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【1/24】お前で決めろ!!

サラリーマンを辞めてから、5カ月程無職だったのでとても辛い思いをした。
自業自得だと言われればそれまでなので、それまでなのである。
それでも辛いものは辛いのだ。

金が無くなると、不要だと感じるものが増える。
ps4やら電子レンジ、テレビ、ブルーレイ録画機、フィギュアなどを売った。
今、新卒祝いで母親に買ってもらった高価な財布を大黒屋で売ったことを思い出した。
本当に忘れていた。
大黒屋の照明が吉野家みたいに殺伐としていて、早く店から出たかった。
5、6万程握りしめながら歩いて帰っている時、罪悪感よりも、また少し暮らせるという安堵感が勝ってしまい、それを許せなかった僕は、母親がどんな思いで財布を買ってくれたのかを懸命に想像し、バランスをとった。

財布にまさり、一番売らなきゃ良かったと後悔したのは、ドライヤーである。金がないと、金を浮かせようと考えるのだが、元々ない金を浮かせようとしているので、金が浮かない。
浮かせるには、生活の土台を切り崩さなくてはならないのだ。
いざ生活の土台を崩そうとなると、なかなか勇気がいる。洗濯機と冷蔵庫はどんなに金がなくても売れなかったのだ。
なので、その土台の端っこの部分。欠けても芯には影響がなさそうなものを探した。
それがドライヤーだった。
髪は自然と乾く。僕は本当に気がついたのだ。
だが、ドライヤーのない生活は、予想と反し精神的にかなりきついものがあった。
金がないのにずっと髪が濡れているというのは、落ち込むものだ。
なんかダメな感じがした。

食べ物が最終的に、でかいだけのゼリーになった時に働こうと思った。

今は週5フルタイムでバイトをしている。
お昼は200円まで使える。夜ご飯も毎日食べれる。友達と外食にも行ける。それがとてつもなく嬉しい。
この嬉しさが何年たっても消えない。毎回毎回嬉しいのだ。
これは当たり前の価値観だし、この価値観は持ち続けたいと思う。
最近は少しずつ料理をするようになった。
バイトの帰り道、スーパーに寄って、具材を買う。
ママチャリが何十台と連なっている。
夕方は不安になったり、キラキラした気持ちになったりして、改めてやばいと思う。めちゃめちゃ幸せだと思った。

これ以上はないのではないかと不安に思う。
母親と電話した時に、もう何もいらなくなってしまったかもしれないと相談したら、まだまだあるから欲せと言われた。
好きな大人の人にも、貪欲になっていいと言われた。

僕は若い頃に父親を亡くしている。家族はずっと一緒なことが当然だと思っていた時期に、いつまでも続かないという現実を叩きつけられた衝撃が、今でもなお緩やかに心の奥底で響いている。
自分の中でここまでというものがあって、それを超えてしまうと壊れるような気がする。
今を最大級の幸せとしないと、これ以上を失う気がしてならないのだ。

でももっと貪欲になっていいと言うのであれば、俺は8億円が欲しい。
そしてウォーターサーバーが欲しい。
スマブラとキングダムハーツが欲しい。
猫を飼いたい。
コンビニで値段を見ずに買い物をしたい。
毎日ピザ食べたい。
バイト先を乗り過ごしたい。
ピザもう一回食べたい。
親に家をかいたい。
冷たいジュースがのみたい。
たくさんある。もっと貪欲に。

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落合諒です。お笑いと文章を書きます。何卒よろしくお願いします。