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朝ドラ『おむすび』~大女優~どんな職業でも歩は歩(第6週)

歩が東京で何の仕事をしていたかを予想するのは自由だし、発言するのも自由ということか。それが歩が「落ちぶれた」前提であったとしても。


真面目な付き人だ。

糸島まで探しに来て。大女優と言い続けなければ大女優にはならんよ。
家に永吉しかいなかったのが運のつきだ。その盲信の言を真に受けた永吉が言いふらすのは目に見えていた。田舎じゃ、ちょっとテレビ出たくらいでもスター扱いになるわな。

歩は、やはり真紀ちゃんの望む姿になろうとしていた。

真紀ちゃんは高校を卒業したら上京してギャル雑誌のモデルになることが夢だったし、その夢に歩も誘っていた。
真紀ちゃんに導かれ歩は東京でギャルモデルを始めたが、すぐに仕事はなくなり、小さい事務所で献身的な付き人とともにカラオケ映像の仕事を頑張っていた。
歩は、その姿はなくとも真紀ちゃんに導かれることで心の平穏が保てたし、いつも一歩踏み出す勇気をもらっていたんだ。

歩が自分のことを ”ニセモノ” だと言っていた理由。

それは、真紀ちゃんの望む姿をなぞっているうちに、いつの間にかハギャレンのリーダーとして前に押し出されていたからだった。

平成7年の阪神淡路大震災から今(平成16年)に至るまでの間、安室ちゃんは平成9年に結婚、出産のため休業。平成10年の紅白で復帰。平成11年には母親殺害事件が起こり、平成12年には沖縄サミットのイメージソング「NEVER END」を発売。平成13年には小室哲哉さんのプロデュースを離れSUITE CHICの活動を始め、その後、離婚も経験するなど、目まぐるしいながらも活躍の場を広げていた。
同時期に歩は上京し、ギャルモデルの仕事を始めていた。真紀ちゃんの想いを胸に、安室ちゃんに会うことを目標に頑張っていたのだろうか。

だとしたら歩は、現状の自分は真紀ちゃんとの夢の約束を果たせていないと思ったのかもしれない。

歩の中の人がどのタイミングで仲さんにチェンジするのかなと思ってたけど、このタイミングはズルいな。ギャルになった真紀ちゃんの年齢は止まったままなのに、歩の人生は進んでいる。

これは逡巡のドラマなのだ。

真紀ちゃんのお墓参りに行きたいから皆で神戸に帰ろうという歩に一人で行けるだろというのは簡単だ。だが歩も逡巡の人生を送っている。
一人でも行けると思う瞬間と、誰かに付き添ってもらいたいと思う瞬間があるに違いない。

距離を縮めた結と歩

いろいろあったが、最後に結と歩は糸島に引っ越してきてからのことを語り合い、距離を縮めることができた。そして歩は付き人とともに東京へ戻っていった。

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家に押しかけたハギャレンの皆に囲まれている結が、軽く捉えられた宇宙人化しているのが可愛かった(笑)居間に座ってる歩に気付きそうなものなのに気付かないのは、それだけ結のことを心配していたからだよね。

ルーリーからしたら歩は伝説のギャルカリスマだけど、糸島フェスティバル以後、今となってはルーリーがそのカリスマになっている。
ハギャレンに入りたいという女子たちは、歩のことは知らない。だから歩の顔を見てもピンとこなかったし無関心だ。憧れのルーリーたちに促されたからあいさつしたにすぎなかった。


さて……それでも歩の人生は続く。これから歩がどんな仕事をするのかは未知数だけど、あの付き人がいれば大丈夫なんじゃないかな。

彼が献身的に支えているのは、真紀ちゃんの人生をなぞっているだけのニセモノではなくて、自分の人生を自分の足で進んでいる本物の歩だから。

おわり



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おっちぃ
早いもので11月ですね。ともに年末まで駆け抜けましょう!!