英雄たちの選択 (教養 NHK)
我は女の味方ならず 〜情熱の歌人・与謝野晶子の“男女平等”〜
「みだれ髪」など情熱の歌人として知られる与謝野晶子は人気評論家だった。おりしも女性の権利拡張を目指す運動が盛んになる中、母性保護をめぐり平塚らいてうと大論争に。 与謝野晶子は言論弾圧が厳しい時代に、歯に衣着せぬ評論で人気を集め、あらゆるジャンルの評論を雑誌、新聞に載せた。中でも力を入れたのが「男女平等」。女性も仕事をすることで男性から経済的自立することが必要と主張。おりしも女性の権利拡張を「母親になれるのは女性だけ」という理由で推し進めうとしていた女性解放運動家の平塚らいてうと「母性は保護されるべきか」をめぐり激しく対立、大論争を繰り広げる。その結果は?
(以上 公式サイトより)
与謝野晶子=情熱の歌人が一般的な評価だと思うが、私は「君死に給ふことなかれ」の印象が強い。このエピソードを知ったとき「あの時代に立場の低い女性の身で、よくぞここまでハッキリ主張できたものだ」と非常に尊敬の念を抱いた。
後に自分の息子が出征する際は、勇ましく送り出すような歌を詠んだとも言われているが、人の気持ちが立場や状況により変わるのは仕方ないともいえよう。
なんにせよ、そんな与謝野晶子が女性の自立や教育に心を砕いたのは事実である。
「女子が自活し得るだけの職業的技能を持つといふことは、女子の人格の独立と自由とを自ら保証する第一の基礎である」
「男子の財力をあてにして結婚し及び分娩する女子は、経済的には男子の奴隷」
↑ 番組内で紹介された晶子の主張は、現代にも通じるものがある。
コメンテーターも触れていたが、晶子は当時の女性の状況だけでなく、更にその先も見据えていたのだろう。
実際に彼女は、仕事のなくなった夫・鉄幹を見捨てる事なく子だくさん家庭を一人で支え、ヒモみたいな夫をフランスにまで行かせている。
愛と才能だけではこんな事、なかなかできない。それだけ優れた人格者晶子が、最後に情熱を傾けたのが教育だった。
花嫁修行ではなく、女子も男子並みに学べる授業をそろえた文化学院の創設は偉業としかいえない。
司会の歴史学者・磯田道史氏が終盤述べたコメントは、全くもってその通り。
「教育は人への投資である。日本がこんなに苦しんでいるのは、人への投資を怠っているから」
しょーもない言葉狩りでお互いの揚げ足をとり合っている間に、程度の低い政治家がのさばっている今の日本国。
金のある家は塾など行き放題だが、そうでない家は身を粉にして働いても税金取られるだけ。
自己責任という冷たい言葉で自助を促し、公助は回すべき金を裏金にする。そんな国家に未来はない。
自衛というよりは闘争の手段として、私は教育の重要性を訴え続けたい。
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