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明治さん、ありがとう。

明治さんへ

「初めてメッセージを送ります。
先天性代謝異常症の息子を育てる母親です。

代謝異常により、ケトン食が必要なため、
ケトンフォーミュラを、
生後7ヶ月頃から飲んでいます。

発達が遅いことから、病院を受診し、
色々な検査をして、最終的には
難病告知をされ、付き添い入院をしながら
当時は、目が合わない、首が座らない、
自分でおもちゃを持つことも、
興味を示すこともほとんど無く、
初めての子育てに、絶望感でいっぱいでした。

疾患の治療として始めたケトン食療法。
特殊ミルク「ケトンフォーミュラ」を
飲ませることになってから、
あんなにもゆっくりだった息子の成長が、
目が合い、笑ってくれて、首が座り、
おもちゃを持って遊んでくれるようになりました。

現在、5歳になります。
今では、1人で立つ歩くことは難しいものの、
支えがあれば、少しの距離を
歩くことができるようになりました。
奇跡的に、脳への異常も改善傾向で、
体もどんどん成長しています。

特殊ミルク「ケトンフォーミュラ」は、
脂質が多いミルクゆえに、
製造過程にかなりの手間がかかっていると
特殊ミルク事務局の方からお聞きしています。

さらには、企業様の社会貢献活動のひとつとして
特殊ミルク事業が成り立っていることに
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

わたしたちにできることは、
1缶1缶をキレイに使い切ること。
ここまで、息子の成長をサポートしてくださった
明治さんに感謝の気持ちを伝えたく、
メッセージを送らせていただきました。」

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「特殊ミルク」って知っていますか?

市販の乳幼児用の粉ミルクの主な成分は、乳脂肪、糖分、タンパク質等ですが、特殊ミルクはこれらの栄養成分を調整した医療用のミルクで、先天代謝異常症などの特定の疾患に使用する目的で様々な種類が開発されています。
見た目は市販の粉ミルクと同様缶に入っておりお湯に溶かして飲みます。
乳幼児に限らず成人も利用する治療に欠かせないものです。

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息子は、生後7ヶ月頃から、
特殊ミルク「ケトンフォーミュラ」を
毎日飲用しています。


ケトンフォーミュラ

特殊ミルクは、
他にもたくさんの種類があり、
それぞれの代謝異常症に合わせたミルクが
処方されます。

以前、先天性代謝異常患者会のオンライン集会で
特殊ミルクの製造過程や現場の現状について
知る機会がありました。

息子の飲む「ケトンフォーミュラ」は、
明治さんが製造してくださっており、
他ミルクでは、
雪印さん、森永さんが
製造してくださっているミルクもあります。

特殊ミルクは、治療用と言いつつも
普通の薬とは違って、
企業の社会貢献活動によって成り立っています。

特殊ミルク「ケトンフォーミュラ」は、
息子の疾患(PDHC欠損症)以外に
グルコーストランスポーター1欠損症(glut1欠損症)の
代謝異常症の子にも使用されております。

PDHC欠損症とglut1欠損症に対して使われる
ケトンフォーミュラは、
「登録ミルク」として使用されます。

この場合は、
国の補助が半分、企業の補助が半分。

逆に「登録外ミルク」としても
ケトンフォーミュラは使用されています。

難治性てんかんに有効
と言われているケトン食療法。
てんかんに対して使われるケトンフォーミュラは、
「登録外ミルク」となり、

この場合は、
100%企業の負担で賄われることになります。
また、20歳以上の方への処方も
企業負担100%となります。

加えて、ケトンフォーミュラは、
成分の7割以上が脂質でできており、
製造過程では、都度機械の清掃が必要であったり、
缶へは機械を使って詰めることができず、
ひとつひとつ人の手で
軽量され、手詰めされています。

「そもそも、ケトン食って?」

ケトン食は、糖質(炭水化物から食物繊維を除いたもの)を減らし脂質を増やした食事で、脂質が分解されてケトン体が体内で作られることで、ケトン体が糖質の代わりのエネルギー源となり、効果を発揮します。

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言葉では簡単に説明できますが、
ケトン食でケトン体を維持し、
継続していくためには
少なくとも毎日の食事の7割以上は
脂質でなければ難しい、とわたし的に感じています。

さらには、普通の食事では摂るのが難しいような
栄養分もケトンフォーミュラには含まれています。

特殊ミルク「ケトンフォーミュラ」が
無ければ、ここまでの息子の成長は
無かったのではないかと思うほど。
実際に、検査でも数字として出ています。

そんな、明治さんの社会貢献活動に
息子を助けていただいたと、
息子のケトン食が始まってからの成長を見るたびに
いつか感謝の気持ちを伝えたいと思い、
冒頭のようなお礼のメッセージをお送りしました。

返信不要としておりましたが、
とても丁寧にご返信いただきました。

明治さんからの返信メール

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なんだか涙が出そうになった。
気持ち伝わったかな、伝わっているといいな。

なにより先天性代謝異常すら
希少難病で、
その中でも息子の疾患は、
全世界で400人程度しかいないと言われているのに
それに対しての治療用ミルクを
作ってただけている、ということ。

本当に本当に感謝の気持ちでいっぱい。


わたしが、特殊ミルクのことを
事細かに書いても
微力でもなんでもなく、
ただの記事として過ぎ去っていくんだろうなと思う。

やっぱり
経験者にしか分からない現状がある。

障害児育児だってそう。

「大変そうだね」
「わたしにはできないわ」

と言われることも多々ある。

でも、特殊ミルクのために動いてくれる
たくさんの大人の方々、先生たち。

治療のため、リハビリのため、
自立のため、と動いてくれる
たくさんの先生や支援者さんたち。

そういう人たちに
わたしたちは本当に救われているんだなと
改めて思った。

そもそも、わたしだって

障害児の親になりたくてなったわけじゃないよ

食事療法が必要な子の
親になりたくてなったわけじゃないよ

と言いたくなるけど、

そんなことを言って
落ち込んでる暇があるなら

わたしは1人の息子を
責任持って育てたいと思っている。

「お母さん、上手に育てられてるよ。」

そう、セカンドオピニオンの主治医に言われた時は
本当に泣きそうになった。

と同時に、

やっぱり人は誰かに認められたいんだなと思った、、

でもそうやって
少しでも気にかけてもらえる人たちに
そう言ってもらえるのが、
とても幸せなことだと感じる。

5年前とは人間関係も環境も考えることも
ガラリと変わってしまった。

突然変わった5年前と思うと、
この5年間の月日の中で
少しずつ現状に向き合えるようになってきたと思う。

でも本当にこの環境で良かったと思う。
全てが思い通りに行くわけでは無いけど、
わたしはわたしなりに
結構充実した毎日を送れているなと思う。

障がいのある、難病を持つ息子に出会えて、

「良かった」

夫婦で話していても
いつも最終的には、そのひとことに辿り着く。


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