#965 「リーダーが弱さを見せる」ことに対する思いを言語化
おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
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今週も木曜日がやってまいりまして、今週は質問にお応えウィークなんですけれども、木曜日は毎週恒例の一緒にこのチャンネルを運営するなつさんの質問コーナーをお届けしたいと思います。
今週のなつさんの質問は、こちらです。
リーダーがチーム内で弱い部分を見せることについて
【今日の質問は、リーダーが見せる弱さについてです。
リスナーの皆さんの中には、先週、放送した小田木さんの愛犬フクちゃんの回をお聴きくださった方もいらっしゃると思います。
小田木さんは、NOKIOOのチームにも、フクちゃんの状況や今の気持ちをオープンに共有くださって、リーダーがチーム内で弱い部分を見せることについて、私自身のリーダー像が変わる経験でしたので、質問にさせていただきました。
以前の職場では、上司以上の方が、ご家族やご自身の体調不良など、なにかフルコンディションではない状況の時、状況の共有はあるものの、事実ベースの内容や、そもそも一部の人しか共有されないというクローズドな印象で、リーダーが自分の気持ちや弱い部分を見せることは、基本、ありませんでした。
今回の小田木さんの経験とイメージが、自分自身にとってリーダーとはいろんなことに動じない完璧な人物であると、自分の中にある固定概念にも気づかされた経験でもあります。
一方で、リーダーがネガティブなこともなんでも全部をオープンにすることともなんか違うなと感じており、小田木さんがどちらかというとマイナスな状態や気持ちをチーム内で共有する時に気にかけているポイントがありましたら、教えていただけるとうれしいです。】
なつさん、ありがとうございます。
毎週、手を変え、品を変え、いろんな質問を切り取ってくれますよね。
今日は、リーダーが見せる弱さについてということで質問をいただきました。
リーダーがチーム内で弱い部分を見せることについて、小田木さんが自身のマイナスな状態や気持ちをチーム内で共有する時に気にかけているポイントがあれば教えてくださいと。こんな内容です。
そうなんですよね。先月、フクちゃんが脳梗塞で倒れたという件については、実はその当日は本当に言えなかったんですけれども、二日たって実は今こういう状況なんだという状況と、すごくショックで、かつ心配な気持ちをメンバーには共有させていただきまして、温かい言葉もかけてもらって、ありがたいな、いいチームにいるなと、私自身も感じたという経験の、なつさんの側面からの質問ですね。
なつさんが書いてくれている通り、リーダーとはいろんなことに動じない完璧な人物である。こういった固定概念を持っている。
メンバーが持っている。そしてリーダー自身も持っている。
これは、結構あるんじゃないかなと思います。
ちなみに、過去の私も持っていました。
なつさんが書いている通り、今は違うんですけれども、これをちゃんと言語化したことがなかったけれども、私自身がリーダーが弱さを見せるということについてどう考えているのか、そしてそれを今回も実践させていただいたわけですけれども、実際のポイントにどんなことを置いているのか、なつさんの質問をきっかけに言語化してみようかなと思いました。
リーダーも完ぺきではない。弱いし、悩む。人間ですから
まず、ポイントに入る前に、前提として、今、私はどう考えているのかなというところなんですけど、それは、リーダーも完璧ではない。弱いし、悩む。
自分自身に対しても、自分以外のリーダーに対しても、こういう思いというか、前提を持っているなというところは、たぶん以前からの大きな変化だなと思います。
リーダーも完璧ではないし、弱いし、悩む。
それになによりも、リーダーにも感情があるんですよね。
うれしい気持ちもあれば、悲しい気持ちもある。
なにせ人ですから。人間ですから。
これを過剰でも過少でもなく、オープンにフラットに受け取っているというところが、結構大事な前提かなと思います。
リーダーも完璧ではない。弱いし、悩む。
これというのは、私は問題ではなく可能性だと思っているんですよね。
リーダー自身がこの事実を受け止めるということは、自分を大切にできることになるし、自分を大切にできてはじめて仲間を自分以上に大切にできると思うんです。
自分に厳しいばかりだと、やっぱり周りに対しても厳しくなっちゃうんですよね。
なので本当に優しいリーダーはどこからくるかというと、自分の人間臭さ、人間らしさというのを、ちゃんと認めて受け止めていて、だから周りの仲間も人間としてちゃんと丁寧に扱える。
こういう可能性につながっているなと思います。
さらに、リーダーの人間らしさというのが、オープンでフラットなチーム文化を育むんだと思いますし、そういう文化があるから、メンバーが困ったり悩んだりした時に、ちゃんと開示して相談ができる。
そこから本当に必要な連携が生まれていくという、こういったメカニズムにつながる、問題ではなく、可能性の側面だなと思っています。
リーダー人間説ですね。これを前提に置いています。
自分の言動の影響を適切に見積もれる人でありたい
なつさんが書いてくれたように、自身のマイナスな状態や気持ちをチームで共有する時に気にかけている私のポイントは何か?ここからは小田木所感ですけれども、どんなことを考えているかを言葉にしてみようかなと思います。
自分を客観的に振り返ってみたんですけれども、一番考えているポイントは、やっぱりメンバーへの影響だなと思います。
何を言うか?ではなくて、これを言った時のメンバーへの影響をちゃんと予測する。
メンバーの何への影響なのかという、メンバーへのパフォーマンスへの影響ですよね。
例えば、今回は9月のフクちゃんの事例を取り上げていただきましたけれども、フクちゃんの話は、共有するということに対してメンバーへのパフォーマンスへの影響はなしと判断したんだなと思います。
結果、「フクちゃんのことを聞いちゃったので、私も仕事が手につきません」みたいなことはなかったですし、むしろ今回のなつさんが書いてくれているように、フラットに受け止めるだけではなく、言っていいんだということと、そういった内面まで共有される、自分たちは信頼されているという、ちょいプラスの結果にも、結果的にですけれどもつながったんだと思います。
私は、特定の誰かではなくて、全員に共有させていただきました。
これも、振り返ってみるとですけれども、特定の誰かに共有するということは、その重みを特定の誰かが一人で受け止めなければならないということになりますけれども、全員に共有することで、みんなで共有できる、受け止める仲間の負担が、みんなでシェアすることによって小さくなる。
こういう効果もあったなと思います。
これが、メンバーへの影響がなしのパターンですけれども、一方で例えば、これが会社への批判だったらどうか?
メンバーへの影響は大ありですよね。
リーダーが会社を批判する。状況に対してネガティブなことを言う。
たぶんメンバーは、仕事や会社への信頼が揺らぐと思いますし、そこで仕事をする自分の将来に不安を感じるかもしれない。
なによりも、ここで仕事をする自分自身が否定されたようで、モチベーションが下がるという経験もするかもしれない。
これが影響がありのパターンですよね。
そうやって考えると、改めて私自身は、リーダーは完璧ではないと思っている。一方で、リーダーというのは自分の言動の影響を適切に見積もれる人でありたいと思っていますし、それを見積もりながら、いろんな判断、何を共有するかというところの判断をしているんだなと、そんなふうにも思いました。
メンバーがどこまで受け取れるか?も気にかけている
これって、中身によってはすごく重いこともあるわけじゃないですか。
家族だとか、大切な人のコンディション、自分自身のケガや病気、子どもに関すること、そして仕事の中で抱えている心情。
いろんな大きさや重み、そして密度のものがありますよね。
そうなると、メンバーがどこまで受け取れるか?これもやっぱりリーダーは気にかけているんじゃないかなと思います。
どこまで受け取れるか?という観点は、三つの構成要素で成り立っているなと思っていて、それは何かというと、信頼とスキルとキャパシティ。
信頼は、信頼ですよね。相手との信頼関係。
スキルというのは、いわゆるネガティブ・ケイパビリティといわれるような、その人がネガティブなことを受け取れる技術の部分ですし、キャパシティというのは、今、それを受け取る余裕があるかないか。
この辺ですよね。
そういう意味で、リーダーは普段からメンバーとの信頼を築き、そして相手のネガティブ・ケイパビリティを育て、それを受け取れる余力を生んでいくという、こういったことがリーダー活動にもつながるのかなと思っています。
なつさん、質問ありがとうございます。
質問をいただいたので、私も改めて考えていることを言語化するきっかけをいただきました。
先週の一番放送は、タスク処理マシーンにならないためのポイントを説いたあの放送&今週のコメントご紹介
続きはぜひVoicyでお聴きください。
小田木朝子プロフィール
「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール“スクラ”から出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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