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WE Run | Write, Eat, Run

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私たちが(そして誰かが)走り続けるためのリレーマガジン
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#やってみた大賞

はじめましての方へ、おすすめの記事。1-100記事篇

■はじめまして  『WE Run』は、“私たちが(そして誰かが)走り続けるためのリレーマガジン”というコンセプトのもと、走るをテーマに綴っていく共同運営形式のマガジンです。   “Write, Eat, Run”という3つのキーワードから生まれたマガジン名が象徴するように、書くことを通じて走ることについて考え、食事を楽しむように走ることを楽しもうとするメンバーが、書き手として参加しています。   目指すは、“読み終わったら走り出したくなるwebマガジン”。距離やペースにと

品川で 鉄道ラリー 6駅を 電車に乗らず 駆け巡るラン “ 東京そぞろ走り #7 ”

2023年2月10日金曜日。関東甲信地方全域に大雪の恐れが生じ、多くの地域に大雪警報が発令された。 ここ、松本市も例外ではなかった。朝から降りはじめた雪は止むことなく、昼過ぎには20cm近くの積雪となった。 私は信州大学の客員研究員としてゼミに参加するため、毎週金曜日に松本キャンパスまで通っている。周囲の話によると「あまり雪が降らない松本では、数年に一度の積雪量」とのことで、午後のゼミは休講となった。 当初の予定よりも早い時間に身体が空いてしまった。これからもしばらくは雪

食いしん坊と金沢マラソン

美味しいものを食べるために走る! それは、ここ数年私の密かな楽しみである。 油、肉、こってり、ガッツリが大好きだ。 とはいえ、40歳を越えてそんな食生活ばかりしていては太るだけでなく、健康診断にいくつも引っかかり始めてしまう。 欲望のままに生きていると、色々なリスクが生じてくる。 だから、せめてカロリーだけは消費できるくらいのランニングを、食べる前にするようにしている。走ったご褒美に美味しいものを思う存分食べる。それを私は「ご褒美ラン」と名付け、月に1度か2度、美味しいものの

小布施で『おもてなし』を走る " 旅先で『日常』を走る ~spin-off⑪~ "

Tくらさん「熱!あつっ!!熱い!!!」 私 「ちょっと無理…… 水で埋めよう」 I川さん 「いや、もうちょっと頑張ってみる!」 30年ほど前に日曜日昼下がりのブラウン管の向こうで流れていた『熱湯風呂』のごとく、今ここで三人のおっさんたちが温泉を前にしてはしゃいでいる。 ここは長野県野沢温泉。 信州の山間部に位置しており人が住むには不便極まりないと思われるのだが、どうやら縄文時代から人々が定住していたらしい。そんな野沢温泉には、外湯が13か所ある。 これらの外湯は「湯仲

夏至とランニング

多分絶対、私の膝は限界だ。 コンビニのトイレに寄って一時的に座ったことで、もう膝が悲鳴をあげている。 スマホのアプリを見ると、29キロと表示されていた。 夏至の今日、私はまもなく過去最高の距離を走り切る。 ***** それは2年前の夏至だった。 ランニングという趣味を持つようになって約1年経った私は、「夏至の日にいつもより長く走る」というオンラインイベントに誘われて、それまでの自己最長となる約14キロのランニングをした。 いつもふざけた顔をしているからか、あまり真面目だと

ラグビーと AEDと レモネード 絶望を超える 勇敢さとは “東京そぞろ走り #5“

2022年7月8日、金曜日。朝8時半。浜松町駅に私は降り立った。 芝消防署で、上級救命講習を受講するのだ。 私はかつて近くの飲食店で店長をしていたことがあり、防火防災管理者の登録をするために一度ここまで足を運んだことがある。そんなことはすっかり記憶の彼方に消え去っていたが、面白いもので実際に現地に足を運ぶと記憶の欠片がチラホラと脳裏をよぎり、ジグソーパズルのピースのように連結して記憶が鮮明によみがえってくるのだった。 思い出話はさておき、1階で受付を済ませて4階の会場に上

最高の幹事(プラクラ京都オフ会)

参加しているオンラインサロンPLANETSCLUBには名物ランニング部がある。 そのクラブ内で正確な日付は忘れてしまったけれど今年の始め頃「京都を走ろう」ということになった。メンバーのI田さんが個人的に京都を訪れたいというお話に乗ったのが最初だったように思う。折しも我がクラブ本体PLANETS刊行の雑誌『モノノメ』2号が発売となりその中の記事『観光しない京都』はみんなのホットな話題だった。 京都在住のM上さんをリーダーにI田さん。勝手に手を上げて参戦した私と関西在住のS水さん

センチメンタルな旅、春の旅 “ 旅先で『日常』を走る〜spin-off⑩〜 ”

-- 2022年5月22日、日曜日。午前9時30分。 京都二条城の前に私は立っていた。 今から、私が所属する『PLANETS CLUB』ランニング部が企画したオフ会が、ここ京都で開催されるのだ。 PLANETS CLUBとは評論家の宇野常寛さんが主宰する私塾で、" 参加者の「書く」スキルとリテラシーを育むワークショップをはじめとする学びのコミュニティ " だ。しかし、そんなにお固いコミュニティというわけではない。様々な趣味の分科会が存在し、有志によってそれぞれが運営され

「観光しない京都」という旅の楽しみ方を知った日のこと

京都を1人で走る  午前7時、池袋から私を乗せた夜行バスが京都駅に到着した。 天気予報は、あてにならない。 昨日まで雨マークなんて付いていなかったはずなのに、バスを降りたら雨が降っていた。 しょんぼりしながらも、夜行バス用に履いていたむくみ取りソックスやリラックス着からとりあえずランニングウェアに着替えようと、コインロッカーを探した。 京都駅には驚くほど沢山のコインロッカーがある。国内外から大勢の観光客がこの地を訪れていることが、コインロッカーをみただけでもよくわかる。果