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#7 面白い本を書く人は生身はもっと面白いし、会いたいと言えば大体の人は会ってくれるくらい、世界は優しい

オシダナ(推し棚)は、小布施町民の方々、テラソ利用者の方々の推しの本たちをご紹介していくコーナーです。不定期更新。

本日お話を伺ったのは、地域おこし協力隊ゼロ・カーボン推進担当として家族4人で小布施に移住されたばかりの税所さん(図書館では、ほぼ毎日来る家族として既に有名です)。
読書家な印象の税所さんの選ぶ原点の一冊とは?


税所:僕の一冊は、秋田大学の坪井ひろみ教授の書かれた『グラミン銀行を知っていますか』です。

志賀:おぉ。税所さんが大学時代に認定NPO法人e-Educationを起業するきっかけになったバングラディッシュの銀行ですよね。

そういう意味で原点、ですか?

税所:勿論それもあるのですが、今の僕をつくる行動パターンが、この本をきっかけに出来たと言った方が近いかもしれません。

志賀:ほうほう。

税所:僕、大学時代に仲間たちと「世界一の社会活動しよう!」と結構盛り上がっていたんです。その時に沢山本を読んだんですが、多数ある本のなかでも、この本は群を抜いて面白くて。
直感的に、「こんな面白い本を書く人は生身だったらもっと面白いに違いない!会いたい!」と思ったんですよね。それで、その熱量のまま秋田大学に電話し、著者の坪井教授に繋いでもらい、感動を伝え、今から夜行で秋田行きます!ってバスに飛び乗ったんです。

志賀:坪井教授も吃驚の突撃訪問!

税所:普通に吃驚しますよね(笑) でも秋田大学で初めに目に飛び込んだのは、研究室ドアに書かれた「ようこそ税所さん」の文字でした。その日、坪井教授は丸一日僕と丁寧に対話してくださったんです。お話は想像以上にめちゃくちゃ面白くて!しかも夜行バスで疲れているだろうからと、研究室に椅子を並べて仮眠まで取らせてくださいました。僕はそこで2時間弱寝るという(笑)

志賀:すごい!なんて素敵な方!

税所:本当ですよね!この経験が大きな原体験になりました。「面白い本を書く人は面白い理論」が裏付けられただけでなく、「意外と人は会ってくれる」、そして「そこから何か面白いご縁が繋がる」という強烈な成功体験になったんです。結局、本当に坪井教授との出会いを機にバングラディッシュに行き、グラミン銀行創設者に会い、事業立ち上げが実現したんですから。

志賀:税所さんを見ていると「世の中は結構優しい」というような世間や人に対する信頼みたいなものを感じるのですが、そういうところからなのでしょうか…

税所:そうかもしれないですね。僕、本当にこの成功体験に味を占めて、ずーっとそれ以来同じパターンでご縁を作ってきているんですよ。とにかく本を大量に読んで、面白い!と思ったら連絡して、会いに行って…。西へ東へと本当にあちこち行きました。勿論、百発百中ではないですが、上手く縁が繋がらなかったことは気にならないくらい、面白い人に出会えた時の喜びは強烈なんです。

志賀:うわーいいなー、本当にいいですね!その感覚、多くの子どもたちに持ってもらいたいと感じました。純粋な好奇心で会いたい人に会いに行く。その入り口が、税所さんにとっては今でも本だし、そのきっかけがご紹介いただいた『グラミン銀行を知っていますか』なんですね。

税所:はい。最近もやっぱり僕はずっと同じやり方で。今までの仕事とは畑違いの「環境」が今のテーマで今活動していますが、結局このやり方で面白い本を見つけて、面白い方にお会いして、感動して、うずうずして、新しい領域でのチャレンジが面白くてたまらなくなってきたところです!

志賀:最強ですね(笑)
貴重な一冊を教えてくださり、ありがとうございました!


<追記>
税所さんは、ご自身でも数多くの著書を書かれています。
特に最近ご出版された、あのスタジオジブリ出版部が出している『熱風』で連載されていた『僕、育休いただきたいっす!』は、第一子を授かって育休を取ることを決意した新米パパの葛藤や、育休取得までの道のり、育休を取ってからの嵐のような毎日が赤裸々に描かれています。

等身大の姿に勇気をもらえる一冊。よかったら、お手に取ってみてください。

ちなみに、処女作はこちら。



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小布施町立図書館
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