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台所短歌

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2024年6月の記事一覧

あと何が引けるだろうかと立ち止まり見廻す先に咲く白き花

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あっちへやったりこっちへやったり。きっとアタシ以外には分からないだろう微々たることを日々繰り返して終わってる。水と液肥で次々花を開いてくれるブライダルベールには感謝。秋が来る前に植え替えしてあげたいんだけれども。

苧環
4か月前
19

本当の姿はこれだったのと問うても答えぬ洗い髪 夏

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リンスインシャンプーを使ってみた。軋むってこういうことかと懐かしさが蘇ってくる。ただ本来の感触はこれだったんじゃない?と思ってしまった。今までの滑らかさは何に由来してたんだ?上乗せしてきたモノを省いてゆくのもありかと。

苧環
4か月前
18

身体にもこれで良いかと問いながら整えてゆく日々の体裁

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少し先を思い描くのが大切だと母の暮らしを見ていて感じる。そつなくこなせることを出来るだけ手放さずに済むように甘やかしにならない程度の優しさとか手軽さを探す。最近同居人と小一時間話し込んだのは椅子の肘おきの要不要。笑

苧環
5か月前
18

朝の陽が浮き上がらせる幾つかの輪沁みとともに過去を流離う

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斜めに差し込む光が浮き上がらせる様々な傷や輪沁み。それらにその度立ち止まってこなかったからの一言で済ませるしかなくて。まぁ、もうどうしようもないけども。

何もかも味だといえばいいのかな傷も輪沁みも皺もたるみも

苧環
5か月前
18

気移りをする前提の色ですか雨待ち顔は浅緑色

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もうすぐ色付きますよ と言わんばかりの紫陽花があちこちに

苧環
5か月前
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石竹に染まる家々縫うように親呼ぶ子らの声が木霊す

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現実はそんな長閑ではなく自転車を駆ってるであろう男児たちの奇声が響めいて。
うちの夕飯時間は小学生より早い!と昔々子らにボヤかれたのを思い出した。

苧環
5か月前
17

もういっこあるよと小さく呟いて差し出す手作り二次元ケーキ **** 転居後初めてチビが来た。「ひろ〜い」と部屋をぐるぐる回ったり廊下を匍匐前進したり。新しいお家を楽しみにしていたそう。ケーキを買って貼り絵の苺のホールケーキとクラッカーと点や線がたくさんのメモ書きを持ってパパと。

何泊のおつもりですかと聞けたなら心構えのしようもあって

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晴れ間のあるうちにばかり考えてると気忙しい。いつからいつまでがわかっていれば気持ちの持ちようも違うんだけどそれは端から無理だってのも重々わかってる。こちらにはいつ頃お出でになりますか?梅雨。

苧環
5か月前
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