6月1日 なんかいい後輩の女の子。
バイト先の女の子は僕と帰る方向が真逆だ。
でも彼女はいつも、帰りにイオンによる。
夜ご飯と日用品を買うんだってさ。
イオンは僕の帰り道の先にある。だから毎回一緒に帰る。
毎回お昼あたりに、今日イオン行くの?って聞くと、彼女はうんって言う。
仕事が終わって更衣室から出ると、彼女はリュックを背負って僕を待っていてくれる。
帰り道は、まず仕事の話をする。あの人はああだとか、これが嫌だったとか、最近の悩みとか、彼女と別れた後はもう思い出すことがないような、そんな感じの話をする。
コンビニを過ぎた辺りで、今日の晩御飯の話をする。
僕は帰り道、夕飯を買いにイオンに行く彼女のことがとても好きだ。
昨日は金曜日だから、フライが安いんですよと教えてくれた。
フライデーだからだってさ。純粋に笑った。
薬局に二人で行って、僕のボディソープを買った。そこでお別れをした。
明日寝坊しないようにね〜と伝えると、落合さんこそと行って彼女は買い出しに向かった。
今日。いつまで経っても彼女は店に来なかった。
こちらから彼女の携帯に電話をかけないと、逆に僕が不親切になってしまうくらいの時間が過ぎたあたりで、僕は電話をかけた。
3コールめでガチャッと音がして、ぬぉおおおおおという叫び声が聞こえた。彼女は一時間後に来た。シンプルな寝坊らしい。
彼女は少し変わっている。
今日は、落合さん、私左パンチ連続で出せないんですよ。と話かけてきた。普通、落合さんは左パンチを連続で出せますか?から入るのが一般的かと思うのだが、彼女は自分の話をいきなりする。最初は相槌の一つして、どうゆう事?と聞いていたのだが、最近は、じゃあ見せて。とか、手間を抜いた返答をするように心がけている。
彼女はゆっくりな左パンチを2連続で見せてくれた。
なんだそれ。とかは言わないようにしている。引くのが遅いんだよっって言っておいた。適当だけど。
それから10分後、彼女はパンコーナーの前で一人ブツブツと何かを言っていた。よく耳を澄ましてみると「シュッシュシュッシュシュ」とぼやいていた。
それ何?って聞くと、ジャブです。と彼女は答えた。
今日もイオンに彼女と一緒に帰った。
バイト先に立体駐車場が出来た。彼女とエレベーターに乗って、屋上まで行った。鳥の糞だ〜〜〜って彼女は笑っていた。
別れ際に、昨日晩御飯何食べた?と聞くと、マックと言っていた。
なんかいい子だわ。
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落合諒です。お笑いと文章を書きます。何卒よろしくお願いします。