どのくらい痩せたらいいですか?
こども、未来、つなぐ。
オーシャンキッズクリニック院長のひびてん先生(日比)です。
安倍元総理のご冥福をお祈り申し上げます。
先日、某医学系Webサイトに、小児の肥満について記事を書きました。
成人とはまた異なる視点の記事で、様々な反響を頂きありがとうございました。
コロナ禍になり、小児の肥満は確かに増加傾向です。
ストレス
運動不足
食生活の乱れ
原因は一つではないでしょう。
その問題は当然成人にも起こっていますが、
なかなか始められないことも。
まずは、いったいどのくらい痩せたらいいのか。
それを考える前に、少し情報提供。
つい先日、こんなニュースがありました。
過度なダイエットや、健康なのに不要なダイエットで、
体調を崩す方もみえるようです。
それぞれ理想の体型を目指してというのが最終目標だと思いますが、
健康維持のために医学的には、
成人の場合は、どのくらいの減量を目指したらいいでしょうか。
参考にする資料があります。
日本肥満学会が発表している
「肥満症診療ガイドライン」
です。
肥満症とは、BMIが25以上で、健康障害を伴うものです。
※BMI(体格指数)=体重(Kg)÷身長(m)÷身長(m)
BMI 18-25 普通
BMI 25以上 肥満
BMI 35以上 高度肥満
2006年の時点では、肥満症の減量目標は3~6か月で5%でした。5%減量で内臓脂肪が大きく減少することが分かったからです。
5%というと、体重60㎏の方で3kgです。
3か月で達成しようとすると、ちょっと無理してしまうかもしれません。
しかし、現在では異なります。
肥満治療ガイドライン2016では、
治療目標は、まず3%の減量
とあります。
たった1~3%の減量でも、
コレステロールや中性脂肪、耐糖能、肝機能の改善がみられ、
3~5%の減量で、血圧、尿酸、血糖の改善がみられると言われています。
やせの妊婦さんは、早産や胎児発育不全のリスクがあるといわれており、日本産科婦人科学会が出した「妊婦の体重増加指導の目安」によると、新しい目安では、従来の基準より下限値が2~3kgずつ引き上げられ、
「もともとやせているか標準体形の妊婦さんは、これまでより体重を増やしても構わない」
という方向に修正されています。
ご自身やお子さんの健康維持のために、ダイエットの目標値をもう一度考えるきっかけになれば幸いです。
まずは、1%。
次に、3%。
そして、徐々にご自身の理想へ。
痩せすぎにはご注意を。
親子で取り組めるといいですね。