【北欧留学】医療DXが進む北欧と進まない日本の違いは何だろう?
医療通訳Y氏とのディスカッション1
DXで日本の15年先を行くフィンランド。どうしてそんなに差がつくのでしょう。そんな疑問を医療通訳のY氏にぶつけてみました。あくまでいちフィンランド人の話だけど、私にとってはとても良いヒントになったので投稿します。
お)フィンランドではテクノロジーが積極的に社会に取り入れられていて、電子国家としても上位だよね。どうして日本と比べてそんなに社会実装が進んでいるんだろう?
Y)うーん、そうかも知れないけど、問題はたくさんあるよ。例えば、昨年か一昨年に大規模な会計システムがヘルシンキ市内に導入されたんだけど、これがとんでもないものだった。
お)へぇ、どんな風にとんでもないの?
Y)一部の人に何か月も給料が支払われなかったんだ。一方で、とんでもなくたくさん振り込まれた人もいた。たくさん振り込まれた人だって、結局返さなくちゃいけないし、税金の問題もあって大変だよ。
お)へぇ!それは大変だったね。それでどうなったの?そのシステム導入は中止になったの?
Y)え?中止になんかならないよ。
お)ん?じゃぁどうするの?問題があったんでしょう?
Y)問題があったって改善しながら進めて行くしかないよ。
お)日本だったら絶対中止になるなぁ。多くの人がヒドイ!中止にすべきだ!責任者は辞任しろ!と訴えるし、メディアもすごく煽ると思う。
Y)こっちだってみんな怒るし、メディアも騒ぐけど、逆に中止になんてできるの?
お)中止にすると思う。たとえ中止にするために多くのコストがかかってもね。
Y)それは非効率だなぁ。確かに日本は100点のモノじゃないとリリースしないって言われるよね。
お)そうだね。完璧でないと許されないんだ。フィンランドでは、60点や70点の状態でもリリースしてしまって、様子を見ながら改善して行くんだね?
Y)そうだね。確かに皆に迷惑がかかるけど、その方がスピーディーだよ。
お)それで、その会計システムは結局どうなったの?問題は解決したの?
Y)そういえば、最近はメディアが報道しないから、問題を解決して上手くいってるんじゃないかな。上手くいってる事はメディアは取り上げないからね(笑)
お)ははは。日本もフィンランドも、メディアは一緒だね(笑)
早く失敗すれば、早く「失敗した」というデータが取れる。「こうしたら失敗した」と分かれば、次からは改善できる。
そうゆう事なんだなと感じました。私のまわりの起業家さん達は、こうゆう考え方の人は多いように思います。でも大抵の場合日本の世論は、失敗を許さない。
Y氏は、米シリコンバレーで「失敗した事がないヤツは信用しない」とされている事を例に出して、失敗をポジティブに捉えている事を話してくれました。
ただ、その会計システムのエピソードは相当大変だったと思うから、やっぱりフィンランド人の「寛容」な国民性がないと許されなかっただろうと思うなぁと思います(笑)
〈誤解があるといけないので補足〉
寛容だけど、しっかり怒られます。初日にルールを理解していなくて自転車用ゾーンをキャリーケースを引いて歩いていたら、自転車の方にしっかり怒られました(笑)