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10年を振り返る、を振り返る

数日前にTwitterで「 #10年を振り返る 」というハッシュタグが盛り上がりました。これ、僕は書かなかったんですけど、盛り上がり方がコンテンツを作る側の参考になるなぁ...と眺めていたので(根暗)気づいたことをメモしておきます。

まず、このハッシュタグって参加の敷居がめっちゃ低いんですよね。これが「10年の仕事を振り返る」とか「10年の恋愛を振り返る」とか「振り返ればヤツがいる」とかだったらここまで盛り上がらなかったはず。

なんせ、基本的に10年以上過去を振り返れる人ならすべて参加可能ですから。それこそ中学生くらいから書ける。

おまけに140文字というハードルも低い。10年を140文字だと、1年14文字。14文字ってね「おはようございます。」で9文字だからね。ほぼ挨拶レベルです。

この手の参加型企画って間口を広げすぎるとインパクト薄くなって書く人が減るイメージ強いんですが、これは見事に参加のハードル下げつつ拡散された例ですね。


拡散されやすい3つの「!」

出先でスマホで書いてるのでネタ元が不明なんですけど、認知心理学か何かである程度の人間のコミュニティ内では情報の拡散しやすい話題があるらしいんです。

それは、感嘆符のつくような話題。もっと言っちゃえば「驚嘆、共感、自己開示」の3つです。

驚嘆
最初の!は、驚嘆。要するに驚いたことはシェアしたくなるってヤツですね。

驚きのポイントは個人差あるんですけど、危険!とか便利!とかもあれば、こいつは許せねぇ!みたいなのまであります。

良くも悪くも感情を大きく動かせばシェアされやすいよってことです。


共感
これはいわゆる「わかりみ」とか「ほんそれ」とか言われるヤツです。

思わぬインサイトを発掘されたり、言いたくても言えないことを代弁してくれたりすると、思わずシェアしたくなっちゃう。


自己開示
人間は自己開示、つまり自分語りをしている時に脳内でドラッグやセックス並みの快楽を得られるそうです。承認欲求の正体はコレですね。

特に中脳辺縁系ドーパミン経路に関わる脳の領域の活動が高くなるとのことで、SNSで聞かれてもいないのにアレを食べたとか今日ここに行くとか話しちゃうのは気持ちいいからなんですね。

つくづく人間は快楽の奴隷だなぁ...。


みんな自分語りがしたくて仕方ない

今回のハッシュタグ「 #10年を振り返る 」は、ここをガッツリ抑えてました。

でも、他人の自分語りほどつまらないコンテンツってなくないですか?居酒屋での上司の武勇伝や、アレオレ話、今日何食べたとか正直どうでもいい。

なのに、これだけ拡散されたのは140文字だったから、かもしれません。俺も私も!がやりやすかった。ぶっちゃけ1人1人が書いたことは大して見られなくて、みんなが書きたくなっちゃった。


こういう投稿やSNSがこれだけ流行って浸透したのは、やはり人間が群れで生きて情報交換をして生き残ってきたからなんでしょうね。

そう考えると、拡散して欲しい情報には、驚嘆・共感・自己開示のポイントを埋め込んであげればよさそうです。

みんなが盛り上がって書いているのを眺めながら、こんなことをぼんやりと考えていました。われながら根暗というかひねくれっぷりが出ているワケですけど、人間ってオモシロ!ですね。

こういう現象の分析って楽しいですよね?
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ヤマシタ マサトシ
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