「退屈」な気持ちとの付き合い方
薬剤師 × 英語大好き はるかと
離島暮らしのクリエイター まきこ。
道を外れた薬剤師2人が送り合う「はるまき交換日記」
今回はまきこがお届けします。
はるか日記を読んで
3回目にして過去最長となった、はるかちゃんの五島滞在。
その時間が、また大きな人生の決断のきっかけになったんだね〜!
”自己肯定感の低かった” 状態でたどり着いたこの島で、会う人会う人とたっぷりお話しながら、今後の人生を考えるヒントをもらっていた、はるかちゃん。
足りない部分が目につくとときはあれもこれも欲しくなっていたのに、内側から自分を満たせるようになったら本当に必要なものが見えてくるってこと、わたしも経験あるなぁ。
これってきっと、お金とか人との繋がりとか、色んなことに通じる真理だよね。
客観的に見るはるかちゃんは、たくさんの魅力をもった人。
だけど、たとえどれだけの人にどんな言葉で伝えられたとしても、自分で自分を受け容れてあげられていなかったら、その言葉は心の奥まで届かない。
今のままでステキなんだって、自分で認めてあげられるようになって良かったね。
そして、そういう気付きをもらうのに、五島ってぴったりな場所だよね。
これから、もっと長い時間を五島で過ごしてみたいって考えてくれているのも嬉しいな。
ほんとうにそうなったら、島のみんなも喜ぶよ!
はるかちゃんがピンとくるお家とお仕事が、きっと見つかりますように。
「退屈」の捉え方を変えてみた
はるかちゃんが五島移住を本格的に検討しはじめた今、島暮らし4年目を迎えたわたしは、最近少し町の見え方が変わってきたみたい。
もともと、長いお休みには「お出かけ!」「旅行!」と、旅に出ることはわたしも大好きな趣味のひとつ。
はるかちゃんとも、フランス、イギリス、韓国とあちこちを一緒に旅したね。
それが、奈留島に来てすっかりその欲が無くなってしまって。
コロナ禍で物理的に遠出が難しかったこともあるけど、人ってこんなに性格変わるものなのかとびっくりしたよ。
でもね、どうやらそうじゃなかったみたい。
というのも、最近になってまたふつふつと、旅欲が沸いてきているんだよね。
どうしてだと思う?
振り返ってみると、移住して最初の2年間はこの町に暮らしながら、気持ちとしては旅をしていたのかもなって感じていて。
五島ってふつうに日本だし言葉も通じるけど、人との繋がりや暮らしに、自分たちの育ってきた環境とはちがう、異文化を感じることがない?
しかも、わたしの場合、過去に経験のないカフェ運営にも携わらせてもらうことになったから、移住のタイミングで知らない誰かの人生に入り込んでしまったくらい生活が一変したんだよね。
前にも書いたかもしれないけど、それはもう、言葉の通じる海外留学だったんだと思う。
旅欲が暮らしの中で満たされていたから、わざわざ遠出したいって発想にいたらなかった。
そして、その異文化だった暮らしがだんだん、「旅」「留学」から「日常」におりてきて、そうしたら少し、日々を退屈に感じることが増えた。
ここ10年は2年おきに暮らし方も働き方も変化していたから、久しぶりに感じる退屈な気持ちを解消したくて、また他所に引越すこともちょっと考えたよ。
だけど、今回は不思議とそれがしっくりこなかったんだよね。
まだ奈留島で暮らしていたい、この町のこれからを見ていたい、自分にできることがあるならやってみたいって思ったの。
だからといって「退屈」にフタをして我慢することもしたくないから、これは自分の心に「余白」が増えたのだと前向きに捉えて、その余白の分だけ視野を広げてみることにしました。
これまでより外の世界と繋がってみたり、当たり前に買っていたものを自分で手作りしてみたり、季節の野花を摘んできてお部屋に飾ってみたり、余白時間も楽しめるよう試行錯誤してみてる!
かつて近くで暮らした友の、今の日常を巡る旅
そうして始まった余白を楽しもうプロジェクト(?)の一環で、秋ごろからはたくさん「旅」をしてるよ。
長崎、雲仙、広島、下赤塚、横浜、諏訪… お仕事の出張にくっつけて、あちこち巡ってます。
そうして気付いたのが、昔とは ”好きな旅の形” が変わってきているなーってこと。
以前は、いわゆる名所を巡ってご当地料理を食べてっていう、ザ・観光!な旅を選んでいたけど、今はそれより好きな人たちの、今の日常を暮らすように体験する旅の形が、ほんとうに楽しい!
ふるさと山口、大学から長く過ごした福岡、そして今暮らしている五島で、かつて近くに生きていた人たちの、今の日常に会いに行く。
それまで観光地としてしか捉えていなかった町をよりディープに見つめながら、人ごとの、町ごとの個性に触れる。
その時間が、ものすっごく楽しくて。
自分らしさを大切に生きるあの子の手作りごはん
バリバリ働くあの子のお仕事への向き合い方
ママになったあの子の背中
都会に転職したあの子の行きつけのお花屋さん
あの子がずっと続けている習い事の発表会
縁がないと思っていた町で見つける親近感
それぞれの町で、今までの旅行では見えなかったいろんなものに出会わせてもらってるよ。
自身の環境的にも、薬剤師からクリエイターに転職した今はお金より時間の方が余裕があるから、そういった意味でも、今はこの旅のスタイルがしっくりきてる。
ありがたくもお友達のお家に泊めてもらえる時は、お洗濯やお掃除、お料理と、家事でささやかな恩返しをしています。
奈留島に暮らして、ここを旅していた頃には見えなかった五島の表情がたくさん見えるようになった。
人生の背景も年齢も、肩書きすらも関係ないお友達がたくさんできた。
その状態であらためて別の町も旅するようになってみたら、どの町とも、そこで出会うどんな人とも、良い意味でフラットに付き合えるようになった自分を見つけたよ。
フラットに見るそれぞれの旅先では、素敵だなぁって人や暮らしにたくさん出会ったし、島もこんな風だったらなぁって憧れる瞬間もあった。
だけど相変わらず、わたしは奈留島が好きだよ。
この夏は、何回もこの町に来島予定のあるはるかちゃん。
はるかちゃんにとっての五島は、これからどんな風になっていくかな。
物語の続きを楽しみにしてるね。