23服目:2024/5/12(日)風炉 桑小卓(濃茶/薄茶)
季節が一巡、風炉再会
春はあけぼの、5月は風炉。
この社中の会に参加して1年が経った。あっちゅーま!
何よりもまずお稽古を続けられていること自体がうれしい。
飽き性選手権があるなら日本代表間違いナシ!なんなら世界も狙えるこの私が、まったく飽きることなく楽しく続けられているなんて…!
それもこれも先生と社中の皆さんの「このひとときを楽しく和やかに共有しましょう」というお心遣いのおかげだと心から思う。
それに加えて「飽きることは不可能です!」って言い切れるくらい奥深い世界であることも大きい。お道具もお点前もすべてが一期一会。正味の話、毎回何もかもが違うせいで(せいにすな)記憶がほとんど定着しないので、むしろまったく同じことをやり続けたいくらい(汗
仙叟好みの桑小卓
ということで、かすかな記憶をたぐりよせながら、心機一転、風炉のお点前のはじまり。
炉と違い、お客様と向き合わないことがなんだか新鮮。壁に向かってお点前するのがさみしい気がしたのも意外だった。炉がはじまった当初は「お客様の方を向いてお点前をするなんて筒抜けすぎて緊張する…!」と思っていたのにね。
今日は桑小卓(くわこじょく)という桑の木を使った棚を使った。四代目の仙叟(せんそう)さん好みだそうで、裏千家のサイトを見ると三千家に分かれ、裏千家がはじまったのはこの仙叟さんからとのこと。
棚の形はシンプルな正方形の3段棚。1段目と2段目の間が広くなっており水指を入れられる仕様。
ユニークだったのは、2段目と3段目の高さ10cmにも満たないスペースに平建水をしまうことと、1段目と2段目を支える4本の支柱のうち左2本に柄杓を立て掛けること。
前者は狭くて収納しづらいし、後者は細い支柱に立て掛けるのがバランスむずすぎ。なかなかにアクロバティックな所作だった。仙叟さん、元々は医学の道に進んでいたそうだが、アバンギャルドな方だったのだろうか。でなきゃ、こんな柄杓の立て掛け方、思い付かなくない…?
私はどこまで潜れるだろうか
「平建水は去年の夏に使いましたね」とご同輩。
てっきり初見だと思っていたので、自分の鳥頭っぷりにがっくりした。
先生のおっしゃったことや同輩の発言をお稽古の帰り道に思い出し「あ、そういう意味だったのか」と気づくこともままあるし、半年くらい経って「あの時はあれはそういうことか!」と合点がいくことも少なくない。もっというと、いまだに意図や真意を理解していないことも山ほどあるのだと思う。
同じ海で遊んでいても、浅瀬でパチャパチャ水遊びしているのか、沖まで遠泳に出ているのか、シュノーケルをつけて深く潜っているのか。見えている景色は全然違うのだろうなぁ。
できれば深海までダイビングできる人になりたいけど、たぶん今の私はビーチで砂山つくって「きれいにできた〜」って自己満足しているレベルだわ。そんなやつ、そりゃ飽きている場合じゃない。しょうじん、しょうじん。
指導していただく楽しさは格別
よくよく考えると、4月の2回目のお稽古はみんなで花月をしたので、お稽古らしいお稽古は約1ヶ月ぶりだった。その間、何度か自宅でお茶を点てて遊んだりはしていたが、やっぱり先生に一挙手一投足ご指導いただくのは段違いに楽しい。
今日は先生の計らいで、お道具を2セット用意してくださっていたので、先生のご指導のあと、もう一つのセットですぐに復習自主練ができたのもありがたかった。
DRIES MEETS TEA CEREMONY?
と、その2つ目のお道具で自主練しようとした瞬間気づいた。「この水指、ドリス・ヴァン・ノッテンじゃん!」
見てください! ドリス・ヴァン・ノッテンの香水とリップに似ていません!?(興奮)
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今触れている茶道具が、憧れブランドのインスピレーションの源になっていたかもしれない、と思うとテンションが上がった。
先月、NYのメトロポリタン美術館で、茶道具が展示されていてうれしかったことを思い出した。
![](https://assets.st-note.com/img/1716281701916-bTy0tXxTJA.jpg?width=1200)
洋の東西で切り分けるは無粋だけど、時間や距離を飛び超えて、美を愛でる気持ちが共鳴しあったり、互いの文化に敬意を払いあえていることが尊い!
着物のこと
今日、明確に進化を感じたこと。それは着物をひとりで着られたこととしまえたこと。
長襦袢も着ていないし着た後に先生にお直しもしていただいたけど、ひとまず最初から最後まで一人で着られたのが初めてでうれしかった。お稽古の後、全部自分で畳んでしまえたこともうれしい。着物の畳み方はもうマスターできた気がする(過信するべからず)。
敷居が高すぎると思っていた着物だが、先生やご同輩が優しく手を引いてくださるおかげで、少しずつハードルが下がってきて、今、ようやく自ら扉をノックしている。どんな着物が良いか、時間さえあれば着物の色柄の合わせ方を妄想している。そして着物と帯以外にも用意しなくちゃいけないものがいっぱいあってちょっとビビっている。
憧れはマドモアゼルユリアさんの色無地の着こなし。
↑11:30〜
カサブランカのショーを訪れる際の色無地の着こなしが細部まで素敵すぎる。「いつかこんなコーディネートを組めるようになりたい…」と憧れている。
茶菓・茶花・お軸
茶菓
1.花菖蒲
ゆるやかな三角錐の紫の求肥。三角の各角が黄色になっており菖蒲の花のよう。去年もいただいたお菓子に再会できたことが楽しい。
2.葵餅
葵祭をモチーフにした焼き印がされたよもぎ餅。「あれ?そもそも葵祭ってなんだっけ?」と、以下ググったカスです。
・祇園祭、時代祭と並ぶ京都三大祭のひとつである神事
・正式名称は賀茂祭
・毎年5月15日に行われる
・京都最古の祭
・平安時代は祭といえば葵祭
・京都御所から下鴨神社・上賀茂神社へと都大路を500名超が練り歩く
・行列のすべてに葵の葉が飾られる
・葵の葉は賀茂神社の神紋として使っていた二葉葵が由来(徳川家の三つ葉葵の原型説あり)
京都三大祭りの一つということしか知らなかった…。今、大河ドラマの『光る君へ』に夢中なので、まひろたちもこのお祭りを見ていたのかしらと妄想が捗りました。
茶花
白紫蘭(しろしらん)
小判草
お軸
なし
御相伴:TGさん、MMさん