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引き継がれた茶室

ども、おちゃ子です。
桜がもうすぐ咲くというのに
母は亡くなった。
一緒に見ようねと話してたのにな。
 
お茶の先生だった。
 
お茶に入ると
母ではなく、先生に見える。

厳しくない、
穏やかな先生だった。
 
母がいなくなって
家に残されたたくさんの茶道具。
1階の押し入れ、クローゼット、
2階の部屋。

よく集めたな…
 
そして、茶室もそのまま、
水屋はごった返している。
 
先日、生徒さんが来てくれて
いろんな話をした。
 
これからどこで稽古をするか聞いたら
「文化センターを借りてやろうかと思います」という。
 

「良かったらここを使ってくださいませんか?
母も喜びますし、道具も使ってください」
不思議だけど、口から言葉が出ていた。

とても喜んでくれて
翌月から来てくれることになった。
 
ただ私が帰省のタイミングで月一回、
日程を調整してもらうという約束で。
 
あちらこちらに静かに待っている
道具たちに動いてもらうことにしよう。
 
片付けは次に帰省したときだな。
 
まだ心が落ち着かない。
集中できない。
 
よって片付けに手が回らない。

 

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