地方ラジオディレクターのレギュラーとイレギュラー
お久し振りです。よっすぃこと吉尾亜耶です。
前回の投稿から、随分と時間が経ってしまいました。コンスタントに書き続けられたのが1か月でしたね( ˙-˙ )。思った以上に、2月3月がいろいろありました……あちゃぱー!とか言うてる内に4月も終わりです。ちょっと待て、1年の3分の1が終わるやんけ。
今回は【地方局のディレクターってこんな事しよるよ】というのを、未来のラジオマンの参考にしてもらえたらいいなというか、こんな仕事ししよんやなーと知って貰えたらいいなというか、まあ、別名言い訳記事です。
言い訳でも、何かしら情報にしてしまいたい、というひねくれた吉尾のひとりごとです。ラジオを作りたいって思ってる人に届けばいいなぁと思います。
地方局ディレクターのレギュラー仕事
私は、愛媛県のエフナン南海放送ラジオの放送局員です。職業欄に書くのは、会社員です。
レギュラー担当は、プロフィールにも書いている通り、2022年4月現在
「Tips」毎週水曜4時間20分生放送ワンマンパーソナリティ
「井坂彰のサタデーライブ」毎週土曜3時間生放送ディレクター
この2つです。
「たかが1週間で2つやん」と思うやもしれないのですが……地方局の場合、ディレクターが進行表(いわゆるQUEシートと呼ばれるもの)、テーマの選定、仕込みゲストの打ち合わせ、台本(どんな事を話すかの大まかな内容)、資料(各コーナーやトークで必要なもの)、選曲、音源の準備、音出しプレイリストの作成、当日のディレクション(進行に合わせた対応やADへの指示出し)、技術卓での音出し(ミキサー操作)、タイムキープ、著作権処理…などは、1人のディレクターの作業です。
都市部の放送局だと、構成作家や技術、社員ADなどがいますが、この辺が準備段階ではすべて1人のディレクターだったりするんですよね。
さらにワンマン(喋りとディレクターを兼任)になると、ここに喋る準備が重なってきます。基本的な情報の確認、どう紹介すると伝わりやすいか、1つのものを伝えるのに事前に勉強しておいた方がよい事の予習、原稿があるものは下読み(言葉がわかりにくいものは言い方を工夫したり、修正したりすることもあります)、選曲(ディレクターに任せる番組と、出しあう番組と、喋り手が任される番組と…色々あります)、ニュースのチェックなどなど、これはでも、本当に人によって様々かなと思うので、あくまで一例って感じで。
放送は準備が命なので、それなりに時間もかかります。逆に言うと、準備が8割というか、ここちゃんとやってたら本番は笑うだけ、という場合もあります(まぁ、それは冗談です)。
ざっくり……本当にざっくりですが、1つの番組の準備を1人でするとやはり半日から1日くらいはあっという間に過ぎていってしまいますねー。
さて、ここまではある程度予想がつく流れだと思いますが、レギュラー番組だけやっていたらいいわけではないのが、放送局員の性。放送マンの性。
他にも、他の番組内コーナーを担当していたりしてその仕込みをしたり、SNSやウェブサイトの更新作業、部内での雑務などもあります。この辺は、一般的な会社と変わらないと思って貰っていいです。社内資料作ったり、メールしたり、打合せしたり…そういうのが、作業の間に常時入ってきます。
特番・企画というイレギュラー
そしてもうひとつ、特番や企画が一定周期でやってきます。
スポンサー様からご依頼いただけるかどうかというところも大きいですし、自分たちで仕掛けてるものもあるので、そんな他人事みたいに言うようなもんじゃないんですけど。
コロナ禍になって前ほどではなくなりましたが(それはそれで残念なことなのですが)、だいぶ企画や特番をできるようになってきました。
2022年1月から4月にかけて担当した特番というと
1月8日 井坂彰のサタデーライブ 南海放送サンパーク大大大中古車お買い得フェア公開生放送
2月19日 JAにしうわ プレゼンツ 井坂彰のサタデーライブ オレたちの西宇和みかん-中晩柑フェスティバル-
3月19日 井坂彰のサタデーライブ公開生放送 in SHIMANAMI OUTDOOR SEAPARK
3月23日 Fnamますます伊予市まるごとDAY
と、こんな感じ。3月はちょっとハードでした(笑) 間があいてなかったもので。
レギュラー放送の台本の2、3倍の内容量になるので、当然、その分の打ち合わせや確認、準備、原稿量も増えます。
加えて公開放送となると、外で放送する用の段取りや必要な物品の準備、外の放送音声をスタジオで受けてくれる人との段取り確認も必要になるので、いつも以上に情報を共有する意識での準備となってきます。文字で書くと簡単ですが、結構気を遣います。理解して貰って共有するって、適当ではできないものっす。
そんなこんなで、ラジオをお聴きの方へ番組をお届けする前の準備というのは、細々したことを限られた時間の中に、ギュッギュッと詰めながらやっています。
公開放送でリスナーさんのお顔が見えたり、外でラジオを知って頂く機会をもらえるというのは、本当に嬉しい事ですから、楽しんでもらう為、その企画の面白さや良さを伝える為にどうしたらいいか、あれやこれや考えるのはディレクターの腕の見せ所。だんだんと形になっていく過程は、やりがいもあります。
本番中は、ケラケラ笑ってるだけのディレクターも、こうして準備をしているわけです(笑) ディレクターは、良い放送をお届けするための究極の雑用と言ってもいいんじゃないかと思っているくらいです。さすがに謙虚過ぎるいい方だとは思いますが。
1~3月は特番多かったねぇ
仮に1か月前から準備して~としても、いわゆるレギュラーしかない日はなかった、1月、2月、3月。おかげさまで、コロナ禍でもリスナーさんのお顔を見られる機会があった3か月でした。ありがたいことです。
サタデーライブも新メンバーになりましたしね、井坂さんは百戦錬磨ですが、上本ちゃんは慣れない特番スタイルをよくぞこの短期間でこれだけ頑張ってくれたと思っています。そう言葉に出来るくらい、徐々に、少しずつチーム感も出てきました。頑張っています、タレント・上本沙緒里!
ワンマンパーソナリティというディレクション兼任の喋り手という仕事
2022年4月でワンマンパーソナリティとして卓に座り、やっと1年になりました。この1年で強く感じているのは、4時間20分のワンマン生放送というのは、想像している以上に大変だという事です。少し言い方が悪いですが、誤解を恐れずに書くと、考える事も時間も作業も大きく割かざるをえない……そのほとんどが、ひとり作業ですからね。スタジオで放送するまでは、地味に孤独な作業です。リスナーさんが面白がってくれるかな、驚いてくれるかな、興味を持ってくれるかな、と考えながらの作業は楽しいですが、ひとり作業です。ナチュラルに、軽やかに駆け抜けるように放送に至るまでは、まだまだ時間も経験も必要そうです。
それともうひとつ。ワンマンスタイルの放送は、世界が出来上がってるパーソナリティにとっては、最大限に魅力が発揮できるスタイルだと思っているんですが、その分放送までの役割分担や、それによって生まれる化学反応の機会の少なさは現実として存在するなと感じています。なんでも、善し悪しは存在する……それは、ラジオ好きのリスナーさんならいわずもがな感じているでしょう。でも、それが悪いわけでもないっていう。善し悪し。
その中で、どう番組とリスナーと地域と向き合っていくか、は、私の中でも継続した課題です。
余談として
実は、吉尾個人としてはラジオの仕事以外にも、知人のWEBサイトを作ったり、映像の編集のお手伝いをしたり…個人で依頼を受けていたりしています。春先はちょっとそんなお仕事も増えていました。自分のことに時間を割く優先順位上、文章を書く、が下がっちゃった。
あとは「書く」ことは好きなんですが、つい「書きすぎてしまう」のが私の癖でして、時間を割きすぎてしまうのですよね…それに、どうしても、落としどころを付けて書きたくなっちゃうしね。noteを続けるには、この気持ちをなくした方がいいらしいです(笑)この辺の付き合い方をもう少しうまくできたらなーと。自分の中で義務化するのもうまくいかないものだなと、それも感じています。有言実行と無限実行のバランスが難しいのです、吉尾さんは。
水曜Tipsの名物コーナーになりつつある「デリシャスランチ★」は、少しでも更新したいので、これはやりたいなぁ…なんですが、どうするかな。Tips全部を頑張って振り返るのはちょっと考えようかな、その辺は調整しながら。
もっとどーでもいい事をざーッとグダグダ書きたい(笑)
もし、読者の方で、ラジオ制作に興味があって記事の中で気になることを質問したいなどあれば、マシュマロで教えて下さい。出来るだけお答えします。
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