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引き出しの奥の紅筆二年の凝りを抱く 冬がまた来る


年末に向けて家中の不用品を浚う。

今年日の目をみなかったものはもちろん、あたりまえじゃん!って顔をして鎮座しているモノモノに、当たり前じゃないからな!お前はもうお役御免だからな!と。

手に入れて居場所を与えたのはアタシなんだけど…ごめんよって気持ちも少しはあるから。


引き出しの奥の紅筆二年ふたとせこごりをいだく 冬がまた来る


手持ちのメイク用品を処分しようと思う。いつから使ってない?これ。

元々バスや電車に乗らない限りメイクをすることはなかった。そんなところへ持ってきて一昨年からのコロナ。ますます出掛けなくなるわ、マスク必須だわでメイクする機会が減った。

お出掛けと言えば母の通院付き添いぐらい。


化粧品の消費期限は開封後半年ほどだと言う。

じゃ、全滅じゃん。

ファンデもチークもアイシャドウもルージュも…

引き出しを漁ってると紅筆がコロコロと。

キャップを取ると筆先にルージュの名残りが。

手入れをしたのはいつだったか。

少しぐらいは丁寧にメイクしようと買った紅筆。

丁寧どころかほぼほぼ放置。

ぬるま湯の中で毛先を解しながら、色々と思うように行かなかった日々の澱のようだなと、まだ赤みを持つ筆先に思う。

きちんとメイクをする日がくるんだろうか。この冬は。



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