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福島と広告

街を歩いていると目ま苦しい程の広告を目にする事でしょう。視覚。時には聴覚と言った、様々な広告がこの世界にはあります。
電車の中やビルの掲示板。タクシーのような車の車体やテレビ、動画。
宣伝の機会はそこら中に落ちているといっても過言ではないです。

広告の面白さ。

近年、広告も文明の発達のそれと同じように進化をしている。
例を出せば、少し前に話題になった福島県のPR広告です。

この広告を見たことがあるでしょうか。
これは最近、主に駅で貼られていた広告です。

あるものが抜けてますよね?

それは、文字です。普段の広告には、ありとあらゆる表現で埋め尽くされた宣伝の文字がありません。

そう。ここにあるのは、"来て。"と言う文字と、福島の美しい風景を収めた写真一枚しかありません。

この広告は一時期、Twitterや他の様々なSNSで話題になりました。
それも当然。何故なら、我々が普段から見慣れている広告と比べると明らかに宣伝の文字が皆無なのです。

「これじゃあ、何を宣伝しているのか具体的にわからない。もっと細かく書かないと理解できない。」

その通りですよね。でも、よく考えて下さい。
確かにこの広告では、福島自体を目に触れさせることはできても、福島の名産を宣伝することはできません。

では何故、この広告を採用したのか。

僕が思うに、宣伝する必要はないんじゃないかと思います。

実際福島では色々なことが起こりました。
地震や津波。原発に難民。風土汚染や風評被害。名産品である果物や、その他の物の出荷量の減少。
ありもしない、現実とは異なる風評は様々な憶測や、批判を孕んで各地に吹きました。そんな心無い一つの言葉、一つの文字が福島に多大なる損害と悲しみを与えてしまった。
そこに住む人々は、あまりに卑劣な現実を強いられて来たと思います。

実際、僕は福島に行ったこともなければ、良くも悪くも他人事のように、見て見ぬ振りをしていました。
しかし、3.11から7年が経ち、まだ先は長いとは言え、果物を作りや物を作り。そして、自らの足で立ち上がり歩いて行けるまでになりました。
確かに、まだ福島が完全に"復興"したかと言われれば、イエスとは言えません。
僕は福島の人間ではないので、そこに住まわれている方々の悲しみや、心情、考えや、故郷に対する思いなどは到底理解などしかねます。
良くも悪くも、現状を完全に理解できていない人間が福島やそこの人々を語るのはおこがましいと思っています。
しかし、今や福島の食べ物はスーパーで見かけるほどに。
言うまでもなく光は見えています。

長くなってしまいましたが、先ほど僕が言った、宣伝をする必要はない。と言うことですが、これはどう言うことかと言うと。

福島には風景、食べ物、娯楽、文化、物作り。その他にも語りきれない程に素晴らしく、美しいものがある。それを文字になど到底出来やしないし、する必要はない。

僕は福島に対するイメージとして、"赤べこ" "クリームボックス" "ままどーる" "美味しい果物" "風景の美しさ" "山と海"が挙げられます。

しかし、これの他にももっとたくさんの魅力や技術、文化は存在します。これほどまでの土地をたった一枚の紙に書ききれますか?魅力を伝えきれますか?

当然。答えはNOだ。

ならば来てもらったほうが早い。見て、聞いて、触れて、感じて、考えてもらうだけで、福島の魅力は伝わる。

宣伝担当者様もそう考えたのではないかなと思いました。僕が担当でもきっとそうしたと思います。

僕は言葉と文字が好きです。しかし、言葉と文字だけでは伝えきれない事が沢山あるのもまた事実です。

百聞は一見に如かず?

いや、

百見は一行に如かず。

勝手に作った言葉です。笑
でもね、行けばわかりますよ。外の世から何を見たり聞いたりしても、行って、触れて、感じるのには遠く及びません。

紹介したこの広告には色々な種類があります。
掲載期間はもう過ぎていますが、福島県のホームページで調べれば出てくるかもしれませんし、なければ必死で探して下さい。まずはそこからです。
いきなり行って感じて来いなんて言いません。
しかし、少しでもあなたが気になるのなら、せめて心の近くには置いておいて下さい。記憶にとどめて下さい。リツイートして下さい。シェアして下さい。
確かに変な広告ではありますが、そうならざるを得ない程に素敵なところなんだと思います。
なので、僕から最後に一言。

皆さんは、色々な地域にお住まいだと思います。東京、埼玉、千葉、沖縄に北海道。はたまた秋田や三重。47都道府県に関わらず海外にも、地球の裏側にだって人は住んでいます。

でも、その人達だって他人ではありません。

アメリカに住んでいる、テイラー・スウィフトさん。日本に住んでいる吉田沙保里さんにイギリスに住んでいるベネディクト・カンバーバッチさん。韓国に住んでいるキムヨナさん。ブラジルに住んでいるネイマールさん。

みんなそれぞれに母国をお持ちですが、一度違う国に訪れれば、その間はその国の人なんです。
立場や経歴、理由など理論や書類、データは一度置いて、心はその国に入った時からその国の人間になるのです。
我々が福島に行けば、福島は何番目かの故郷です。

他人事ではなく、その土地の人間になろう。

行けばそこは我々の故郷だから。

余談ですが、僕の彼女は福島出身で、大学に進学とともに東京にて生活しています。
彼女から福島の良いところや、楽しそうな事をたくさん教えてもらっています。いつか、近いうちに僕も福島の人間になりに行って来ます。食べ物が美味しくて、美しい風景のある福島が僕は大好きです。

以上!ばいび〜

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