#964 「自分で考えて」を個人的NGワードにしている話
おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
このチャンネルは、チームワーキングで仕事をもっとおもしろく、キャリアもっと持続可能に、オンラインスクールスクラより、仕事、キャリア、両立にちょっと役立つヒントを配信します。
今日の放送も、チャンネルの質問ボックスにいただいたご質問を取り上げたいと思います。
昨日に引き続き、今週は質問お応えウィークにしようかななんて思っています。
質問ボックスは、チャンネルのプロフィール欄にリンクの貼ってあるフォームでして、放送へのご要望とか、チャンネルへのコメント、そして放送で取り上げてほしい質問なんかを送っていただけるようになっていますので、取り上げるタイミングがバラバラなので、いつでもいいよぐらいな感じで送っていただけると大変うれしいです。
私はいつも質問をお待ちしています。
今日のご質問は、ナオーヌさんからいただいた質問です。
いいですね。なんかバナーヌみたいな感じで。
ナオーヌさん、ありがとうございます。お待たせしました。
自分で考えてと言われてしまい、モヤモヤしてしまったお悩み
【小田木さん、はじめまして。
いつも深くうなずきながらVoicyを聴いています。
今日は、最近、モヤモヤすることがあり、小田木さんならどう考えるんだろうかと聞いてみたかったので、質問させてください。
私は中間管理職です。
この一年、部長(部長Aさんとします)に、次のステップ(部長)を目指して、自分だったらどんなチームを作りたいのか考えてと面談時に言われており、なんとなく考え始めたところでした。
ところが、9月から突然外部から新しい人が採用され、その人が新チームの部長(Bさん)に就任。
正直、「あれ、次は私じゃなかったの?」と、なんだかモヤモヤしています。
元部長のAさんに、感じ悪くならないように、Bさんが新たに来た意図と、私への期待について聞いてみたところ、それは自分で考えてほしいとの返答でした。
私では力不足だったというようなことなのかなと、マイナスに考えてしまいます。
じゃあ、なんで期待させるようなことを言ったのか?Aさんへの不信感が湧きます。
また、Bさんは新しく来たばかりなので、私がサポートする場面も多く、さらにモヤモヤ。
企業に勤めていたらよくある話と頭で分かっていても、どんなふうにモチベーションを上げていけばよいのか悩んでいます。
ぜひ何かアドバイスをいただけるとうれしいです。】
ナオーヌさん、ありがとうございます。
いただいたご質問のポイントをもう一回おさえると、こんな感じですね。
上司であった部長Aさんから、「部長になることを目指して、自分だったらどんなチームを作りたいのか考えて」こういった打診を受けてきた。
自分なりに考え始めていたら、外部から採用されたBさんが新しい部長に就任した。
次は私じゃなかったの?とモヤモヤするし、部長だったAさんにBさんの登用や自分への期待についてちゃんと聞きたいと思ったところ、それは自分で考えてと言われてしまい、さらにモヤモヤしていると。
こういう状況ですね。
ナオーヌさん、それはモヤモヤしますよね。
皆さんだったらいかがでしょうか?
小田木さんならどう考えますかと聞いていただきましたので、このご質問の情報から私なりに考えられることをシェアさせていただこうかなと思います。
「自分で考えて」は便利だけど都合がいいキーワード
こういったシチュエーションや起こっている事象自体は、ナオーヌさんも書いてくれているように「組織の中ではよくあること」計画通りに昇進やステップアップが進まないというのは、普通にあることだときちんと理解しながら、でも、どういう背景や意図でそうなったのかを知りたいという思いに対して、自分で考えてと言われてしまったことが、かなりモヤモヤを広げている。そういう状況ですよね。
私たちはきちんとありのままに説明されれば、それがどんな内容であってもちゃんと理解ができるのに、そこが説明されない。見えない。これがモヤモヤを広げているんですよね。
その発端となるキーワードが、「自分で考えて」。
私は、「自分で考えて」というキーワードは、すごく便利だけれども、やっぱり都合のいいキーワードだと思うんですよね。
よく使われますよね。
よく使われるだけにすごく便利なんだけれども、都合のいいキーワード。
私個人としては、「自分で考えて」というのは、自分のNGワードの中に登録をしております。
今から言うことは、決して部長Aさんを責めるわけではなくて、私たちは誰もが「自分で考えて」という便利ワードを無意識に使ってしまう。
これを取り上げて、少し考えてみたいなと思います。
なんで「自分で考えて」というのが、便利だけれども都合のいいキーワードかというと、一見すると、メンバーだとか後輩に、教育や指導をしているように見えるじゃないですか。
相手に考えることを促しながら、教育指導をしているように見えるんですけれども、見えている一方で、これを言いながら相手から逃げることもできちゃうんですよね。
心の中で、「それを説明するの面倒くさいな」とか、「忙しくてじっくり向き合えないな」そんな時でも、このキーワードを使えば、一見すると相手に考えることを流しながら指導しているように見えちゃうので、それが都合がいいという意味なんですよね。
もちろん、「もっと自分なりに考えてほしい」という気持ちもあるかもしれないんですけど、もしも本当に教育目的であれば、「もっと自分で考えて」と言ってまず考えることを促したあとで、その後で必ず、どう考えたのか?お互いに同じ考えなのか?もしも考えてほしかった着眼点が足りないのであれば、どう考えればよかったのかをちゃんとフィードバックしたら、はじめて本当に教育目的として、まず自分で考えさせて、考えたことを点検したり、考えたプロセスにフィードバックをしながら指導が成り立っていくので、本当に指導や教育目的であれば、自分なりに考えたあと、ちゃんとフォローする。これがないと、本当は成り立たないんですよね。
さらに、言われるほうに目を向けてみると、言われるほうというのは、どんな人であっても、考えてないことなんてないじゃないですか。
相手から見ると断片的だったり、仮に浅かったとしても、その人なりに考えているんですよね。
考えて考えて、勇気を出して「教えてほしい」とか「聞かせてほしい」と言っているわけなので、その上で「自分で考えてほしい」と言われちゃっても、にっちもさっちもいかないことのほうが多いんじゃないかなと思います。
これを言われちゃうと、相手の意図する通りに考えられない、相手の意図をくめない自分を責めちゃったりするんですよね。
でも、そんな不毛なプロセスを繰り返しても、思考力が伸びることはないという。
本当に「自分で考えて」というのは、私としてはNGワードだと思うんですけど、皆さんはどう思いますか。
「自分で考えて」は私はNGワードにしています
なので、これを言われて育ってきたかもしれないけれども、自分はこれから自分の周りのメンバーとか後輩に使うのか?これはちゃんと考えたいなと思いますよね。
相手の考えることやお互いの考えていることなんて、そもそも人間が違うし、立場も違えば、ますます違うわけですから、お互いに開示することなしに理解できるわけがないので、ここはちゃんと聞いていいところだと思います。
ただ、ナオーヌさんのケースで、元部長のAさんに聞くかどうかについては、もしもAさんが、いつもはきちんと答えてくれていた、対話が必要な時にはちゃんと向き合って対話をしてくれていたという方であれば、たぶんこの時は、疲れていたりとか、もしくは、その時は「ナオーヌさんにそこを突かれると痛いんだよ、ごめんね」そんな思いを抱えていての「自分で考えて」だったかもしれないので、改めて落ち着いたタイミングで、ちゃんともう一度、話をしてみるといいと思います。
ただ、いつも逃げちゃう傾向があるなという場合は、Aさん以外にこのテーマについて話ができる斜めの関係の上司に近い立場の方がいるのか、そこをちょっと考えてみていいんじゃないかなと思います。
自分の本当の気持ちも整理してから聞いてみよう
最後に、いずれにしても、このテーマについて聞く前に、ナオーヌさんの本当の気持ちはどこにあるのか?これもちょっと整理してからいけるといいんじゃないかなと思っています。
本当の気持ちとは何かというと、ストレートに言うと、部長になりたいのか、なりたくないのか?ここですよね。
別に、YES or NOと、そんなパッキリした答えじゃなくてもいいと思います。
経験を積みながら、でもステップアップの先に部長というポジションに立って事業やチームを率いていく、そういった経験を積みたいと将来的に思っているのか、いないのか?
ここをちゃんと明らかにしないと、聞かれる相手も、ナオーヌさんの意図がくみかねて、たぶんどう言っていいのか、何を言っていいのか迷うということがあると思いますので、今回のケースにおいては、部長へのステップアップをナオーヌさんがどう考えているのか、どうとらえているのか?これをきちんと明らかにした上で、対話の相手と建設的な議論やフィードバックをもらえると、ナオーヌさんにとって一番いいんじゃないかなと思います。
9月に新しい体制になったということですので、今まさに、新しく来られたBさんとナオーヌさんの新たな信頼関係を築きながら、試行錯誤をやっているところだと思います。
ぜひBさんともいい関係を築き、そしてナオーヌさんの貢献と存在があるからこそ、転職してきたBさんがきちんとオンボードをし、チームを動かすことができる、そこに欠かせないリーダーというポジションをよく理解したナオーヌさんがいる。
そんな構図の中で手ごたえを持って、そしてステップアップへの経験をたくさん積んでいただきたいなと思いました。
ナオーヌさん、心から応援しています。
ご質問、お待たせしましたが、ありがとうございました。
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続きはぜひVoicyでお聴きください。
小田木朝子プロフィール
「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール“スクラ”から出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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