マガジンのカバー画像

台所短歌

1,444

本

台所から生まれた31文字

運営しているクリエイター: 苧環

カレンダーあと一枚の空白に書かれることの無い名がひとつ

バツ付ける先には何も見えなくてただ粛々と日数(ひかず)を生きる

確認に次ぐ確認で取り付けるほどの重大事項かこれは

3年前

18

気化させてやれない思いはきっとまだ温め方が足りないんだと

落ち葉すら風にカラカラ飛ばされて腐葉土になどなれない世では

拳骨で掴んで「これ」と出せるなら迷わないのに言葉の森で

3年前

17

掌の窪みの中の心地良きバームの緩みネロリの香り

＊＊＊＊＊＊＊＊
試供品のバームがいい香り。
ネロリって橙の一種なんだね。知らんかった。アロエの仲間かと　笑

3年前

19

張り詰めた空気の中で君の吐く息の白さにほっとする朝

3年前

21

サンプルに取り置きしても良さそうな青が広がる冬晴れの午後

スポイトでちゅっと摘んでパレットに保存しておく機能があれば

＊＊＊＊＊＊＊＊
スポイトでちゅっと色を取って、夏の空と比べたい気分。
青さはどう違うんだろう？
赤味？黄味？

3年前

20

ころころと転がるためには目の前の小石をひとつどかせば良いだけ

＊＊＊＊＊＊＊＊
先ばかり見ずにとりあえず目の前の小石をひとつ退ければそこからの連鎖が始まる。
とりあえず小さなひとつ。

3年前

21

立ち枯れの木々の間に間に漏れる日に映える紅葉はクリスマス色＊＊＊＊＊＊＊＊住宅街の紅葉は希少。紅葉＝観光地なんだなと思い知る。染まり切れない小さな紅葉、一人で季節先取りクリスマス。

生姜葱大蒜韮に期待する生きてくことはそういうことだ

＊＊＊＊＊＊＊＊
なんか元気になれそうなもの　笑

3年前

23

温もりに炎も薪も要らぬこと歪む視界の中で知る朝

＊＊＊＊＊＊＊＊
色々あったかいなぁと外野で思う。
涙腺がまだ生きてたんだと自分自身にちょっと感動。
みんな頑張ってんだよ！って話だね。

3年前

26

くれないをいくら集めて煮詰めても衣以外は染まらぬものを

＊＊＊＊＊＊＊＊
色々言い換えてみたところで根っこにあるのは、〜してくれない　なのかもしれないなぁ。

3年前

23

辻褄を無理に合わせて編んだとて此処が唯一アタシのちぐら

＊＊＊＊＊＊＊＊

動かないから動けないわかっちゃいるんだ頭では。頭と体はべつなんだよぉ。冬眠したい。

3年前

20

カケラでも売られてるのなら優しさを買い与えたい　今のアタシに

3年前

25

引き出しの奥の紅筆二年の凝りを抱く　冬がまた来る

年末に向けて家中の不用品を浚う。今年日の目をみなかったものはもちろん、あたりまえじゃん…

3年前

19

此処じゃない何処かに伸ばす手や足や心は最早此処にすらなく