ホームパーティーと社宅に見る日米のコミュニケーションの違い

アメリカのホームドラマのワンシーンを想像してみましょう。主人公とその友人は、会社では部下と上司。彼ら彼女らは、しばしばホームパーティーを開き、和気あいあいとコミュニケーションをとります。会話の流れから仕事の話になった場合、次のようなやりとりが考えられます。

「ビル、悪いがこれは上司としての指示なんだ。悪いがやってもらうことになるよ。この話は、今日はここで終わりだ。続きは月曜日にしよう。さぁ、今日は楽しもう」

「ああ、わかったよロジャー。この話は月曜日だ」
これを聞いた二人の奥様は「二人とも、仕事の話はここではだめよ!今日は楽しんで!」

 さて、一方今の日本では、上司との飲み会に行く部下は、少ないでしょう。
上司の家に招かれてもおそらく行かないでしょう。よほどの理由がない限り。

 何をいいたいかおわかりでしょう。アメリカ人は、友人同士で話をしていて、仕事の話になったときにだけ、お互いの役割に一瞬戻ります。しかし基本的にはプライベート空間では仕事の話を積極的にすることはありません。そして、仕事以外のふだんの場面では、すぐに友人同士の会話に戻るということです。ビジネス上の立場とプライベートを分けて考えています。部下と上司でもファーストネームで呼び合う文化ですね。

これと対照的なのが日本です。それは20〜30年前まで多く見られ、今でも存在する「社宅」という生活空間に顕著に表れていました。

近年は少なくなりましたが、数年前まで社宅の話を耳にすることがありました。 
社宅の奥さま同士の関係性は、多くは夫の職場の関係をそのまま引きずっている社会です。となりの奥さまが自分の夫の上司の妻ならば、かなり煙たい存在ですし、できれば話したくないのでは?逆手にとって、うまく立ち回っている奥さまもいます。また、逆にとなりの奥さまが自分の夫の部下の妻ならば、マウントをとることもあるのでは?

こうした事情があるため、昨今では社宅は極めて不人気と聞いています。ほぼなくなりつつあるのでは?

上司部下のコミュニケーションの取り方が欧米の社会と日本ではかなり違っています。ここに日本社会の特徴があります。
 日本では、同期といえども会社や組織での立場が変われば、その上下関係がそのまま奥さまの関係、つまり、私生活のレベルにまで影響しかねないのでは。これが日本社会です。今は昔ほどではないとも聞きますが……。

こういう社会での1on1ですから、日本では難易度が高くなるのも否めないですね。

 

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