読書⑳
1. 山の上の家事学校 作者 近藤史恵さん
本の帯に「家事ができる人もできない人も、すべての人に読んでほしい。……あなたの人生を奪われる前に。原田ひ香」
とあります。
離婚して1年。最前線で戦っているつもりが、ただの取り換え可能な駒だったと思い知らされ、大阪支社へ移動願をだした主人公の仲上(43)は、コンビニかテイクアウトばかりの食事を心配する妹から、20年後、娘にとって、自慢の若々しい父親でいる為にもと、男性が対象の家事学校に行くことを勧められる。
当たり前だと思っていた料理も洗濯もアイロンも、妻や母がやってくれていた。手間をかけてくれていた……家事を学び、気づき、意識が変わっていく仲上の変化が読んでいて、楽しかったです。
コンビニ弁当でも、手作りの味噌汁を足すことで、ちょっぴり心が豊かになる。豊かな生活を目指したい!……この本を読み、そう思いました。
2. 凍える島 作者 近藤史恵さん
第4回鮎川哲也賞受賞作
読みたかった作品。図書館で借りました。
無人島を訪れた男女8人。そして、起こる殺人事件。
1人、また1人と殺されていく。
犯人は、残された人の中にいるのか?
それとも他に、誰か、島に潜んでいるのか?
このようなストーリーはよくあるものかもしれません。
しかし、一癖も二癖もあるような登場人物たちによって、
ミステリアス度がましたのでは……
終盤まで、「いったい、この物語は、どうなっていくのだろう」と
惹きつけられました。