小原浩靖

TVCM等映像広告作品700本以上。映画『日本人の忘れもの フィリピンと中国の残留邦人…

小原浩靖

TVCM等映像広告作品700本以上。映画『日本人の忘れもの フィリピンと中国の残留邦人』で第26回平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞、第38回日本映画復興賞奨励賞を受賞。2022年公開の『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』は第12回江古田映画祭グランプリ受賞。

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  • 『原発をとめた裁判長』監督日記集

    映画ができるまで。そして届けるまで。

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映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:145 除去土壌等運搬

2024/10/15~10/17 晴・曇り・晴。主に福島県双葉郡を毎日走っている”除去土壌等運搬車”という大型トラックを撮影した3日間だった。 除去土壌とは、農地や住宅地に降り注いだ放射性物質が混ざった土のこと。なぜ”等”というのかは、解体した家屋などの廃材が少し混じっているので100%土ではないからだ。 トラックのフロントガラスの下に除去土壌等運搬車と印刷された旗が張られているのですぐにわかる。ほとんどが3台1組で走っていて、国道114号ではその隊列をいくつも見かける。

    • 映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:144 収穫祭

      2024/9/21 雨。二本松の農場で初の収穫祭が執り行われた。 生憎の雨天でも全国から30名近い方がご来場。この方々はブドウの樹のオーナーでもある農場のサポーターさん達だ。記念すべきイベントを撮影するために参加した自分もサポーターの一人である。 先ずは福島市の庭坂という地域にある近藤恵さんがプロデュースしたソーラーシェアリング牧場を軽く見学。ここは本作にご登場いただいた後藤喜一さんの果樹園だった場所。喜一さんがご高齢のために果樹園ではなくなったが、息子の喜孝さんが引き継い

      • 映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:143 DVDを図書館へ

        2024/9/9 快晴。本作のDVDを所蔵してくれる図書館が増えてきた。9月4日時点で全国20館。 前作『日本人の忘れもの フィリピンと中国の残留邦人』が2021年のリリースで現時点24館所蔵なので、リリースから半年で20館はドキュメンタリーの中では好調のようだ。 図書館への流通はビデオグラム販売の老舗(株)マクザムにお願いしている。営業担当の方とは前作から懇意にしていただいていて、現在のDVDやブルーレイの立ち位置を教えてもらうことが多い。 今は映画の二次使用の主流はネッ

        • 映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:142 長いロケ 後編

          2024/7/14~19 梅雨らしい日々 7月17日。大学生のOさんとYさんは午前中はブドウの摘粒、午後からはイエローマスタード畑の雑草取りに汗を流した。根気が要る作業にも「だんだん楽しくなってきました」と頼もしい。イエローマスタードは瓶詰で販売されるこの農場の人気商品、混じり気のない澄んだ辛味で自分は大好きだ。ソーセージにたっぷりつけると最高でオイルベースのパスタに添えても旨い。日本ではほとんど作られていないイエローマスタードなので是非、超有名商品に育ってほしい。 陽が傾

        映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:145 除去土壌等運搬

        • 映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:144 収穫祭

        • 映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:143 DVDを図書館へ

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        • 『原発をとめた裁判長』監督日記集
          144本

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          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:141 長いロケ 前編

          2024/7/14~19 梅雨らしい日々 本作をご覧になった大学生の女子お二人が二本松に一週間の農業体験に訪れた。 お一人は、塚田晴農場長が卒業した農業高校の一年後輩のOさん。ポレポレ東中野でいち早く本作を観て大学の先生に強く勧めてくださったことから2回の授業上映が実現した。もうお一人は、授業上映と能登半島地震チャリティー上映会でご覧くださったYさん。核兵器廃絶の平和活動に高校時代から参加されている。 映画をきっかけにソーラーシェアリング農場を体験に来た行動力に心から敬服する

          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:141 長いロケ 前編

          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:140 居候農場

          2024/7/4 晴れ 二本松の農場のみなさんにお願いして小さな畑を作らせていただいた。 小原ソーラーシェアリング居候農場ということになる。 塚田晴農場長にアドバイスいただいて畝を作り苗を植えた。何を植えたのかは現時点では秘密にしておこう。 月に一度の農場撮影の時にしか畑の世話ができないので比較的簡単に出来ると言われているものを選んだ。 さて、うまく出来るのか?出来ないのか?とにかく楽しみだ。 極小の畑でも、作ってみたら本当に難しいことを身をもって知った。土を掘って盛って、

          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:140 居候農場

          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:139 DVD宣伝

          2024/6/15 晴れ 本作のDVDの広告が「うた新聞 6月号」と「紙の爆弾 7月号」に掲載された。5月に「ふぇみん」という新聞にも載ったのでこれで3誌に広告出稿したことになる。 3誌とも原子力発電に反対する志を持っていて、ご担当者が試写会や劇場に足を運んでくださったご縁から掲載料の割り引きや無料にしてくださったりと大変なご厚意をいただいた。 潤沢な広告費があれば大手の新聞や雑誌にも載せたいがそういうわけにはいかないので本当にありがたい。 DVDの売れ行きはまずまず順調と

          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:139 DVD宣伝

          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:138 とにかく撮っている

          2024/5/15~18 晴れ・雨・晴れ・晴れ 5月はいい。 我が家のマンションの樹木だけでもそう感じるが、二本松の農場に行くとあらゆる自然の力が漲っていて自分も影響されて撮る気満々になる。それで2泊の予定を1日延長した撮影の旅になった。 大自然の力を人の手で制御して食糧を得るのが農業だが、5月はその成果を実に美しく見せてくれる。 すっくと伸びた小麦の穂をクローズアップで撮るとこちらの背筋までピンと伸びる思いだ。首を垂れる稲穂では、こういう気分にはならない。 イエローマスター

          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:138 とにかく撮っている

          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:137 おれたちの伝承館

          前回の続き。 2024/4/6 晴れのち小雨 川俣町の齋藤さんのソーラー農場をあとにして福島第一原発の北約20kmにある南相馬市の[おれたちの伝承館]に向かう。 山を越える国道の途中には浪江町津島地区がある。放射線量が非常に高く、事故から13年経った今も誰も帰れない津島の集落を描いた映像作品『ふるさと津島』を見たばかり。ドローンが主人の帰りを待つ家々を巡り、避難中の方々へのインタビューを重ねたこの貴重な記録映像を思い返すと国道からの侵入を拒む鉄柵の向こう側をリアルに感じる。

          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:137 おれたちの伝承館

          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:136 福島二日間

          2024/4/5晴れ 二本松の農場に新たにブドウの樹を植えると塚田晴農場長から教えてもらい撮りに行った。 1月と2月は暖冬で雪景色を撮ることができず残念だったが、やはり春の訪れは農場全体から活力を感じる。朝陽を受けた小麦の芽は本当に綺麗だった。 今回植える30本のブドウの幼木は冬の間、藁を敷いた土の中に寝かせて春を待っていたそうだ。2021年に植えた98本と合わせると128本。立派なブドウ園になる。 以前この日記で書いた「ブドウの樹サポーター制度」は大好評で98本全てにサポ

          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:136 福島二日間

          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:135 チャリティー上映報告

          2024/3/20 快晴 3月15日に開催した能登半島地震チャリティー上映会は、44名のお客様にご来場いただいて68,421円のご寄付が集まり、珠洲市能登半島地震災害義援金としてお届けした。 金曜の夜7時という難しい時間での上映だったが、会場であるポレポレ坐には開場前から並んでくださる方々が! 興行は蓋を開けてみないと分からないので、最悪10名程度も覚悟していたのでホッとした。 一昨年ポレポレ東中野での公開時に観に来てくださった大学生は友だち6名を誘って。はるばる島根から

          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:135 チャリティー上映報告

          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:134 発売しました!

          2024/3/15 快晴 本日、DVDとサントラCDを映画公式サイトにて発売しました! 早速ご注文いただいています。 公式サイトを通じてお客様と直接メールでやりとりする方法の販売ですが、この方法をとって大変良かったと既に実感しています。 劇場でご覧になった時のご感想を書いてくださったり、登場人物のお知り合いだったりと、お客様を身近に感じるとことができます。 どうぞよろしくお願いいたします! <映画公式サイト> https://saibancho-movie.com/in

          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:134 発売しました!

          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:133 DVD&CD発売!

          2024/3/10 晴 来たる2024年3月15日金曜日は、いよいよ本作のDVDの売り出しの日となる。なぜ発売日と書かないのかというと、その方が気分がしっくりくるからだ。 Amazonのような一般的な流通には乗せずに本作の公式サイトを介して自分が直にお客様に販売する。 これまで一人で宣伝・配給に挑み、一人で自主上映会を取り仕切り、一人でバリアフリー版を作った。 もうこうなったら、DVD販売も自らやるぞということだ。 DVDの制作には、それなりに大きな資金が要る。パソコンでD

          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:133 DVD&CD発売!

          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:132 チャリティー上映会開催

          2024/2/15 快晴 能登半島地震が起きてから自分も何かしらの支援をしたいと考えていた。と言っても考えたのは一瞬で、すぐに「そうだ!チャリティー上映会だ!」と思いついた。 来たる3月15日(金)東京都中野区のCafe & Spaceポレポレ坐にて、 能登半島地震チャリティー『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』上映会を行います。18:00開場、19:00上映開始。上映後に登壇します。 入場無料(ワンドリンク制 500円)。バリアフリー上映です。 この上映会は

          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:132 チャリティー上映会開催

          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:131 必要とされる

          2024/1/26 快晴 能登半島地震と羽田の航空機事故で新しい年が始まった。 震災では今も行方不明の方々がいて、厳寒のなか不自由で不安な避難生活を強いられている方々のことを思うとどんよりとした気分が治らない。 やはり強く思うのは2003年に計画中止となった珠洲原子力発電所がもしも建設されていたらということと、志賀原発の状況だ。変圧器の不具合が公表されたが、ほかにも何かの不具合が起こるような気がしてしかたない。 そんな思いの中、1月12日(金)に新横浜で今年初めての上映会

          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:131 必要とされる

          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:130 動員2万人

          2月から始まった自主上映会は、12月26日の上映が今年最後となった。 10ヶ月の間に134団体による176回の上映があり、12,866名の方々にご覧いただいた。 反原発団体のほか、生協、自然エネルギー事業者、宗教者、大学、高校、映画祭、各地の市区町村議員、カフェやギャラリーなどが主催してくださり、これまでの原発関連映画とは異なる広がりが生まれたと思う。 上映会を開催するのは本当に大変なことだ。費用を捻出して会場を予約し、ビラ配りやSNSで宣伝して、当日までお客様がどれくら

          映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』監督日記:130 動員2万人