農水省のコロナ対策事業の不備による損害賠償の裁判2
最初の訴状を載せておく。時間も裁判の専門知識もない中書き上げたので、要点を理解していただければありがたい。
最初の訴状
高収益作物次期策支援交付金申請不受理事件
収 入
印 紙
高知地方裁判所 御中
〒789-1302 高知県高岡郡中土佐町上ノ加江3319-4
原告 SOLA株式会社 代表取締役 小田々豊 印
〒100-8950 東京都千代田区霞が関1-2-1 農林水産省
被告 国 代表者 法務大臣 川上 陽子
〒789-1301 高知県高岡郡中土佐町久礼6602-2
被告 中土佐町 町長 池田 洋光
申立ての趣旨
第一案 農林水産省(以下被告 国と言う)は,高収益作物次期策支援交付金(以下交付金)申請書(別紙)を受理せよ。
被告 国は,上記受理の為、被告 中土佐町に対して原告提出の書類書式等で交付金の申請要件を満たす事を通知せよ。
被告 国は,上記受理の為必要なら、制度をさらに見直し、受付期限を延長するなどせよ。
被告 中土佐町は,原告提出の書類一式を受理し、被告 国に提出せよ。
被告 国は,交付金申請書(別紙)の内、苗木業者の受注初期歳の金額の中で原告が令和3年3月31日までに農地を確保し、苗木の植え付けを終えた物については1000㎡当たり五万五千円を交付せよ。
その期日は交付金の他の申請者と同日とする。
原告及び被告 国は原告提出の農地等の面積が事実と違う場合は修正できる。またその場合、被告 国は上記交付金を返還請求または追加交付できる。
第2案 第1案の代わりに、契約通り購入した苗木については被告 国は原告に1000㎡当たり五万五千円を支払え。その期日は交付金の他の申請者と同日とする。
のいずれかの裁判を求める。
申立ての理由
0 原告は農水省の新型コロナ対策事業の経営継続補助金の申請書類を11月中旬に提出したが、その事業は、計画にかかる見積書価格を限度に、実際の事業費が分かってからその事業費に応じて補助金が決定されるというものだった。そこで、原告は同じ省の事業であり、本件交付金も、同様のやり方で、最終的に価格が確定することで、交付金額が決まるものと思っていた。
1 令和2年9月中旬ごろ被告 国又は被告 中土佐町(或いは黒潮町)は,交付金に対する原告からの問い合わせに交付金を受けられる条件は
(1) 新型コロナによる売り上げ減少の農作物がある事、甲2号証
(2)新規に植え付ける苗木代は及び新規農地への投資は1000㎡当たり五万五千円まで交付
⑶事業完了時期 苗木の最終植え付け令和3年3月31日まで
だと説明した。
当時、交付金申請締め切りは2020年10月下旬だが、まだ流動的だとの説明であった。
2 原告は、約6ヘクタールのレモン及び文旦の作付計画を建て、先ず苗木の確保を優先した。この時期に発注しなければ、苗木が売り切れるからだ。9月23日、レモン苗木3000本、文旦苗木500本、支払い予定総額2,576,550円を3業者に発注した。甲1号証1~3
3 つぎに、苗木納品・植え付け開始予定の3月上旬までを期限に、農地確保を開始した。その最初の農地契約が9月20日、黒潮町の2,717㎡である。XXXXX氏との農地使用貸借契約 甲6号証
4 約3ヘクタールの農地のめどを付けた10月上旬黒潮町役場に交付金について説明を求めたが、被告 国(農水省)はまだ詳細を詰めてないし、締め切り時期も11月下旬にずれ込みそうだとの説明を受けた。
5 11月7日ごろ黒潮町役場から手紙が届き、
「高収益作物次期策支援交付金運用見直しに係る交付申請受付について」甲3号証というパンフレットが届いた。
それには、被告 国職員による説明会日程11/5と11/9、受付日程11/9~11/13が記載されていたので、原告は11月9日昼ごろ黒潮町役場に説明を聞きに行った。
6 黒潮町の説明では、「まだ被告 国が詳細を決めてない」とのことだった。原告は「決まって無い事の説明」を聞いても仕方ないので、役場の職員に「既に発注などを済ませている案件は、キャンセルはできないので、その保証は被告 国が責任を持つべきだと申し入れてほしい。」とお願いした。
7 交付金の最終仕様が決まったと原告に対して、最初に連絡があったのは12月8日で、
イ 被告 国の締め切りが12月25日必着に決まったので、できれば町の最終締め切りを12月18日にしたい
ロ 植え付け予定農地のある各市町村に申請書を提出しなければならない。
と言われた。
7 そこでその日(12月8日)に原告は須崎市、土佐市に出向き手続きを聞いたところ、既に11月末で締め切っていると言う。土佐市で貰った交付金のパンフレットには、「9月30日までの関連投資等は支払い対象にする」と書いてある。甲5号証
8 12月8日午後3時ごろ農水省の交付金担当部署に電話をし、
イ まだ締め切りをしてない市町でワンストップで全植え付け予定農地を一括して申請できるようにしてほしい。
ロ 農業委員会は来年にならなければ開かれないので、農地の貸借契約は当事者どうしの契約書で良い。
としてほしいと申し入れた。
9 翌12月9日、被告 中土佐町担当者が原告事務所に来て、「交付金申請必要書類」の説明を初めてした。その内容は
イ 今年と去年の2~4月の作物別売り上げが解る書類。
ロ 苗木業者の受注書
ハ 農地の貸借契約は当事者どうしの契約書で良い。
ニ できれば最終締め切りは12月18日にしたい。
であった。
10 12月18日、原告は被告 中土佐町役場に行き、9のイ、ロ、ハの書式を確認した。
11 その後原告は事務所に戻り、各書類の確認と印刷を始めたが、農地契約で一部貸主に依頼されていた農地の地番と面積確認が農地ナビ(と言う、全国の農地のほとんどの農地の地目、地番、面積などが分かるインターネット上の農地データベース)だけでは分からず、該当市に出向かなければ解らないことが判明し、宿毛市などは往復だけでも4-5時間かかるため、全ての書類が整わないので、週明けの12月21日に受付を延期してほしい事を被告 中土佐町に申し入れ了解された。
12 12月21日、土佐市と宿毛市の税務課に出向き、土地の地番は判明したが、面積は解らなかったので、原告はグーグルマップの航空写真を元にその輪郭と尺度から手動で面積を計算し、農地貸借契約書を仕上げた。
13 同日15時ごろ、原告は全ての書類を被告 中土佐町に持ち込んで、申請を開始した。ところが、
イ 「農地が全て町外で、被告 中土佐町が各市町に農地の地番と面積を確認するのは12月25日必着の被告 国の締め切りに間に合わせる事ができないから、交付金申請は受け付けられない。」
ロ 「他の申請者も一括して出さなければならないから、原告の申請を受け付けるとそれが不可能になる」
と言われた。
14 原告は、「面積の多少の誤差は、事実が判明し次第修正するとの念書を入れてもいいから、受付てほしい」と言ったが担当者は「それは被告 国が決めた事なので無理」との返事だった。
15 そこで、その直後に原告は被告国の農水省高知事務所に電話し、
イ 原告に何の落ち度もないのに、現場を知らない不完全な制度を作り、それも11月末までたびたび仕様変更してきた被告 国が、新たな制度の不備に対処するのは当然である
ロ そもそも各市町村の農業委員会が耕作放棄地をはじめとする農地のマッチングをきちんとできない状態を放置してきたのは被告 国の責任ではないか
ハ 被告 国が各市町村を指導して農地の地番と面積を明確にするよう指示してくれるなら、原告が被告 中土佐町に変わってその証明を取りに行ってもいい
と提案し、被告 国担当者は被告 中土佐町に電話すると答えた。
16 翌日、12月22日朝、被告 中土佐町に電話すると、「被告 国からは電話があったので話しに行く」と言うので、話を聞くと、「被告 国からはなんの変更提案もなしに『原告に説明に行け』と言われた」とのこと。
17 原告は被告 国の農水省副大臣に善処を申し入れた。
副大臣葉梨 康弘(はなし やすひろ)氏には12時15分ごろ議員秘書岩野(女性)に電話した。
副大臣宮内 秀樹(みやうち ひでき)氏には13時15分ごろ、facebookで本人に直接メッセージを送った。
18 17の反応は、2021年1月18日13時現在ない。
19 そこで原告は12/23仮処分申請をしようと高知地方裁判所須崎支部に申請書を持ち込んだが、行政機関が相手の場合、行政訴訟になると言われた。
20 インターネットで行政訴訟の手続きを調べていると、行政不服審査と言う制度があることを知り、総務省の調整監察課03-3502-6386で方法を聞くと、各省庁が行政不服審査を受け付けるので、総務省行政手続法の7条不作為に当たるので農水省に聞けという。
21 そこで、農水省に電話し03-3502-8111、行政不服審査の窓口を聞くと、無いという、コンプライアンスと言う言葉を使うと、秘書課 木沢につながったので、行政不服審査の申し込み方法を聞くと、13:22
22 園芸作物課 金岡(15:19)から電話があり、行政不服審査の申し込み方法を聞くと調べてから返事するというので、待っていると、
23 12月25日 19:32になって、農水省園芸作物課から電話があり、行政不服審査を受け付けではできない趣旨の発言があった。
24 以上の原告の努力にもかかわらず、結局交付金申請は受け付けられない事になった。これは明らかに被告 国の怠慢であり、コロナ禍で苦しんでいる国民が被告 国のコロナ対策の制度設計不備で、コロナ禍の2次被害におとしめられている。
25 国が同時期に出した事業(経営継続補助金と本件交付金事業)でなおかつ本件交付金は11月30日まで細部が決まらなかったので申請が同じ形式で受け付けられると原告が思ったことに過失はない。むしろ国が一貫性のない優柔不断なやり方をした事にこそ問題がある。
26 よって,原告は被告 国及び被告 中土佐町に対し,本件交付金制度改善・申請受付及び交付金の受取の権利を有することを確認し、原告が最低でも面積当たりの事業費が限度までの交付金を受け取ることを要求する。
第2 保全の必要性
1 原告の理由によらないのに申し込み期限が過ぎ、原告が得るべき権利を失おうとしている。
2 申込人は,新型コロナの影響でレモンは前年度比43.75%、文旦は23.21%に売り上げが減少している。(甲2号証)。
3 苗木の発注はキャンセルできない。もしそれをすれば取引先が不良在庫を抱える事になり迷惑がかかるし、原告の信用問題となり、今後の取引が難しくなる。4 交付金がなければこの苗木代は原告の過大な負担になる。
5 新型コロナ対策の政策がその不備により二次被害を出す事があってはならない。
6 被告 国の制度不備で、原告だけが該当者から外れる事は不公平であり、憲法に違反する。
7 国が同時期に出した事業が同じ形式で受け付けられると原告が思ったことに過失はない。
8 事業がもし,上記の3及び4が現実化すると原告が経営難に直面するので,本訴訟に及ぶ次第である。
疎 明 方 法
甲1号証の1,2,3 受注書
甲2号証 SOLA株式会社年月別売上比較
甲3号証 交付金パンフレット(黒潮町配布)
甲4号証 交付金パンフレット(被告 中土佐町配布)
甲5号証 交付金パンフレット(被告 土佐市配布)
甲6号証 農地使用貸借契約
令和3年1月21日