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時をかけるテレビ 池上彰 〜映像詩 里山 命めぐる水辺〜 (ドキュメンタリー NHK)

10/4(金) 午後10:30-午後11:30
公式サイト

田んぼ、小川、雑木林…。身近で懐かしい、かけがえのない日本の「里山」を描いたNスペ。滋賀県・琵琶湖北部を舞台に、水と密接な関わりをもつ人と生きもの世界を、斬新かつ美しい映像で描き出す。魚と漁師と野鳥たちのもちつもたれつの関係や、花火を見上げるカエルの目のアップなど、2年近くをかけて驚きの撮影に成功した。イタリア賞受賞番組。ゲストは滋賀県出身で故郷をこよなく愛するアーティスト西川貴教さん。
(以上 公式サイトより)

ほんの20年前の映像なのに、とても懐かしく感じてしまうのは何故だろう。
滋賀県の琵琶湖北部・針江地下の里山の四季を淡々と見せてくれるドキュメンタリー。水辺に住む生き物と、彼らと共に生きる人々の様子は、古き良き日本の風情そのものだった。

特に川端(かばた)という仕組み、これこそ自然との共生&環境保全そのもの。
川から家まで水路を引き込んだようなこの作り、ゲストの西川貴教曰く「川端の場所を決めてから家を作る」そうで。自然の生簀というか、大きな鯉が泳ぐ側でお鍋を洗剤無しかつタワシで洗う。
流れ出るお米つぶなどの残飯を鯉たちが食べて、きれいになった水はまた川へと戻っていく。
夏は冷たく冬は温かい、今年の酷暑でもそうだったのかな?

水辺では、冬の終わりに冬枯れのヨシを焼く、いわゆる野焼き=ヨシ焼きが行われる。焼く事でヨシの害虫が退治され、その灰は肥料となり、また良いヨシが育つのだ。
そこに雪解けの水が流れ込み、魚の卵が産みつけられ、また新たな生命が育まれる。循環される生命ってこういう事なんだなと、漠然と思う。

人も自然の一部として、共に生きて死んでいく。
こういう番組を見ていると、心が洗われると同時に現状を憂う気になってしまう。
地面がアスファルトで覆われるのは、車の行き来をしやすくする為で、それはつまり文明が自然を壊しているという事。その結果地表に熱がたまり、温暖化を招き、暑さでクーラー使用したら、また地表面が高温化する。それくらい予想できるだろうに。
なんとも素晴らしい番組なのに、このモヤっとした気持ちは何? それでもやはり、こういう現状を知る事は大切なのだ。


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