読書⑲

1.そして名探偵は生まれた     作者  歌野晶午さん

帯にオチが読めたと思いきや「してやられる」瞠目のラストとあります。即、本屋にて購入。短編集(4作品)です。

1.そして名探偵は生まれた
2.生存者、一名
3.館という名の楽園で
4.夏の雪、冬のサンバ

「生存者、一名」……爆破事件(宗教団体の指示)の実行犯4人の男女をクルーザーで屍島(無人島)へ連れてきた司教とその部下の2人。ほとぼりが冷めたら、海外へ逃がすと言われた4人は、傾いた小屋で、与えられた3ケ月分の食料で、生活していくこととなる。

が、司教とクルーザーが消え、そして、1人、また1人と殺されていく……

こういうことか! ラストの1行、さすがです。


2. 筆のみが知る 幽霊絵師火狂     作者  近藤史恵さん

図書館で借りた今年、1冊目の本です。

大阪の大きな料理屋「しの田」のひとり娘の真阿(14)が主人公。ある日、しの田の二階に、怖い絵を描く有名な絵師、火狂が居候することとなる。

「犬の絵」……やせっぽちの黒い犬の夢を何度も見る真阿。ある日、水浅葱の裃を着ている黒い犬の絵を引き取ってほしいと、男が火狂を訪ねてくる。

普通の人には見えないものが見える火狂と絵にまつわる不思議な夢を見る真阿。明治初期という時代を背景に、ホラーで、ミステリアスな香りがする短編集でした。

近藤史恵さんの作品は、読みやすく、大好きです。




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