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メディア、エンタメに求められるミドルウェア。“コンパウンドスタートアップ化”は可能?【Off Topic Ep136】

アメリカを中心に最新テクノロジーやスタートアップビジネス情報を広く深堀しながらご紹介するポッドキャスト「Off Topic」。このnoteでは、番組のエピソードからトピックをピックアップして再編集したものをお届けする。

今回は「#136 世の中には稼ぐ方法が2種類ある。それはバンドル化と、アンバンドル化だ。」から、コンパウンドスタートアップに求められる“イントレプレナーシップ”とエンターテインメント/C向け領域におけるマルチプロダクトの模索について。「#135 コンパウンドスタートアップとは何か?マルチプロダクトの優位性」で取り上げたSaaS/C向け領域と同様、レガシープロダクトのバンドル化とアンバンドル化を繰り返す歴史のなかで汲み取っていくべき視点とは何か? TikTokなどを展開するByteDanceやメディア領域を例に考えていく。

コンパウンドスタートアップに必要な“イントレプレナー”

コンパウンドスタートアップにおいて重要なのは、軸とするデータセット・グラフをどこに置くかを、はじめから想定していることだ。

Salesforceであれば顧客データ、人事ソフトを提供するHRテックスタートアップ・Ripplingであれば従業員データ、法人向けクレジットカードを提供するフィンテック企業・Rampであれば顧客の取引データ・決済データなどがそれにあたる。Rampを見ていくと、上記のトランザクションデータをベースに、よりビジュアライズされた経費精算システムへ展開するなど、マルチプロダクト化していった。これについて同社CEOのエリック・グリマンは、金融データや決済データを活用した連携・自動化を、創業当初から長期ビジョンとしてもっていたことを語っている。

こうしたマルチプロダクトを展開するコンパウンドスタートアップと、シングルプロダクトにフォーカスするスタートアップの根本的な違いに組織構成がある。マルチプロダクト化は、プロジェクトごとの組織が必要なことに加え、それぞれが連携するためのインフラなどの開発を行う、ミドルウェア的な機能を担うチームも必要になる。

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ここで重要なのは、これらの複数チームを構成するメンバーだ。Ripplingでは、従業員のうち約10%が元起業家、何かしらの会社のファンウンダーを経験しているという興味深い構成になっている。それぞれのプロダクトの責任者に自由度の高い権限を与え、プロダクトを自律的に発展させていくにあたっては、プロダクトをひとつの事業として運営することができるノウハウをもち、かつモチベーションの高い人材をリクルートする必要がある。そのときにフィットする人材は、プロダクトマネージャーではなく起業家である。各プロジェクトのトップが元ファウンダーで、“ミニCEO”のように動くことができる人材。つまり、スタートアップの中でスタートアップを運営できるような、イントレプレナー(企業内で新規事業を立ち上げて牽引する人)的な人材を、買収・採用を通して獲得しているのだ。

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