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台所短歌

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2024年2月の記事一覧

足らぬ分補いましょうと降る雨がここ二ヶ月の憂さも流すか

樋伝い地面に当たる音だけが響く如月ぴちゃぴちゃぴちゃと

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樋から落ちる音で雨量を知ることもあるんだなと。静か過ぎる雨も纏まれば…

苧環
8か月前
18

儲けものだと思えれば一日が少し明るくなる気さえして

閏年潤んだ空の下進む昨日と同じ時計の速度

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閏年だということに先週気付く。少しずつ溜まった余りの時間がぎゅっと纏められた一日らしいけど一日は一日。昨日とも明日とも同じ24時間。

苧環
8か月前
16

緩やかに広がって行く空白が己が身丈を知らせて寄越す

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子らが居なくなって空いたスペースに嬉々として広げたモノたちをまたまた集結。押し入れに棚に引き出しにあちこちに余白ができた。当時ゆとりだと思っていたものは、もしかして無くても困らないものなのかも…と首を傾げてる最中。

苧環
8か月前
13

狭いけど今だけごめんと手を合わせ流れのままの日々を片寄せ

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どこで使う?何に使う?そうやって仲間たちを集めて回ると、今まで「場所ありき」の日々を送っていたことがわかった。「ここに置ける」ではなくて「ここに置く」を叶えるために今は選別とグループ分け。荷造りには早すぎて 笑

苧環
8か月前
13

人肌を追うては厭うを繰り返す毛布の下のキミの爪先

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まさぐる って言葉がピッタリだと思う寝入り端の子供の手足。指先や足裏に身体の一部が触れるとうねうねと蠢いて存在を確かめるくせに暫くすると、あっち行けと押し返してくる。自分より大きな保護してくれる低反発の物体を探してる?

苧環
8か月前
13

欲しいなぁと思ってたモノを順に買い始た。堰が切れた?箍が外れた?柵が…
なんか勢いづいちゃってもう。ひとつひとつは安価なものでもチリも積もれば…だしね。
でも爽快。笑

****
外そうか堰に柵箍さえも溢れた後はいつか清水に

苧環
8か月前
15

掃き出してしまえばいいさ一陣の風がさらってゆくはずだから ******** 箒を買った。掃除のハードルを下げたくて。色んな負担を減らしたくて。 アタシに向いてるかどうかは、やってみなけりゃわかんないけど。

熱源のせいではなくてあくまでもこちらの感度が落ちたせいだと

戻れない自分を責める必要はないことだけは分かってるけど



苧環
8か月前
14

不意をつく罪はどちらに一斉に飛ぶ雀らと我の足音

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ほぼ毎日生垣から一気に飛び去る雀たちの羽音にびっくりする。最初に驚かせたのはきっと私の足音だろうけど、どれだけ隠れてた?ってぐらいたくさんの雀にこっちも一瞬たじろぐんだけど。朝ご飯中だったのなら…ごめん。

苧環
9か月前
14

苦くて固い

バキバキに割れた♡のとんがりがせめて貴方に刺されと祈る 喉奥に苦味が残る設えのオランジェ…

苧環
9か月前
19

交換

交換の部品も端からありませぬ買い替えなんて以の外と **** 買い替えたり新しく買い揃え…

苧環
9か月前
17

春色の靴でステップ踏むために したい を する に置き換えてゆく

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靴下二足重ね履きしてたら春靴は履けないね。💦

苧環
9か月前
15

「さよなら」も「ありがと」さえも無意味だと知ってはいました。でも元気でね

苧環
9か月前
16

緩々と地熱で溶ける雪のよう君への気持ちが解けゆく冬 **** 生活のベースになるほど夢中になってたコトをぽとんと取りこぼしても「あ、忘れてた…」で済ませられるようになったらそれはもう終わりの始まり。それは突然じゃなくて緩々と融解していく感じ。好きの周期は3〜5年。長続きしねぇー