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BS特集ドラマ「正直不動産ミネルヴァSPECIAL」 (NHKBS)

大ヒットドラマ「正直不動産」シリーズ最新作!BS特集ドラマ「正直不動産ミネルヴァSPECIAL」 神木涼真(ディーン・フジオカ)が店長となったミネルヴァ立川店。この街を開拓するため、「空き家問題」に目を付ける。一方、その空き家をめぐり大手不動産営業・伊集院颯(坪倉由幸)も参戦。争奪戦が繰り広げられることに…さらに、不動産ブローカー桐山(市原隼人)も現れる。そんな時、神木が売ることのできない特別な空き家が出現する…。神木を救い、大手不動産を撤退に追い込むため、花澤(倉科カナ)や新加入の雪野遥香(見上愛)、立川店の社員たちが心を一つにする!

(以上公式サイトより)

「ヤマピーの出ない正直不動産なんて、つまらんし邪道や〜」
と思いながら録画して見たら、大当たりの面白さ! ディーン・フジオカ演じる神木涼真のタップダンスも健在で、見どころ満載の90分だった。

このスペシャル版が漫画を元にしたオリジナルかどうかは知らないが、それぞれのキャラクターと背景を活かした物語展開はお見事。
そこに実際話題になっている空き家問題や、老親の認知症、地域の縁側事業を絡めて、勉強にもなった。
新人社員の2人は不要に思ったが、誰かのバーターなのかな?

さはさておき、神木が妻子を失う交通事故は池袋のあの事故がモデルとしか思えない。明るいコメディタッチドラマの中に、こういう悲しい過去として折り込まれるのは、あの事故を忘れない教訓になるのではないか。
今回のストーリーも、あの事故で失った家族の思い出が詰まった妻の実家をどうするか?がと大きなテーマとなっていた。
思い出を引きずるのではなく、その先に進むためにどうすれば良いのか。皆が満足して幸せだと思える解決策は、AIでは出せない気がする。

ドラマ中、例の神木が語るセリフは私が常々思っていたことだった。
「不動産業界はこの70年、家を建て続けた。人口や世帯数が減ろうがお構いなしだ。"景気対策だ" "経済効果だ" 後先考えずに新築を建てた。それを口八丁手八丁で、人々の購買意欲をかき立てて売り続けたんだよ。その代償として今、空き家は増えて、街はどんどん廃れていってる。にもかかわらず、今度は手のひらを返して"問題だ""対策だ"。だから家を壊して建てて、また壊して建てて…。マッチポンプなんだよ」
土地が金になるのは昔からだろうが、家にはそこに住む人の歴史や思いが宿っていると私は思う。
ドイツやフランスなど、昔の家に手を入れて長く住み続けるケースを知ると、近年よく目にする某ハウスメーカーの極狭低コスト住宅は、金儲け最優先のインチキにしか思えない。

また、このドラマのもう一つのテーマ=認知症と老親について。
武田鉄矢と松坂慶子扮する老夫婦のエピソードも、リアリティのあるものだった。今後このようなケースは増えていくかもしれない。

たかがドラマ、されどドラマ。
せっかく見るなら、何か心に引っ掛かるものであって欲しい。





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