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「新選組」(手塚治虫文庫全集)と「君ゆき」についての考察

ドラマ「君とゆきて咲く」の原作。
何とかして読む方法は無いかと思っていたら、発見!速攻注文や〜。
どハマり中のドラマは来週が最終回。結末はどーなるのか気になりつつも、原作版とは別物だとの勝手認識でイッキ読みしました。
ドラマとの違いにも言及しつつ、新選組ファンとしての視点も入れて感想を綴ります。

◆ドラマとは別物
ダブル主演のドラマだが、漫画では深草丘十郎がメイン。鎌切大作の役どころは同じながら、漫画ではサブ扱い。
ちなみに南無之介は新選組隊士ではなく、丘十郎をつけ狙う女の助太刀。新之丞サマは存在もしてなかった。
芹沢鴨死去の流れは史実ともドラマとも違っていて、手塚治虫先生は「これはこれで、異次元の世界の新選組物語と思っていただければよいでしよう」との事。

◆素晴らしい脚色
とは言いつつ、テレ朝は良くぞ見応えのある青春物語イケメンドラマに仕上げてくれましたよ!
原作漫画を実写ドラマ化する際、いろいろ問題が生じることはありがちで、記憶に新しい悲しい事案も…。
が、本作品は手塚先生なら"異次元の新選組"として許して下さったのではないだろうか。
坂本龍馬が丘十郎と交流するシーンは漫画にもあるが、ドラマだとより共感できた。やっぱり見目麗しい役者の達者な演技のおかげかしら。

土方歳三が古高俊太郎を拷問して池田屋騒動を知るシーン。漫画なら見れてもそのまま実写だと強烈すぎるから、ドラマでは密書を発見する体になっていた。これがまたドラマ内のキーポイントになるから、上手いアレンジだと思う。

そして祭りの花火。
これはドラマ冒頭でも印象的だったが、おそらく来週の最終回でも号泣必至になりそう。
漫画版では終盤にしか登場しない花火だが、そこがまた効果的。手塚先生手描きの心のこもったセリフと共に胸に迫ってくるのです。


◆やっぱり新選組は良い!
司馬遼太郎先生の「新選組血風録」「燃えよ剣」か1962年2月以降に発表開始されて、新選組ブームの兆しとなる頃。1963年1月スタートの手塚版新選組がほぼ同時期なのは、先見の明もあったのかと思われる。
手塚先生曰く「五稜郭まで描きつづけたかった」が「受けなかったのでちょん切られて」との事だが、私も先生の描く土方歳三の最期が見たかったです。
両巨頭以外にも新選組を題材にした作品は多々あって、実は私もひとつ書きました。
幕末の徒花ともいわれる新選組は、諸行無常というか、平家物語にも似た"滅びの美学"を体現した題材かと思います。
だからこそ絵になるし、現代の私たちの心も捉えてしまうのでしょう。
イケメンドラマ上等!これからの若者たちの心も鷲づかみにして、新選組は永遠に生き続けて欲しいと思います。

(来週の最終回、見たいけど終わってほしくない〜)



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