3月31日 ふわふぁっっ〜〜
新宿へ向かう。お笑いのライブに出るためだ。
電車の中で外を眺めていたら、自転車に乗ったお兄さんが宙を見つめていた。踏切で僕らが通り過ぎるのを待ちながら、何かを見つめていた。その先が気になったが、彼も彼が見ていた何かもかなり後ろの方へ、しまいには点となりどこかへ消えてしまった。
ライブは緊張した。人から見られているということを、考えれば考える程恐ろしい。慢心と慣れの違いを履き違えた僕は、いつまでも緊張すべきだと思っていたのだが、きっと違うのだろう。コントならば尚更だ。
こうありたいということよりも、こうあるべきだということを優先したいと、なんとなく思った。
帰りは自宅まで相方が車で送ってくれた。
外は晴れていた。100万と書かれた張り紙が貼られている中古車の前で、おっさんが立ち尽くしていた。そこには哀愁が。
家に帰ってから、自転車に乗ってハンバーグを食べに行った。バイトの話をしまって、後悔した。そうゆうことじゃないだろ休日って。
桜を見た。どこもかしこも宴会をしている。誰も彼もが、この間のことと、これからのことを忘れてしまっているみたいだった。桜のようだと思った。そう思うことが野暮だ。中に入らなくては。過剰に張り巡らせた自意識をふりほどくように、桜並木の下を少し走って、桜を上からではなく、まっすぐに見た。
帰り道、いつも網戸が外れているベランダを見て、今日は悲しい気持ちにならなかった。つまり浮かれていたということだ。
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落合諒です。お笑いと文章を書きます。何卒よろしくお願いします。