営んでいた田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。取り次いだ後輩の伝言に戦慄する。
それは生誕を目前にした娘・知紗の名前であった。原因不明の怪我を負った後輩は、入院先で憔悴してゆく。
その後も秀樹の周囲に不審な電話やメールが届く。一連の怪異は、今は亡き祖父が恐れていた“ぼぎわん”という化け物の仕業なのか?
愛する家族を守るため秀樹は伝手をたどり、比嘉真琴という女性霊媒師に出会う。
真琴は田原家に通いはじめるが、迫り来る存在が極めて凶暴なものだと知る。はたして“ぼぎわん”の魔の手から、逃れることはできるのか……。

〜感想〜
わたしは中学生頃からホラー小説に親しみだしまして、和風洋風問わず読み漁って参りました。近頃読んでなかったのですが、また自分の中でホラー熱?が湧いてきたので、タイトルのネーミングに惹かれてこの「ぼぎわんが来る」を読んでみました。

まぁ怖い怖い。怖いけど先が気になって一気に読んでしまいましたね。
何が怖いってこのぼぎわんという化け物が、勝手にターゲットにした人を訪ねてきて、襲ってくるわけなんですけど、そのリアルな描写がね天才的に怖いわけですね。
で、なんでこのぼぎわんのターゲットにされちゃうかっていうと、なんだかんだ呪いの力でそうなっちゃうっていう。
呪いがある意味凶器なので、推理小説でいうところの探偵役が霊媒師というのも、通常の推理小説ならなんじゃそりゃ?ですけど、あくまでホラー小説なので、全然アリになるといううまさ。
そして怪異たるぼぎわん対霊媒師の戦闘シーンも、文字なのだけど脳内再生が簡単にできちゃう描写の巧みさに脱帽ですね。

でも実は一番怖いのは、都合の良い面しか見ようとしない人間の醜さなのかもしれないがというのがこの小説のサブテーマなのではないかと感じましたね。まぁ人間って醜いのだけれど、最終的には人間の絆って美しいかもねというのが最後盛り込まれてて、後味はスッキリしてるのがこの小説の特徴ですね。

この「ぼぎわんが来る」は霊媒師比嘉姉妹シリーズ第一作目ということで、次回のシリーズを読み進めるのが楽しみです。また「ぼぎわんが来る」は「来る」というタイトルで映画化もされています。
映像で見るのはかなり勇気がいりますが、いつか時間があるときに見てみたいです。

ご精読ありがとうございました!

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