読書⑨
マリリン・トールド・ミー 作者 山内マリコさん
本の表紙が可愛く、図書館で手に取りました。
友達なし、恋人なし、お金もなしの大学生・杏奈が主人公。
コロナ禍で家から出られず、東京で一人寂しく暮らす彼女に、ある晩、
マリリン・モンローから電話がかかってきます。なんてぶっ飛んだ物語
かとおもいきや……
ファンタジー好きな私にとっては、ワクワクな展開を希望しましたが、これはマリリンと電話ではありますが、出会い、孤独を分かち合い、友になる杏奈の成長物語。
ジェンダー社会論演習Ⅳ 松島ゼミで議論し、卒論をブラッシュアップしていく杏奈。そして、マリリンを、より理解し、知ろうと努力した杏奈は、「セックス・シンボルからフェミニスト・アイコンへ~マリリン・モンローの闘い~」という卒業論文を完成させるのです。
この本を読んで、マリリン・モンローのイメージが変わりました。
イメージを払拭するのは大変な事だと思います。しかし、たった数人の
理解者から始まるイメージの払拭もありえますし、価値観やイメージも、時代とともに変化していくものなのかもしれません。
何十年後、世間のマリリンに対するイメージは変わっているのかも……
2024年・春、杏奈は自分の足で、自分の意思で力強く生きています。思いがけない場所で。
読後感がよい本でした。