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【2021年4月】今月の新語・流行語 in English ~まん防・もらい泣き中継・教え魔~

こんにちは。旺文社ココマナ編集部のS藤です。
2021年がはじまって早4か月が経ちますが、ここでみなさんに質問です。
今年話題になったことばやバズったワード、どのくらいご存じですか?

「えーっと、あれとあれと。……あと何かあったっけ?」と、案外出てこない方が多いのではないでしょうか。
毎日変わるニュースの見出しやSNSのトレンド、気がつくとあたりまえに使われている流行語……。情報にあふれた現代社会では、新しいことばや流行語が生まれてもすぐに流れていってしまいますよね。また、そういったことばはまだ辞書に載っておらず、相当する英語がないことが多いです。

そこで、我々編集部が毎月末、世の中を映しだしている旬なことばのなかから、広がりやおもしろみを感じるものを選出して英訳。英語で決まった言い方がないことばは、編集部が独自にどんなふうに言うことができるか考案して発表します。あわせて雑談で使える会話表現もご紹介。
題して、「今月の新語・流行語 in English」!

「言われてみればそんなことあったあった!」「この日本語をこんなふうに表現するの!?」と、今月のできごとを振り返りつつ英語をちょこっと勉強するこの連載。みなさんもこの1か月をいっしょに振り返りながらご覧ください。

それではさっそく、2021年4月の新語・流行語トップスリーをみていきましょう!

第3位「教え魔」

第3位_教え魔

まずはSNSを中心に大きな反響を呼んだ「教え魔」がランクイン!
あるボウリング場に「STOP! 教え魔」と書かれた張り紙が掲示されたことがTwitterで話題になり、朝のワイドショーやネットニュースで取り上げられました。教え魔とは、頼んでもいないのにアドバイスをしてくる人のこと。ボウリングだけでなく趣味やスポーツなどあらゆる分野で「こんな人、いるいる!」という共感の声が集まりました。

「教え魔」はズバリ ”teaching demon”。じつは、「〇〇魔」いう言い回しは日本ならではのもので、英語の決まった言い方はありません。しかし、あえてこのように直訳で表現することで、日本で浸透している言い回しであることを伝えることができます。

ただし、これだけでは意味が伝わらないので、compulsive advice-giver を指すと補足しましょう。compulsive は「何かにとりつかれたような」という意味の形容詞。あとに続く advice-giver(助言者)と結びついて、「助言せずにはいられない人」という意味を表します。
日本語の感覚を英語で伝えるのはむずかしいですが、このように説明を補うことで、おそろしい demon(悪魔、鬼)でなく、あることに異常なほど執着する人や、あることばかりする人を揶揄する言葉だと伝えることができます。

ちなみに、ほかの「〇〇魔」は次のように表せます。

・メモ魔 “memo demon”
compulsive note taker(ノートをとらずにはいられない人)

・キス魔 “kissing demon”
compulsive kisser(キスせずにはいられない人)

・遅刻魔 “late demon”
chronic latecomer(慢性的に遅れてくる人)

会話で使うときはこんなふうに言います。

I was annoyed with a “teaching demon” at a driving range the other day.
(このあいだ、ゴルフの打ちっぱなしで「教え魔」に遭って困ったよ。)

第2位「もらい泣き中継」

第2位_もらい泣き中継

日本時間の4月12日、男子ゴルフの松山英樹選手が日本人初の海外メジャー「マスターズ」制覇を成し遂げました。悲願の優勝を生中継で伝えていた日本の実況&解説陣は、その快挙を伝えたあと55秒間沈黙。その後、涙声で実況を続けたことから、SNSではその姿にもらい泣きしたという声が続出。「もらい泣き中継」として注目されました。

「もらい泣き」は tears of sympathy と表現します。sympathy は「共感、同情、思いやり」。共感の涙=もらい泣き、というふうに表現できます。
ほかにも、tears of のあとに joy や regret などを続けることで、tears of joy(うれし泣き)、tears of regret(悔し泣き)などと表現できます。

会話で使うときはこんなふうに言います。

I was crying, too, while watching the tears of sympathy during live broadcasting.
(あのもらい泣き中継を見て、私も泣いちゃった。)

第1位「まん防(まん延防止等重点措置)」

第1位_まん延防止等重要措置

第1位に輝いたのは、今月急に目にする機会が増えた、新型コロナウイルス関連のワードです。
まん延防止等重点措置、通称「まん防」が、4月5日に宮城・大阪・兵庫で適用され、その後東京や沖縄、愛知、愛媛などに対象地域を広げました。まん防が実施されている地域では、飲食店に営業時間の短縮を要請できたり、住民に知事が定める区域や業態にみだりに出入りしないように要請できたりします。
このことばのインパクトに「何ごと!?」と思い、印象に残ったという方も多いのではないでしょうか。

「まん防」も英語での決まった言い方はありませんが、意味を捉えることで表現できます。strict measures は「厳しい対策」という意味で、ここでは「重点措置」にあたります。「まん延」は spread。これを防ぐための対策ということで、strict measures to prevent the spread of COVID-19 というふうに言えます。
よりシンプルに、strict COVID-19 measures(厳しい新型コロナウイルス対策)、tight COVID-19 measures(きつい新型コロナウイルス対策)などと表すこともできます。

会話で使うときはこんなふうに言います。

Strict COVID-19 measures started to be applied on April 12 in Tokyo.
(東京ではまん防は4月12日に適用されはじめました。)

How will our life change when new strict measures to prevent the spread of COVID-19 is applied?
(こんどのまん防が適用されると、生活はどう変わるの?)

総評

今月の第3位に選ばれた「教え魔」は日本語ならではの言い回し。そのニュアンスを英語で表現できると、海外の方とも日本語の言葉遊びの感覚を共有できますね。
「今月の新語・流行語 in English」では、こんなふうにことばのおもしろさにフォーカスして、毎月さまざまなジャンルのホットなワードを紹介していきます。

明日からゴールデンウィーク本番。連休直前にも「まん防」の対象地域が拡大されるなど緊張状態が続いていますが、新しい年度がはじまってから疲れがたまっている方も多いと思います。お休みになる方はごゆるりと、そうでない方もリフレッシュしてお過ごしくださいね。


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「今月の新語・流行語 in English」
世の中を映しだしている旬なことばのなかから、旺文社ココマナ編集部がことばとしての広がりやおもしろみを感じるものを選出して英訳し、1位から3位までを発表。英語での決まった言い方がないことばは、編集部が独自に表現を考案します。毎月最後の金曜日に投稿中。

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