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三浦孝太とも戦った、タイ地下格闘技のカリスマ、”ジョーカー”は今(インタビュー・2024年11月16日)

タイの地下格闘技界隈の代表選手と言えば、まずケンカ屋”ジョーカー”の名前があげられるだろう。ジョーカーは、タイ版ブレイキングダウンとも言える地下格団体、ファイトクラブタイランドを主戦場に、ストリートファイトタイランドなど、タイの他の地下格にも参戦してきた。

2023年の7月には地下格からメジャーシーンに躍り出た。いきなりラジャダムヌンスタジアムのRWS(ラジャダムヌン・ワールドシリーズ)のメインイベントで、三浦孝太と戦う機会を得た。今回、知人のつてで、ジョーカーに会う機会を得たので、簡単なインタビューを敢行した。ジョーカーの近況など、ここで紹介したい。

2022年のファイトクラブタイランド、アユタヤ大会
試合前にヒートアップするジョーカーと対戦者のヨマトット

※ジョーカーインタビュー(2024年11月16日、クルンテープムエタイジム(バンコク、カセートナワミン))、質問はOdasai

--- ジョーカー選手、今日はありがとうございます。私はアユタヤのファイトクラブで見た時から、ジョーカー選手のことが大好きになりました。カオサンロードでの最新のファイトクラブの試合も、メインを務めて相当盛り上がりましたね。試合は中途半端で終わってしまいましたが(サミングで1分程度で終了)

ファイトクラブにも来てもらっていたようで、ありがとうございます。(カオサン大会で無効試合となった相手の)ゴーンPYGとは再戦しなくてはいけません。※太字はジョーカーのコメント

カオサン大会のゴーンPYG戦(ファイトクラブタイランドは、3分1ラウンド、勝敗なしのルール)

‐‐‐昨年7月の三浦孝太戦のことを聞いても良いですか?

三浦孝太戦は自分にとって、初めての地下格ではない試合でした。3分3ラウンドの戦い方なども分からないまま挑んだのです。ラジャダムヌンの舞台と大観衆にとても緊張して、自分の戦いができなかった後悔もあります。

‐‐‐孝太戦は、エキシビジョンとは言え、ウェイト差が結構あったようですね。試合自体は、ジョーカー選手も持ち味を出して戦い、良い試合だったと思います。男前で恵まれた育ちの孝太選手と、ストリート出身のジョーカー選手という構図も魅力的でした。孝太選手とは、また再戦してみたいですか。

もちろん、機会があれば孝太選手ともう一度やってみたいです。あれからプロボクシングも経験して、今はもっとうまく戦えると思います。現在のウェイトは通常時で57キロで、試合の際はあまり減量はありません。孝太戦は、彼が70キロということで、60キロまで増量して身体づくりを行いました。

昨年のRWSでの三浦孝太戦、エキシビジョンの為、勝敗は付かず。3ラウンドを戦い切った。

‐‐‐孝太戦では、ジョーカー選手の祖父母も会場に見に来ていたようですね。家族想いのジョーカー選手のエピソードは、当時話題になりました。今も祖父母と一緒に暮らしていますか。

今はおじいちゃん、おばあちゃんとは別に暮らしていますが、家はすぐ近くなので、いつでも駆けつけることができます。

‐‐‐ジョーカー選手が祖父母を援助されていると思いますが、現在はファイトマネー以外には収入はありますか?(ファイトクラブタイランドは、配信を見る多くの視聴者、スポンサーによって成り立ち、ジョーカー出場の試合は視聴数を稼ぐことができる)

毎日、このジム(クルンテープムエタイジム)で練習をしていますが、同時にトレーナーもしています。このジムは小さな子どもたちの練習生が多く、子どもたち専属のトレーナーです。私の練習はクルー9(クルーガーオ、アマチュアボクシング出身のトレーナー)が見てくれています。その他にも自分のお茶のブランドを立ち上げて、ネットで売り始めたところですが、これはまだまだです。

‐‐‐きれいなジムですね。スーパーボン選手(ONE暫定フェザー級キックボクシング世界王者で自身のジム、スーパーボン・トレーニングキャンプを運営)の大きなポスターが貼ってありますが、このジムはスーパーボンジムの支部か何かでしょうか。

いえいえ、ジムのオーナーがスーパーボンを好きなだけです。関係はありません。クルー9もトレーナーで来ていますが、彼は他の仕事もあっていつも来ているわけではありません。

‐‐‐そうなのですね。クルー9については、常にジョーカー選手を見ていて二人三脚でキャリアを進めている印象があります。次のジョーカー選手の試合についてですが、次回もファイトクラブなど地下格の試合でしょうか。プロボクシングはもう戦いませんか?昨年の12月のプロボクシングの試合は、私も会場で見ていましたが、惜しい敗戦でした。(昨年、ジョーカーはプロボクシングに挑戦、ギャラクシープロモーションの手掛ける月1回のイベント、THE FIGHTER NEXT GENERATION にて、2勝1敗の戦績を残している)

ムエタイよりもボクシングが好きなので、また声が掛かれば、プロボクシングにも復帰したいと思っています。

‐‐‐それは意外です。ボクシングのほうが好きなのですね。

はい。ムエタイは全身に攻撃を受けるけど、ボクシングは打たれる場所が限定されるからあまり痛くない、というのが理由です(笑)

‐‐‐次の試合について、また今後の目標について聞かせてもらっても良いですか?

次の試合はファイトクラブタイランドになりそうです。いつ、どこの大会かは決まっていません。ただ、対戦相手はカオサン大会で中途半端に終わったゴーン・PYGで内定しています。今後については、プロボクシングやムエタイの表のリングと、地下格と行き来して戦って行くのが理想です。地下格と表のリングと、良いところを取り入れて、それぞれに活かしていけます。(その後、12月14日のファイトクラブタイランド・プラプラデーン大会でジョーカー対ゴーンPYGの再戦が決定している)

カオサン大会の試合後

‐‐‐孝太戦でジョーカー選手の名前は日本でも知られるようになりました。ファイトクラブを立ち上げた、エムさん(コントゥアラーイ・JMボクシングジム)は日本で何度もリングに上がっています。ジョーカー選手も日本で戦ってみたいですか?

もちろん、日本でも戦ってみたいですね。声が掛かれば日本への遠征もしてみたいです。

‐‐‐私のほうに日本から問い合わせがあれば、ジョーカー選手に知らせますよ。楽しみに待っていてください。

※ インタビューを終えて
地下格の試合では、戦いぶりにも太々しさを感じさせるが、実際に会ってみると好青年で、荒々しい地下格で戦っているように見えなかった。地下格と同時に表のリングでの活動も期待し、今後のキャリアも追っていきたい。

ジョーカーに話を聞いた、クルンテープムエタイジム(バンコク、カセートナワミン)
素敵な笑顔のケンカ屋、ジョーカー。
ファイトクラブタイランド、カオサンロード大会のポスター、ジョーカーがメインだった

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