【男性育休】わたしが育休を1年間取った理由
私の周りには、男性で育休を1年間取った人はいない。
たぶん1人もいない。
なので、すごいねーとか、奥さんしあわせだねーとか、仕事とかおカネは大丈夫なのー?とかよく言われる。
これまで、きちんとまとめた状態で残していなかったので、育休を1年間取った理由について書いてみようと思う。
男性で育休を検討されている方の、育休の延長を検討されている方の、プレパパの方の、なにかヒントや参考になれば嬉しいです。
そもそも育休を取ろうと思った理由
① 妻の産後うつを予防するため
私の妻は、過去に2回うつ病になっている。
なので、「危険因子」がすでにある状態。産後うつを発症するリスクがあるということだ。
また、自分もうつ病の経験があるので、発症すると生活や人生が変わったり、大変になることがよくわかっている。
副作用などを含む服薬の大変さ。治療に時間がかかるので、その分医療費も掛かる大変さ。
なので、とにかく健康が大事。
身体を壊すと子育てどころではなくなる。
仕事よりも、お金よりも大事。
これまでの経験から得たことをムダにしたくなかった。
② 夫婦円満を目指したい、家庭内不和を避けるため
妊娠出産を機に、夫婦関係が悪化し、ドロ沼離婚へと発展した友人がいる。出産後の、奥さんのいわゆる「ガルガル期」に、真っ向から対立しケンカが絶えなかったふたり。
いま思えば、奥さんはメンタルが崩壊していたのかもしれない。
友人の義母に「あなたの子どもへの教育は間違っている」とクレームの電話をかけたり、異常とも言える行動に出ていた。それくらい人が変わってしまっていた。
正直、そんな関係にはなりたくないと思った。
彼らが反面教師となってくれた。
私は、妻と死ぬまで仲良く一緒に暮らしたい。
③ 父親のひとことに心動かされたため
私の父親が、もし人生やり直せるとしたら、子育てや子どもの教育にもっと関わりたかったと漏らしたことがあった。酒の席で酔っていたので、きっとホンネではないかと思っている。
私が産まれたころの父は、まさに働き盛りで、深夜まで残業、夜の接待などもふくめて仕事漬けの毎日だったようだ。「育児や家事は女性がやること」といった時代背景もあったとは思う。
なので、子どものころは父はだいたい家にいなくて、母と過ごす時間がほとんどだった。父がたまに早く帰宅して一緒に過ごすのがめちゃくちゃ嬉しかったし、逆にまたいなくなったときはとても寂しかった。
自分の子どもには同じ思いをさせたくないと思う。
夫婦ふたりで子育てすると、子どもの成長によい影響を与えるという研究結果もあると聞く。
育休を1年に延長しようと思った理由
当初、育休は6ヶ月の予定だったが、以下の理由から1年に延長した。
① 妻のケアがまだ必要だと判断したから
幸い、妻の産後うつは回避できたが、そこで目的を果たせたと満足し、安心していた。産後うつリスク期間のピークを越えたころ、子育てはしつつも、投資の学び直しを始めてしまい、乳腺炎、肩こり、腰痛、ぎっくり腰など、次々に異変が起きる、出産に伴う妻の身体の変化に気を配れていなかった。
そして、そういったケアも産後うつ予防と同じくらい重要なことだという意識が足りていなかった。妻はもともと体が弱く、体力もないのでなおさらだった。
そのころ、産後ケアで我が家に来てくれた助産師さんが、そんな妻の体の変化について詳しく教えてくれた。
これから何をしたらよいか、何をしないのがよいかも教えてくれた。
その方にはあらためて感謝したいと思っている。
② 今しか経験できないと思ったから
1年も仕事を休むと、収入が途絶える。
昇進や昇給に影響が出るかもわからない。居場所がなくなっているかもしれない。
でも、そういったことよりも自分にとって、家族にとって価値があるだろうという気がした。
長い会社員生活のなかで、6ヶ月も1年もあまり変わらない。誤差の範囲内ではないかと。将来、後悔したくなかった。
1日8時間、めんどくさい人間関係に心を削られ、好きとはいえない仕事に時間を費やすよりも、妻と子どもの成長を見守るほうが有意義だし、きっと満足感が高く、幸せだろうという判断に至った。
育休を取れた理由(備忘録として)
他の方の参考になる点はないかもしれないが、備忘録的に残しておく。
① お金の心配が少なかったから
妻が自分より高収入なので、育児休業給付金の額も大きい。そして、自分のものと合わせると、1年は家計運用に支障をきたさないレベルだった。
また、私の15年に渡る投資と、妻の家計管理や節約術の確立のおかげで、それなりに金融資産があった。なんとかなる。これは精神的に強い支えになった。
② 仕事の心配が少なかったから
・上司の理解があった
私の上司は、1児の母で子育ての大変さをよく理解されている。
また、フラットかつ合理的な性格で、男性が育児参加することにも違和感や偏見を持っていない。男女関係なく必要なときに、やれる人がやるべきだと考えている。
・職場の理解があった
女性のほうが多い職場で、取りづらい圧を掛けてくる人や雰囲気がなかった。また、育児経験者、育休経験者が数名おり、理解を得られやすかった。
・人手が足りている状況だった
2人育休から復帰し、1人新入社員が入ってきており、私が休んでも、結果的にはそれまでより人員が多い状況だった。
・業務量が減ったタイミングだった
私は経理の仕事をしているが、今年度から法律の改正でそれまで担当していた決算資料の作成がなくなり、業務量が減った。
また、2年前からの会社(上司)の取り組みで、残業ゼロで仕事を回すという考え方がかなり浸透しており、いまの人員で業務が完遂できる環境が整っていた。
こうしてまとめてみると、会社と上司、同僚に恵まれていると実感している。あらためて感謝したい。
おわりに
育休を取るべきか、またどれだけ取るべきかという議論に対する答えは正直なところ、
ない。
全員取るべき!と言うつもりもない。
結局は、価値観の問題で、その家庭が何を優先するかによると思う。
子どもと長く同じ時間を過ごすことで、成長を見守り、家族やプライベートを大切に生きたいなら取るほうがよいかもしれないが、仕事での成功や仕事での自己実現、出世、昇進、昇給などを求めるなら仕事に邁進するのもいいと思う。
自分たちが、満足感や幸福感、納得感を得られることがいちばん大切。
そのために、何を選択するのがベストかを考えればよいと信じている。
育休は、あくまで選択肢のひとつ。
いまはそう思っている。
おわり (=^・^=)