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体験とまなざしの魔法

こんにちは。自粛期間も長くなってしまっていますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?新年度の団体総会、及び、助成金の報告や申請などで更新が遅くなりました!毎週火曜日更新を目指しておりますので、よろしくお願いいたします!

先週より、横浜市内では福祉施設にも自粛要請が強まり、障害のあるメンバーの多くが自宅待機となっています。ご家庭の事情で通所されている方もあり、人数を絞って運営されている施設では、自宅待機メンバーへの電話支援など、支援員の仕事量は倍増の様子。また通所できなくなってしまったグループホームのメンバーは、ホームから外出することもできず、元気をなくし始めている様子です。
そんな中、先週予定されていた施設タップセッションは、中止せずにFaceTimeを利用したiPad経由のオンラインセッションを行いました。

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私も久しぶりにタップメンバーとやりとりができて、とても嬉しかったです。メンバーもやはりそうだったようで、いつもの活動を行えるだけでも、落ち着くものですね。小さな”いつもどおり”こそ奇跡の積み重なりなのです。皆さんとの写真がなくて申し訳ないのですが、セッション後の自撮り写真です!

心を動かす体験

さて、今日はメッセンジャー事業に連続参加されている、あるメンバーの成長を書きたいと思います。

施設内のタップセッションに参加し始めた頃、ほとんど喋らなかったAちゃんが、初めて外部のイベントに来たのは2017年に行ったライブでした。2015年からのおどるなつこのライブには障害手帳割引やヘルパー無料制度を設けて、積極的に施設のタップメンバーを誘っていました。福祉施設のお祭りやイベントで、表現芸術の楽しみを全て表現することはなかなか難しい。音響や照明という効果もまた、深い表現の一部なのです。
ある晩の「バロック式、筋肉と感情の劇場」という濃厚な夜のイベントに、親御さんからお申し込みを頂いて、Aちゃんは一人で会場にやってきました。


もともとAちゃんはそんなに言葉数が多くありません。それまでのタップセッションでも、ほとんどうなづくだけでした。しかしこの晩、豊かな表情とボディーランゲージで弾けるように「いやーもう、、、すごいね。うん、ほんっとにね、たのしかった。すっごい!」とライブの感想を語って帰路につきました。
そのような体験もあってか、2017年の7月から始まった「あしおとで遊ぼう!おどりの輪」にもAちゃんは複数回参加、おどるなつこ以外の表現者・表現方法と出会えることにも、興味を感じているようでした。下記は2017年度のイベントまとめ映像です。

2018年の「育て!メッセンジャー事業」を進めるにあたっては、前回記事「ダンス縁日」のような施設による派遣請負方式以外に、個人の余暇活動として依頼するメンバーもいました。わかりやすく説明して、個々に依頼し、参加してもらえるよう考えました。

まず、イベントへの有償出演への希望アンケートを配ります。それに答えてくれた人数は、初期は2割でした!お手紙は保護者の方にも届いていたと思うのですが、有償にしたことで「いや、うちの子には無理だわ」と思われてしまった保護者の方もいらしたように思います。参加希望返答だった2割の方は、2017年度の活動を楽しまれていた様子から、親御さんがOKを出してくださったことと思います。Aちゃんからも参加希望がきていました。

憧れのまなざし

たまたま知り合ったコミュニティの代表から、ハロウィンパーティを行うからよかったら踊りに来ませんかというご案内がありました。おどるなつこはイベント出演依頼は仕事としてのみ承りますが、この時は、メッセンジャー達がお仕事を経験するための場として、共に投げ銭出演させていただくことにしました。待ち合わせ場所と日時を何度も確認して、2人のメッセンジャーと横浜駅で待ち合わせをし、現場へ。

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夜のハロウィンパーティに参加するのは二人にとっては初体験。キラキラにライトアップされた会場に入った二人は、そのはしゃいだ気持ちをうまくステージに乗せてくれました。子どもたちが二人のタップダンスを見つめます。その目には(すごい!)という憧れが混じっています。この眼差しに魔法があって、メッセンジャーの二人は、自ずから振る舞いを変えていきます。楽しい気持ちを伝え合うように、子どもたちにおとたびの履き方を案内したり、タップの見本を見せたり、私が指示する必要もなく、夢のように現場を終えました。

この時に、私はこのメッセンジャー事業は、子どもにとっても、周りの大人にとっても、とても良い体験だろうと感じました。子どもは、障害の有無など気にしていません。未知の世界への興味と憧れをもって、メッセンジャーたちと出会うのです!

魔法がかかる

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