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私が酒を撮る理由
当たり前のようにスマホで写真が撮れる今さら、「写真を撮る理由」を書くと人生語りのようになる。それでも、「酒を撮る理由」であれば答えを持っている。1つ目はコレクションの趣味として。2つ目は酔い具合を客観的に振り返るため。
「写真を撮る理由」なんて人生語りみたいなもの
これまでにも、「写真を撮る理由」みたいな話を書いたことがある。
誰もがカメラ付きスマホを持つようになり、煩わしさなく写真が撮れるようになった今や、改めて写真を撮る理由を考えるなんてことは、生きる理由を考えるくらいの哲学問題に帰着し、なんだか人生語りになる。
それでも、立飲屋さんで一眼レフを取り出して酒の写真を撮りだすと、「何のために撮ってるんですか?」とはよく聞かれる。言い換えれば「スマホでも撮れるのに、どうしてわざわざ一眼レフで撮るのか?」だろうか。よく聞かれるので文章として書くことを試みる。
幸福のため酒を収集している
ラッセルの幸福論では「幸せは歩いてこない」よろしく、幸せになるために能動的に取り組むべきことが説かれている。
ラッセルは一貫して中庸のバランスをとることを重んじていて、例えば趣味と仕事のバランスが挙げられる。ラッセル自身の趣味として「川を収集する」ことを挙げている。とは言っても川の所有者になる訳ではなく、川下りの経験をコレクションしているという意味である。
この発想と同じく、私は「飲んだことがあるお酒の銘柄」を写真を手間かけて撮りつつ、実際に飲むという儀式によってコレクションしている。その目的を辿れば、幸福になるためということになる。
自分の酔い具合を後から判断するため
私は祖父の形見のオールドレンズを普段使いして写真を撮っている。
露出やフォーカスに気を配れば、50年前のレンズでも17年前のカメラでも、SNS程度の用途ならば不自由なく使える。マニュアル撮影の練習をしたり、何枚も撮ったりすることで成功率が高められる。
ちゃんと撮れるのはシラフで集中すればの話で、お酒を何杯も飲むと手元が狂ってくる。
後から振り返って、全然ピントが合っていないと「あの時は飲み過ぎたなぁ」とか、「このくらいの酒でマニュアル撮影できないとは私もまだまだだなぁ」と反省することができる。
一連の所作として酒を飲むと写真を撮るようになったので、いつものノリで撮っていると初めて行くお店では驚かれたりする。あと、飲み過ぎてもちゃんと撮るため、記憶にない写真が残っていたりすると怖い。
何事も中庸が大事というのは、ラッセルも孔子もおっしゃるところ。死ぬまで酒が楽しめるように、うまく付き合いたい。
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