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映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督記:68 広島地裁・報告1
広島地裁の門前で原告団とメディア関係者たちが河合弘之弁護士から伊方原発運転差止仮処分申請が却下された理由を聴いている。簡潔に書くと、“原子力規制委員会が安全だと判断した原発に裁判所がそれ以上の判断をすることはできない。従って原告の申請は却下する”ということだった。
なんのための裁判所なのか?という驚きの判断、裁判所は判断を拒否したわけだ。
しかし、原告の方達のスピーチを聴くと絶望は感じない。「闘いを続ける」、「第二審は必ず勝てる」と新たな決意を表明された。
スピーチを聴く人々の中に樋口英明元裁判長の姿を見つけた。マスクをしていてもわかる険しい顔。福井地裁での大飯原発裁判判決日に撮られた写真のあの近寄りがたい目をしている。まともな人間ならば誰もが理解できる通称・樋口理論を広島地裁が判断の材料にしなかったことに樋口さんはなにを思うのか。
地裁門前からすぐ裏にある弁護士会館へ向かう原告団一行。田邉カメラマンは先頭に立って行く河合弁護士、樋口さんたちを後ろに歩きながら撮る。後ろに歩きながらどうしてこんなに安定した画が撮れるのか?カメラマンの技術は凄いもんだ。
先ほどまで険しい目をしていた樋口さんがいつもの柔和な目に戻っているので声をかけた。
「樋口さん明日講演会がありますが、今日の結果を受けて内容は変わりますか?」
「変わりますね。だいぶ変わります」。
ニコニコ笑いながらおっしゃった。
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