#0002 釧路を海から見る
2023年6月9日木下斉さん主催の狂犬ツアー@釧路に参加した。
自分が生まれ育った釧路駅前~北大通を歩き、最後にシークレインに乗って釧路を海から見たときに得た気付きを振り返ります!
普遍的なものを資産に
海から西港のあたりを見たとき、ふと日本を逆さにした「環日本海・東アジア諸国図」を思い出した。釧路は外海に面していて、北米や北極海に出やすく、米中露欧との結節点になり得るかも知れないということに気付いた。
現在は東アジアの領域は、地政学的に不安定であり、釧路の産業構造も嘗てとは異なっているので、米中露欧との結節点になれるか疑問符がつくのは確かではある。
しかし、地理的な釧路の位置はほぼ普遍的なものであり、この地理的優位性を武器に北洋漁業でライジングしたのも事実。
温暖化で北極海の氷が溶けて航路が拓けることも近未来にそれなりの確度で起こり得ることなので、この「港町」としての釧路の可能性をこうした地理的な観点から見直してみるのも面白いと思った。
(一方で海面上昇により釧路が水没するということも近未来に予測しうることなのだが、一旦、それについては置いておく。)
釧路の夕日は、「世界三大夕日」なのだが、恥ずかしながら釧路出身の私は、東京に出てから知った。そして、夕日も普遍的なものだと思う。
この夕日と地理的位置という普遍的なもの同士を基礎に妄想を広げていくと、もっと世界に三大夕日をPRしても良いのでは?もっと外を向いて(とくに米欧)お客さんを呼び込んでも良いのでは?と思えてきた。
例えば、北半球の緯度の高い地域の冬は、日の出が遅く日の入りが早くなるため、日照時間は短くなる。
フィンランドでは、年間数十万人が抗鬱剤を服用しているなど、鬱病で悩まされる人が多い。政府の政策により自殺者数は減少したが、依然として高い水準にある。
「日本とフィンランドの自殺対策」南山大学 森山花鈴
http://rci.nanzan-u.ac.jp/ISE/ja/publication/se35/35-09moriyama.pdf
一方で冬の釧路は、晴天率が高く(その代わり放射冷却で寒くなるが)、空気が澄むので夕日も綺麗。そんな釧路にゆっくり長期滞在してもらうというので売り込んだらどうか。
そして釧路湿原や阿寒・摩周といった国立公園(たぶん1つの市町村に2つ国立公園があるのは釧路市だけ)といった自然もあれば、海の幸もあるし、鶴居にはサウナに美味しいビールもある。釧路にはたくさんの観光資源がある。
科学的な根拠は不明だが、人は夕日を見て感動する。
だから夕日が見れなかった日には、リベンジしたいとなるし、見れてもまた見たいとなるのだと思う。
この辺も人類みんな共通しているのではないかと思うので、可能性はあると思う。
釧路で身も心もリフレッシュしてもらうのも良いし、バードウォッチングならぬ、夕日ウォッチングで長期滞在なんていうのも面白いかも知れない。
フィンランドを例に取ったが、欧州ならココ、北米ならココと的を絞りつつ、PRの手法もカスタマイズして、中国に偏重したインバウンド客のポートフォリオを再考する必要性もあろうかと思う。
稼ぐまちにしなければ!
課題は、マーケティング、情報発信、宿泊施設、飲食店、交通手段…
お客さんを御招きする体制を整えないといけない…
が、一気には無理なので、釧路川沿いや米町のあたりを夕日が見れるように芝生や腰掛ける場所を設けて綺麗にしたり、特にベストスポットは有料にしたり、ワインKみたいな特別な場所は高級にしたり、なんてことをしていくと、「稼ぐまち」がてきそうな気がしてくる。
決してMOOのような巨大なハコモノを整備するのでなく、何もないのが売りなのだから、極力シンプルに、夕日がバエルこと、人がリラックスできること、夕日に心を奪われることを重視して再興する必要があると思う。
そして、ニセコのように地価が上がれば、急に連絡のつかなかった地主がみつかったり、もしかしたら北大通や駅前の廃墟と空き地問題も解決するかも知れない。
こうした頭の体操だけしてもダメなのはわかっているのだが、木下さんが仰っている「あるエリアを徹底して再興していく」というのを、釧路だと何処か考えた時に、夕日が綺麗に見えるエリアでそれは釧路川から港にかけてじゃないかと思ったし、「環日本海・東アジア諸国図」的に釧路をみると外からお客さんを迎え外貨(海外に限らず釧路の外からのお金)を稼ぐことが必要で、普遍的な夕日と地理を基礎に思考して、できるだけ長期で続くものを考えないと、また釧路は20世紀と同じ盛者必衰を味わうことになってしまうんじゃないかと考えたりしていた。
自然と「いいまちだな」という言葉が出た瞬間
なぜこのようなことを考えたか。
釧路駅から北大通を歩いた時は、釧路をディスっていたけれど、シークレインで海から釧路を見たとき、MOOと幣舞橋の光が川面に煌めき、トランペットが響き、岸壁の炉端からたくさんの人が手を振る光景を見て、
自然と「いいまちだな」という言葉が出たから。
ここにしかないものに気付けた。
海からの釧路という普段は見ない角度から釧路を見て、実現性はさておき、釧路の魅力と可能性に気付けた瞬間だった。
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