31服目:8/18(日)続き薄 / 茶箱 卯の花(薄茶)

見るとやるでは大違い

先週、先生にご招待いただいた朝茶事で拝見した「続き薄」。今日は実践編。見出しにもしたくらい、声を大にして言いたい。見るとやるでは大違い!

先生のお点前を拝見していると、サッサッと滑らかで美しい所作なので、いかにもシンプルで簡単そうに見える。ところが、もちろん見えるだけで、いざやってみると何ひとつできない。ものの見事にひとっつも手が動かない。

誰の発言だったか忘れたが「その人のやっていることが簡単そうに見えるなら、それはその人が簡単そうに見せられるくらい研鑽を重ねてきたからだ」と聞いたことがあり、本当にそのとおりです……。簡単なわけがないんよ。

茶箱3回もできてうれしい

8月はお稽古に3回伺ったので、茶箱のお稽古を3回できた。茶箱のお点前はは好きなお稽古なので、いつも以上に楽しかったな。

お道具一式を箱に詰めたり、お盆を清めたり、茶筅を茶筅筒から出したり、茶巾をくるくる丸めたり。独特の所作が多いのと、どことなくおままごと感があるところが楽しい。

浴衣5回も着られてうれしい

それと、もう一つうれしかったのが、浴衣で皆勤できたこと。
先生が夏のお稽古は浴衣でも良いですよと言ってくださったので、夏のはじめに「今夏は全部浴衣でいく!」と、自分に掲げていた目標をぶじ達成できた。よくがんばりました(自画自賛)。

何度も着たおかげで今日は20分で着付けができた! 早くなったな〜(泣)。

浴衣に対する抵抗感(むずかしそう、大変そう)がなくなったことも大きな収穫。楽しみながら近づけるようやさしく導いてくださった先生や同輩のおかげ。

もっときれいに襟を抜きたい。文庫結び以外の帯結びもしたい。と新たな目標も出てきているので、今から来年の夏が楽しみ。着物を楽しむためのファーストステップとしても足を踏み出せた気もする。

言語と文化の不可分性(その1)

ところで、今日のお稽古中に、先生が建水に柄杓を伏せて置くことを「柄杓を畳む」とおっしゃっていた。「伏せる」よりも「畳む」のほうが柔らかくて、どこか日本らしい表現な感じがして心に残った。

帰宅後辞書を引くと「畳む」には複数の意味があった。

1.折り返して重ねる。広がっているものを折って小さくする。
2.まとめてかたづける。

代表的なのはこの二つで、「柄杓を畳む」は2の意味かな。日常生活では1の意味で使うことがほとんどなので、新鮮に聞こえたのだと思う。

それと、片付ける=畳むという概念自体が、よくよく考えてもやっぱり日本的だ。土地が狭くて、家も狭いから、基本的に折って小さくして収納するもんね。

「畳む」が「片付ける」の意味を持つことはあっても、「広げる」が「片付ける」の意味になることは絶対にない気がする。「広げる」は「散らかす」のほうが近いもの。

言語と文化の不可分性(その2)

その後、裏千家のメールマガジンを読んでいると、次の表現に目がとまった。茶道に関するフレーズや所作を英語で表現する連載の一文だ。

茶室ににじって入る
slide, while seated, into the tearoom

裏千家メールマガジンVol.157

うん、何も間違っていない。

でも、「茶室ににじって入る」という日本語文を読んで私が頭の中で想像した光景が、英文でも同じように思い浮かぶかというと正直難しい。

「tearoom」と言われると、ダイニングテーブルと椅子だし、なんなら猫足だし、紅茶とケーキのアフタヌーンティー的な光景が浮かんでしまう。

特に「slide,while seated」と「にじる」は全然違う気がする。
正座や畳といった床中心の暮らし、かみしもという関係性の概念を前提にしたうえで「にじる」という所作があると感じるので、それを「slide,while seated」だけで伝えるのは無理がある。こぼれ落ちるものが多すぎる。

そう思うと、日本文化を伝え、理解するというのは、本当〜〜〜に難しいことなんだなと思う。

言語と文化の不可分性(その3)

もちろん逆もしかりで。ちょうど今、日本生まれ日本育ちの私が、韓国の文化を理解することに難しさを感じている。『82年生まれ、キム・ジヨン』以降、韓国文学を読むことが増えている。そして、最近、韓国ドラマをよく見ている。友達に教えてもらいK-POPも聴くようになった。

どの作品も国境を超える普遍的な感情が細やかに描かれていて、すごくおもしろくて夢中になっている。が、初見で「その気持ち、わかる!!」と思ったことも、歴史的背景や文化的側面を踏まえると「わかったつもり」でしかなかったことに愕然とすることばかり。

韓国文学の翻訳家である斎藤真理子さんの著書の中で、次の一文があった。自分の無邪気な無知さに対して、平手打ちをされた気がした。

中次健次は、1980年にソウルで行われた尹との対談の中で、朝鮮戦争について「ああ、なんでこんな大事な大きな悲劇を知らなかったんだろう」と述べた。このナイーブな言葉は、韓流ドラマやK-POPが日本中に行き渡った今でも、あまり変わらない響きを持っているのではないだろうか。

斎藤真理子『韓国文学の中心にあるもの』

その国の言語と文化って深く結びついている。だからこそ住み慣れた国以外での言語や文化を習得するのは想像しているよりもずっと奥深く、ハードルが高い。

でも、理解することをあきらめたくないと思わせてくれる、あらゆる難しさを飛び越える、大きな感動や魅力があるから触れずにはいられない! エンタメも、ファッションも、食も。韓国の発信する文化に強く惹かれる今日このごろ。謙虚な気持ちで敬意を持って触れていきたい。

なんだか茶道と関係ないようで少し関係ある?桃屋のラー油みたいな話になってしまった。

なんの話

茶菓・茶花・お軸

茶菓

1.鬼灯(ほおずき)
ほおずきってこんな漢字なの知らなかった〜。

2.日輪草(にちりんそう)
ひまわりに別名があるの知らなかった〜。
ほんmoney、知らんことだらけです。

茶花

白りんどう

先週のりんどうは青だったが、今日は白。1本でお花がたわわについていて華やかだった。

お軸

喫茶去

朝茶事を経て今日は気楽な気持ちで、との思いで掛けてくださったとのこと。季節だけを考慮するものじゃないんだな。お心遣いに感謝。

御相伴:MTさん


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