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わたしのかくれ里をさがして〜もう一度訪れたくなる重要文化財真鍋家でまったりくつろぐ〜中編

前編(朝活)はコチラ

前回、切山にこにこ市で心ゆくまで朝活を楽しみすぎた我々。その後、参鍋さんたちにご紹介していただき、平家落人の御子孫で真鍋家の現当主である真鍋潤さんにインタビューをさせて頂くことができました。

左から、村上さん、真鍋潤さん、参鍋修一さん、真鍋博さん

中編では、潤さんのインタビューと共に国指定重要文化財である真鍋家の様子もお伝えしていこうと思います。今回も最後までお付き合い頂けましたら嬉しいです。

木のトンネルを抜けるとタイムスリップ。真鍋家に着きます

真鍋家は、平家落人の1人平清房さん(清盛八男)の御子孫の方々が暮らしていた江戸時代中期頃に建築された平屋、寄棟造りの愛媛最古の民家と言われています。昭和45年に国指定重要文化財に登録されました。里山にひっそりと佇む姿は、まるで違う時代にタイムスリップしてしまったかのような雰囲気を味わえます。ちょっと冒険者気分で、ドキドキです。

仁の南方先生ごっこもしたくなるタイムスリップ感

いつ来ても丁寧に整備されています。青々しい植物と歴史ある民家のコントラストが美しく、どの角度から眺めても絵になります。

うーーん最高
窓がめちゃいい!!
お家の作りがよくわかる説明があります

そして、真鍋家といえば、絶対に忘れてはいけないのが、彼です。平家遺跡案内ロボットこと、霧山侍くん。

旦那さんは、不思議そうな顔していましたが、私は、この2、3年の間、ずっと彼の事が気がかりでした。

というのも、実は、4年前くらい前に真鍋家に再訪した時、彼がここにいなかったからです。

彼がいない!!どこにいったんや!!と心配していたのですが、潤さんから「実は、壊れてしまったので、長い間、高専に入院していた」ということを教えて頂きました。完治には至りませんでしたが、退院されてここで余生を過ごされているとのことでした。

今でも眼力のある霧山侍

高校時代から彼を知っていたので、10年越しの再会です。〜君と夏の終わり、将来の夢〜♪と一曲作れそうなくらいの年月(世代がバレバレ)まるで竹馬の友のように、やっと会えたねと感動している私たちを放置して、薄情物の旦那さんは、ずんずん真鍋家へ進んでいきました。

この茅葺屋根が凄いんです

屋根は、平成31年に葺き替え工事が行われたそうです。とても肉厚で美しい茅葺屋根は圧巻です。

キバナコスモスとすすき。季節の野花っていいな

このような、さり気ないおもてなしに癒されます。季節感って本当に大切ですね。今は住んでいなくても、このお家が大切にされ、生き続けているのだと実感しました。潤さん曰く、真鍋家の方々だけでなく、平家遺跡保存会の方々や地元住民の方々、みんなでお掃除などもされているそうです。

続いて、お家の中へ。

玄関では、愛らしいお花がお出迎え
資料や文献、当主の方の手書きの資料もたくさんあります

こちらも潤さんに教えて頂いたのですが、入ってすぐの土間「ニワ」と言われる所には、数々の資料や本が展示されていて自由に見ることができます。中には、手書きの資料などもあり、真鍋家の方々の丁寧な心遣いと、優しさが伝わりました。

そして、なんと!!切山の平家伝説が記された『田邊家系譜』の複写まであるんです!!

田邊家系譜の写本

歴史好きはもうヨダレが止まりません、鼻息荒くなりました。小躍りするほどたまらない空間です。本当どこまでサービス精神がすごいの真鍋家さん、、

もっと主張してくれてもいいくらいの料金箱

資料に埋もれかけていましたが、よく見ると料金箱があります。いや、もっと主張してくれ!!と思うほどの慎ましさです!!
これだけの文化財に資料の数々、200円以上の価値があると思います。

そして、いよいよ真鍋家のお部屋にお邪魔します。

陰影の美しい室内、マエと言われるお部屋

このなんとも言えない、陰影の美しさ。まさに陰翳礼讃、日本家屋の良さが滲み出ています。
潤さんは、自分たちの生まれ育った家が、まさか国の重要文化財に指定されるとは思っていなかったそうです。ここまで綺麗に残っているのは、ご先祖様や潤さんのご両親が丁寧にお家を守ってきたからだと教えてもらいました。

誰でも自由に上がって囲炉裏を楽しむことができます

囲炉裏は毎日、火を入れているそうです。そうすることで部屋が燻され、害虫などから家を守ることに繋がります。長い間、大切に火を入れ続けていたからこそ、今の真鍋家が存在しているのだと思いました。少なくともわたしが高校生の頃から、父とここに来るといつも火が焚いてあった記憶があります。

真鍋家のおくどさん

真鍋家で頂いた資料は、どれもいい感じに燻されており、お家に持ち帰っても燻された香りが続くので、なんと真鍋家の香りもそのままテイクアウトできます。

持ち帰ってスーハーと楽しんでいたら、旦那さんになにしてんの!?と言われてしまいました。

いとこめいの女子大生Mちゃんと古田新太似の父

囲炉裏を囲むと、なぜか心が落ちつきます。自分が生まれた頃には、家に囲炉裏は無かったはずなのに、どこからか郷愁がやってきます。この絶妙なノスタルジー、古来から受け継がれてきた感覚なのだろうと勝手に妄想しました。

真鍋家でくつろぐMちゃん

そして今回、潤さんにずっと聞いてみたかったことがありました。「大切な文化財をなぜここまでオープンに見せることできるのか?」という疑問です。

真鍋家には、文化財の展示にはよくある『ここからは入らないでください』という文言は、一言も見当たりません。囲炉裏でくつろぐも良し、縁側で涼むも良し、まるで、自分の実家のように自由に過ごしてくださいと言わんばかりの寛大さがあります。

自由に見学しまくるMちゃん

そのことについて、潤さんは、「文化財はみんなのものだから、むしろ、使ってもらえることが嬉しい」とおっしゃられていました。

そして文化財の在り方についても「文化財は、大切に保護するだけじゃダメ。もちろん、大切に保護することは大事なことだけど、人に入ってもらって、見てもらって、使ってもらってこそ価値がある。まずは、真鍋家をきっかけに気軽に切山に遊びに来てもらえると嬉しいなぁ。そして切山の魅力に触れて、住んでくれる人も増やしていきたい。」と教えてくださいました。

「自由に見てください」というのは、一見簡単そうに聞こえますが、多くの方々の理解がなければ実現できません。とてもハードルが高いことだと思います。私も歴史が好きなので、数々の古民家や武家屋敷を見てきましたが、ここまで自由に出入りできる文化財は真鍋家以外にまだ出会ったことがありません。

潤さんや切山の方々の思いがあるからこそ、真鍋家は、本当の意味でタイムスリップしたかのような味わい深い経験ができるのだと思いました。

さて、真鍋家の近くには、秘密基地のようなおもしろい名所もあります。探してもらいたいポイントのひとつです。真鍋家を出て裏手側に進んでいくとこのような物を見つけました。

こういうの大好きさ!

指示に従って、ずんずん進んでいくと手書きの説明があります。

手作り感が最高の看板

10月に行ったのでシイカシの群生のお花は見えませんでしたが、ハートっぽく見えるのはなんとなくわかりました。

こんな感じ??

春、もう一度チャレンジして写真を取りに行きたいです。季節によって切山の風景が変わるのでそれもひとつの楽しみとして訪れるのをオススメします。

最後に、今後の真鍋家の在り方についても、潤さんにお聞きしました。

「文化財だからと言って、これからも敷居は高くしたくない。もっと気軽にきてもらい楽しめる場所にしていきたい。」とおっしゃられていました。

子供を連れて遊びに来たり、疲れた時は、少し休憩したり、地域の人たちが囲炉裏を囲んだり、懐かしいなぁとシニア世代の方々に思い出に浸ってもらったり、そんな集会所のような、老若男女みんなが使える文化財にしていきたいそうです。

切山の真鍋家は、一度訪れたら、必ずもう一度訪れたくなる魅力があります。小さな古民家になぜそのような魅力が隠されているのか、潤さんのお話を聞いて、たくさんの合点がいきました。

誰が来るでもなく、毎日火を入れて、いつでも出迎えてくれる。疲れた心にそっと寄り添ってくれるようなおもてなしの温かさや、真鍋家を大切に守り続けている方々の気持ちに触れられるからこそ、ここに来ると存分に郷愁に浸れるのだと思います。

今回はインタビューだったので、子どもたちをばぁばにお願いしてきてしまったのですが、次は一緒にたくさん遊びに来たいと思いました。

次回予告

さて、次回は、自治会長の参鍋さんにご案内していただき、3歳児の息子と共に切山の平家遺跡や名所を巡ります。一歩も歩かない息子VS歩かせたい母の戦いと、参鍋さんや切山の方々の思い、平家落人たちの祈りの物語などなど紹介していきたいと思いますので、読んで頂けると嬉しいです。

次回もぜひ、見てください〜

後半(切山遺跡巡り)はコチラ


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