#1284 相手の話を「聴き切る」~実は聴いていない問題~
おはようございます。
小田木朝子です。
このチャンネルは、チームワーキングで私たちの仕事の景色を変えるためのの日々に役立つヒントをお届けします。
できているようでできてない「相手の話を聴き切る」
今日は、最近、仕事で考えた小田木所感を共有させていただこうと思います。
タイトルをつけるとしたら、「相手の話を聴き切る」こんな切り口ですね。
なんだそんなことかと思うかもしれないですけれども、これが意外と難しい。実はできているようでできてない。でも気付くと結構大きくいろんなことの手ごたえが増すなと感じている、そんな切り口です。
まず、これを考えたシーンなんですけれども、私が所属するNOKIOOという会社で、1on1のトレーニングなるものをやっております。
みんなで集まってワイワイ学ぶ検証方式もあるんですけれども、マンツーマンでの実演とフィードバックを通じた個別トレーニングを組み合わせたものもありまして、ちょうど今週、このトレーニングを提供するトレーナーで集まって、とあるプロジェクトの一ターンを終えての振り返りをしたということがありました。
ちなみに、1on1というのは機会についている名前だと思うんですよね。
例えば、リーダーとメンバーで定期的に1on1をするみたいな機会があると思うんですけど、その中で1on1の機会で使われるのが対話というコミュニケーション手法で、1on1のトレーニングというのは対話のトレーニングと言い換えても、ここではいいかなと思います。
それで振り返る中で、いろんな人に共通してよくある一つの傾向があるなという話になりまして、これは実は結構多くの人が相手の話に集中できてない。相手の話を聴き切れていないということだったんですよね。
なので今日はこれを取り上げて放送させていただきたいなと思います。
これは「聴き切る」という表現をするところが結構大事なポイントだと思うんですけれども、「聴き切る」とは単なる造語ですが、やり切るみたいなことと同じですよね。
集中してちゃんとやるとか、最後までやり遂げるみたいなことを「やり切るる」というと思うんですけれども、これと同じで「聴き切る」というのは集中して聴く。そして最後まで聴く。
そんなイメージでとらえていただければと思います。
頭の中で「次に何を聞こう」「どんな反応しよう」と考えちゃっていませんか?
たぶん「いや、聴いてますけど」という感覚が、私たちの中にはあると思うので、ちょっと具体的なシチュエーションを思い浮かべていただきたいんですけれども、例えば、聴き切れてないというのはどういうイメージかというと、仮に私たちが1on1においての問いかけ側になるとするじゃないですか。問いかけをすることによって、相手から引き出すという役割を担っているとして、その時によく起こっちゃうのは、問いかけているし、表面上は相手の話にもうなずきながら聴いているんですけれども、実は頭の中で「次に何を聞こうかな?」これを実はめちゃくちゃ考えちゃっているということが、聴いているようで聴いてない。聴いているかもしれないけれども、聴き切れてはいないということのイメージに近いかなと思います。
普通にありません?聴いているんだけれども、頭の中では「次に何を聞こうかな?」とか、言ってくれていることに対して「なんてコメントをしようかな?」とか、「あれ?これは私の問いかけは合ってます?」とか、「どういうリアクションを取ろうかな?」と、聴いているんだけれども、自分の頭の中ではこういうことをめっちゃ考えているということが結構あると思うんですね。
よっぽど意識しないと、普通に頭の中に湧き上がってくることじゃないかなと思うんですけれども、無意識のうちにこういうことが頭をぐるぐる駆け巡りながら聴いていると、相手の話を聴いているようで実は聴けてないということが結構発生しちゃっているんですよね。
ちゃんと聴けてない。
ちゃんと聴けてないといい問いかけができない
ちゃんと聴けてないとどうなるかというと、ますますいい問いかけができない、こういうスパイラルにはまるんですよ。
いい問いかけができないと、いい対話にならない。
頭の中では、焦ってますます違うことを考えちゃう、こういうサイクルがあると思うんですよね。
スタートラインになった「次に何を聞こうかな?」とか、「なんてコメントをしようかな?」って、どうしてこういうことを考えちゃうかというと、いい対話にしたいし、自分もいい問いかけをして相手に貢献したいと思うから、こういうことを考えちゃうんですけれども、ここがおもしろいところですよね。
相手にいい問いかけをしたいと思って聴きながら、頭の中で次に何を聴こうか考えれば考えるほど、いい問いかけができなくなり、対話の手ごたえが小さくなっていく。こういうなんとも惜しいというか残念な状態に気づかずにはまっちゃうということがあるなと思います。
実際に何年も観察すると、だいたいみんながここにまずはまるんですよね。
でもこれって、この傾向を自覚するだけで劇的に前進するんですよね。
「あ、そっか、頭の中で確かに違うことを考えちゃっていたな、まずは聴き切ろう」この意識だけで、劇的にみんなが前進していくので、自分の癖とか傾向に目を向けて気づく。これだけでいろんな可能性があるなと思っています。
たぶんこれは1on1だけじゃなくて、例えば会議とかミーティングも同じですよね。そういう意味ではめっちゃ応用力の高いテーマだなとも思っています。
「間をあけてはいけない」という思い込みを撤廃しよう
なんで頭の中で「次に何を聞こうか?」とか、「なんてコメントをしようか?」とか、「どう反応しようか?」ということを一生懸命考えちゃうかというと、まず一つは、間をあけてはいけないという、沈黙が怖い、この認識は結構ありそうですよね。
沈黙にならないように矢継ぎ早に次の質問しなきゃいけなくて、間をあけないように質問しようと思うと、聴きながら考えなきゃいけない。
この「間をあけてはいけない」という思い込みを撤廃していく必要があると思いますし、「いい問いかけを自分がしなくてはいけない」とか、「いいリアクションやコメントをしなければいけない」「相手の問題を解決してあげなければいけない」こういう荷物をいったん全部おろす。
なぜならこういう感情というのは、基本的には相手が自分をどう思うかが気になりすぎることから出てきていると思うので、自分のことを気にするんじゃなくて、相手が何を話しているのか、こっちに関心を向けて、まずはちゃんと聴き切る。これができるといいと思います。
なので頭の中で考えることは「次に何を聞こうかな?」ではなくて、相手の話を聴きながら、「相手は一体どんな景色を見ているんだろう?」と、とにかく相手に関心を向けて、相手の話に集中するということが、まずちゃんと聴き切るということだなと思います。
ちゃんと聴き切ると不思議なぐらい、次に何を聞きたいかというのは、頭半分で聴いてない時よりも、もっとシャープにちゃんと頭の中に出てくるんですよね。
それでももし次の問いかけをするのにちゃんと時間がほしい場合は、「ちょっとシンキングタイムをください」と言って、沈黙や間を過度に恐れないという、そういうリラックスしたスタンスで臨めたら、相手もリラックスしていい対話が一緒にできるんじゃないかなと思います。
聴き切った上で次の問いを考えよう
さっき1on1のマンツーでのフィードバックをしているなんていう話をしましたけれども、この傾向があったとしても、こういう傾向がありますよとシェアをすると、「ああ、たしかに、そういうことばっかり考えちゃっていました」という気づきがあると、見事に劇的にみんながクリアしていくという流れがあるなと思いますので、とにかく癖や傾向を自覚する。
その上で、まずはちゃんと聴き切ろう。
次に何を問いかけるかとか、その次にどうやって対話を進めていくかは、聴き切った上で考えよう。
なんなら相手と一緒に。
みたいな形で迎えると、ますます相手の話に集中するという環境が整えやすいんじゃないかなと思います。
ということで、相手の話をちゃんと聴くなんていうことは誰しも百も承知だと思うんですけれども、そこをあえてちゃんと聴き切るという、このカードを一枚自分のコミュニケーションバリエーションの中に加えておくということを、ぜひともおすすめしたいなと思っています。
私も常に「ちゃんと聴き切ろう」と考えて臨んでますし、「聴き切れているかな?」という、こんな視点を欠かさないようにと思っている、そんな観点でした。
それでは、今日もお聴きいただきありがとうございました。
今日も一日良い日にしましょう。
小田木朝子(おだぎともこ)プロフィール
人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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