【知らなかった・・・】多発性嚢胞腎という難病
私は薬剤師で医療従事者ですが、出会ったことのない難病がたくさんあります。
今回は、その中でnoteで記事を読むまで、存在を知らなかった、
遺伝性多発性嚢胞腎とい病気について記載させてもらおうと思います。
1.患者さんの数
人口の約0.03%の方が、この病気を患っているそうです。
日本ではその数なんと約3万人!!!
2.どんな病気?
腎臓に嚢胞という袋がたくさんできて、それが大きくなっていくにつれて、
腎臓の機能が低下していく病気だそうです。
ちなみに腎臓は、血液の濾過装置なので、機能不全になると、
外部から濾過を定期的に行う「透析」か、
機能する腎臓の移植を行うかとなります・・・
3.治療法は?
根本的な治療法というのはなく、
抗利尿ホルモンが、嚢胞を大きくすることが分かっていて、
この抗利尿ホルモンの作用を抑える働きをする薬が、
進行抑制薬として2014年くらいに使えるようになったそうです。
4.抗利尿ホルモンって?
抗利尿ホルモンはもの凄く大事なホルモンで、
これに異常があると、「尿崩症」という読んで字のごとくの、
尿が異常に多く出てしまう病気となります。
5.薬の副作用はどんなの?
大量の尿が出ることです。
そのため、脱水にならないようにものすごく多くの水を飲む必要があります。
場合によっては、その量が6リットルにもなるそうです・・・
2リットルのペットボトル3本分って・・・
これだけ尿がでると、水分もミネラルも調整が困難ですよね・・・
それで体調を維持するのって、本当にすごく大変なことだと思います。
6.透析って?
週に3回、毎回4~5時間くらい病院で、
外部の濾過装置に血管をつないで、血液をろ過して、
腎臓機能の代わりを行う医療行為です。
日本には透析をされている方が30万人以上いらっしゃいます。
7.薬剤師として驚いたことは?
抗利尿ホルモンを抑える薬は、実は、心不全で切り札として使われる、
画期的な利尿剤なのですが、
その画期的な利尿剤を、心不全の4倍使うところです。
ということは、それだけ体の中の水を持っていかれるということです。
それだけの大きなリスクを負って、治療に臨まれる方が、
世の中にはたくさんいらっしゃることを私は知りませんでした・・・
8.最後に
この病気は、30代から40代で気づく方が多いそうです。
気づいていないだけで、私もそうかもしれませんし、
この記事を読んでいるあなたもそうかもしれません。
難しい病気で苦しんでいる方が身近にいるかもしれないことに、
気づいて欲しいなと思って、この記事を書きました。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました!
追記です!
※5割の確率で遺伝するので、親御さんがこの病気の方いらしたら、腎臓内科で診断を受けられてください。
脳動脈瘤、心臓弁膜症、憩室炎などの合併症もあるので、もし疑いがあれば併せて診断することになると思います。
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