9月15日 嫌いな、いとこ〜①〜
この時期になると良く思い出すことがある。思い出したいなと、自ら進んで思うのである。せっかく日記を書いているのであれば、思い出をヌラヌラっと書いて、また来年このことを思い出したくなった時に、この日記を読めば思い出す手間が省けるなと思い、こうして現在文字を書いている。
私が小学生5、6年くらいの時、母の兄の家族が海へ連れていってくれた時のこと。
その日は確か、皆でおばあちゃんの家に集まったのだと思う。
母の兄の家族構成は、父、母、年上のお兄さん、年下の弟、さらに年下の妹
の5人家族で、僕はこの家族が全体で醸し出す雰囲気を物凄く不快に感じていた。
今でもそうなのだが、僕は大家族の中に漂う無神経で図太い雰囲気のようなものが気に食わないのである。
お父さんがお母さんを堂々と「ママ」と呼ぶ感じとか、それに従ってか年上のお兄さんも公の場で「ママ」と呼ぶ感じが、落合青年には少しお下品に感じられたのだ。
ちなみに当時の僕の家族構成は、母、俺、の少数精鋭であり、こっちは2人で人生回してっから的な、なんかこう強い気持ちがあったのも、僕が大家族を嫌う理由と関係していたのかもしれない。
いとこと顔を合わせるのは、年に二、三回程度だったので、親密度で言うとトイレの洗面所で隣になったらちょっとキツイくらいの、「ウッス、今日何時上がりすか?きついっすね、じゃ、ウスウス。ウ〜ス。」くらいの関係性であった。
いとこがやって来る前に、僕はすでにおばちゃん家に着いていた。
僕はたまに都会からやってくる奴らとは一線を画していて、塾の帰りには毎回おばあちゃん家に寄っていたし、おばあちゃんもそれを喜んでいて、僕をどのいとこよりも可愛がっていたのは確かであったし、彼女は読書家で、油絵が大変美味く、とても教養がある素晴らしい女性だったので、公然で「ママ!ママ!」と喚く彼らについて、そこまでピンと来てなかったのではないかと、僕は勝手に思っている。
おばあちゃん家のベルが鳴り、僕は玄関までダッシュをした。別に歩いて玄関まで向かっても良かったのだけど、ここでダッシュしないともう気持ちが追いついていかないような気がして、少年性を誇示することでこの場を乗り切っていく、楽しいと自ら進んで思う、楽しいよ!おばあちゃん!俺!グッド!グッド!みたいな、過剰な演出が必要だっため、僕は土足で玄関の前に行き鍵を開けたのである。
今日はここまでにしよう。
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落合諒です。お笑いと文章を書きます。何卒よろしくお願いします。