人生に迷う大人に見てほしい映画【魔女見習いをさがして】
「懐かしい」という感情は素敵だ。
「懐かしい」は、頭の片隅にある記憶を呼び起こし、胸をじんわりと温めてくれる。
「懐かしい」は、何にだってなれたあの頃の私を思い出させてくれる。
今回の記事は、私と同じ時代を生きてきた方々は特に、懐かしさで胸がいっぱいになる映画の紹介です。
「魔女見習いをさがして」について
この映画は、おジャ魔女どれみの20周年を記念して製作されたものである。
この映画には、どれみちゃんをはじめとする原作のキャラクターはほとんど登場しない。
ところどころで出てくるが、基本的には今回の主人公3人の物語である。
長瀬ソラ(22)
愛知県の大学4年生。教師になる夢を抱いている。
吉月ミレ(27)
都内の一流貿易商社に勤めるOL。帰国子女。
川谷レイカ(20)
広島に住むフリーター。ダメ彼氏と別れられない。
かつておジャ魔女どれみが好きだった3人がひょんなことから出会い、それをきっかけに運命が進んでいくという物語。
私は、がっつりおジャ魔女どれみ世代である。
大人になってから見返したことはないので、内容に関しての記憶は曖昧だが、当時は全てリアルタイムで見ていた。
この映画の登場人物の中ではミレと同世代である。
つまり、この映画はおジャ魔女どれみの、というより、あの頃おジャ魔女どれみを見ていた私たちの物語なのである。
私はこの映画を見て、それはそれはもう号泣した。
一人で映画館へ行ったのだが、本当に誰かと行かなくてよかったなと思うほどに泣いた。
「魔女見習いをさがして」の好きなところ
とにかく懐かしい
当時おジャ魔女どれみを見ていた人や、おジャ魔女どれみを知っている人なら誰しも、映画のポスターを見た瞬間に「懐かしい!」と思うだろう。
しかし、「懐かしい」と感じ、昔の記憶を蘇らせる力は、視覚よりも聴覚や嗅覚の方が勝るのではないかと私は思う。(実際は分からないけど)
この映画の冒頭、どれみちゃんがあの懐かしい声で私たちにこう問いかけてくる。
「ねえ、みんなは大人になったら何になりたいの?」
その声を聞いた瞬間、毎週日曜日におジャ魔女どれみを見ていたあの頃の情景が浮かんだ。
どれみちゃんの当時と変わらないその声は、私があの頃に戻るのには十分すぎた。
そして、あの頃はどれみちゃんと同じくらいの年齢だったはずが、いつの間にか大人になっている自分に気付き、思ったよりも長い時間を生きてきたんだなぁなんて考えたりした。
私が特別涙もろいこともあり、もうこの時点で涙腺崩壊。
どれみの世界と混ざり合う現実世界のリアルさ
映画が始まってまず最初に思ったことは、絵のタッチが懐かしい。
あの頃見ていたどれみちゃんの絵だ。
久しく見ていなかったこともあり、一気に当時の記憶が蘇った。
しかし、主人公である3人はあの頃見ていたおジャ魔女どれみの世界ではなく、私たちと同じ現実の世界を生きている。
東京・愛知・広島という実在の世界で生活しており、神奈川で出会って岐阜や京都・奈良へ旅行に行ったりする。
そして、それぞれの場所の描写は非常に細かく、スクリーンの中だけの話ではなく、現実世界の話としてリアリティをもたせてくれる。
それが、自分と登場人物を重ね合わせやすい要因のひとつだと思う。
それと同時に、3人はどれみの世界と現実世界の架け橋的なポジションだなと思う。
明日からまた頑張れる力をくれる
3人は出会いをきっかけに様々なことを経験し、それぞれの悩みを抱えながら成長していく。
この映画に限らず、現状を打破して夢や目標に向かって進む人の姿は、いつだって見る者を勇気づける。
登場人物と自分を重ね合わせて見ていれば、余計胸に響くものがあるだろう。
この作品ではそんな様子が時には面白おかしく痛快に、時には感動的に描かれている。
それぞれが逆境を乗り越え、一歩進むたびにグッときて泣いていた私は、帰る頃には顔がぐちゃぐちゃになってしまった。
大人になるにつれ、空も飛べないし、アニメに出てくるような魔法が使えないことも知っていく。
でも、人は誰しもそれぞれ得意なことやその人にしか出来ない特別な何かがあって、それは他の人からすれば、まるで"魔法"みたいなものなのだ。
そのあなただけの"魔法"で、ソラやミレやレイカのように、思い切って望む場所へ行けるし、なりたい自分への一歩を力強く踏み出せる。
いつか魔法が使えるようになるって信じてたあの頃と同じように、今からでもきっと何だって出来るはずなんだ。
自分に自信が持てなくなった時、うまくいくか不安になった時、この映画を思い出そう。
「魔女見習いをさがして」は、悩みながら今日を生きる私に、遠く懐かしい記憶を思い出させてくれる。
そして、私の背中を押し、明日からの私に自信をくれる映画である。
Netflixをはじめ、各種有料配信サイトでも見られるとのこと。
おジャ魔女どれみを知っている人はもちろん、知らない人にも刺さる部分がきっとあると思うので、興味がある方はぜひ一度見てほしいと思う。
映画『魔女見習いをさがして』公式サイト (lookingfor-magical-doremi.com)
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